AMI ALEXANDRE MATTIUSSI 2016 SS !!! | ダイコ★ブログ

AMI ALEXANDRE MATTIUSSI 2016 SS !!!

 

 

 つい先日は急に暖かくなったのに、また寒さがブリ返しましたね~、、、まさに三寒四温とはこの事でございましょうが、歳を重ねる毎にこの2,3月の残寒とも言いましょうが、付いて行けなくなって来ております。。。

 

 

 受注会で頼んでおいた春物が少しずつ届き、早く春の軽やかな装いを楽しみたくて仕方ないですねぇ。。。

 

 

 

 でも、考えてみたら去年も桜が咲いた後に雪が降ったりと、おかしな天気になりましたもんねぇ。。。目には春の訪れを感じさせる花ですが実際は肌寒く、その寒さを酔いで紛らわすような夜桜見物が、私は好きですねぇ。。。

 

 

 

 

 はい。ほんともろもろの諸事情で遅延が続いておりますが、めげないで頑張りたいと思います!!!今日お伝えするのはPARISのブランドAMI ALEXANDRE MATTIUSSI(アミ アレクサンドル マテュッシ)です。ワードローブ発想による徹底したリアルクローズが人気のこのブランド、ショーのモデルがそのまま街へ飛び出しても何の違和感もないくらいのフレンドリーなスタイルが、かつて過剰なまでにTOO MUCH FASHIONを経験したファショニスタ達を中心に、幅広いジェネレーションで支持されています。

 

 

 今回コレクションの会場になったのはチュールリー公園の特設テント。prêt-à-porter(プレタポルテ)のシーズンにはここを会場にVALENTINOなんかが新作を発表していますが、MEN'S COLLCTIONでは珍しい会場。

 

 開放的なインテリアの中に足を伸ばすと。。。。仮設のテントや電球に飾られた何やら楽しい学園祭のようなムードです。

 

 

 4日目の最後のコレクション。。。疲れも限界で、もう、笑いが出てしまうような状況にこんなハッピーなインテリア。。。。。今、思い出してもなんだかもの凄い楽しかった思い出しかありませんねぇ。。。

 

 

 シートに座って翌々廻りを見渡してみると。。。。どうやらこのセッティングはmarché(マルシェ)のようですよぉぉぉ。。。

 

 フランス語で市場を意味するマルシェは、まさにフランス人にとっては欠かせない存在です。街の広場等に仮設でオープンし、曜日や時間が決まっていて、食品や生活必需品、洋服やアンティークを売っているお店等様々なお店が軒を連ねます。

 

 

 パリ滞在期間中に時間がある時は私も足を運びます。サン・ルイ島から歩いて行けるバスティーユには、木曜、土曜、日曜の朝にマルシェが出ます。お世話になっているサン・ルイ島在住の大和撫子のフランス人の旦那さまが、マルシェのオーソリティーでございまして、彼のガイドで行くといろいろとお得な思いをします。。。。

 

 ここではお気に入りのハチミツ屋があって、日本では珍しいコクのある栗の花のハチミツがあったり、独自のハーブでブレンドしたゲラントの塩を売ってるお店なんかも出てお土産にも良いですね。大体週末の朝マルシェで材料を買って、その日は一日夕方までダラダラ料理を作って、ワインを飲んだりするのが至福の時間です。

 

 16区のパレ・ド・トーキョー付近には星付きレストランのシェフ達が愛する、有名な野菜の作り手、Joël Thiébault(ジョエル・ティエボー)氏が店を出す、プレジデントウィルソンのマルシェや、お隣のシテ島には常設でオープンしている花や小鳥を扱うマルシェ等、実に個性的ですね。

 

 

 パリジャンに必要不可欠な、生活のベースとも言えるマルシェをアレクサンドル・マテュッシがクリエイトすると一体どうなるのか。。。。

 

 

 必要不可欠や生活という要素からインスパイヤされた今回、いつも以上にベーシックなスタイルのみが発表されます。マルシェで野菜や精肉を売るお店のスタッフ達の、アウトフィットなんか気にしないラフなスタイルや、出勤前にサクッと寄ったビジネスマン、寝ぼけ眼でジャージにコートだけ引っ掛けて来たロコのムード等、映画の1シーンでも見るようなさりげないスタイルが大半を占めます。

 

 

 デニムやチェックのツイード、オールドスクールのイメージさせるジャージなど、お馴染みのコードを用いながら表現されるスタイルは、フレンドリーな中にも何処かピリッとした筋の通ったムードがあり、それこそがアレクサンドルの『饒舌に語らないからこそ、雄弁に語る』というクリエイションです。

 

 

 まず最初にマルシェ・アミにやって来たのは、こんなエフォートレスなスタイルのブラックの坊やです。自慢の肌の色を最大のアクセントにしたようなコーディネイトは、一見ベーシックなコチェスターコートをオーバーシルエットに仕立て、ラペルやボタン、ポケットのディテール等余りにも当たり前過ぎるデザインです。

 

 インナーにはグレーのニットにスカーフを巻き、胸元から白いタンクトップが覗くと技を効かせ、ウールのグレーのパンツはハイウエストでホワイトのスニーカー。。。。

 

 

 全然普通。。。。でも、なんだかオシャレ。。。。。ある意味、究極のベーシックにトライした感のある今回のコレクション、、、、、。何処が素敵なのか紐解いて行きましょうね。

 

 

 コレクションでは日々の生活の為の買い物に来た、ロコ達の気負わないリアルクローズが続きます。

 

 ブラックのテイラードジャケットに薄手のシャツ。古着のようなグレーのパンツのこのスタイルも実にシンプルですね。ブラックのジャケットは昨今トレンドのミニマムなデザインですが、襟とラペスが少し広がるように仕立ててあるのでエレガントな印象を受け、丈も少し長めです。インナーのテカテカのシャツはあえてのボーダー。。。。

 

 このスタイリングでキーになっているのが、シャツのインナーに覗く白いタンクトップです。90'S、DOLCE&GABBANAが世界的に大ヒットさせたこの種のアイテムは、肉体労働者等が必死に作業している中、チラリと下着が覗くという少しフェティッシュなエッセンスに由来しています。アンダーウエアのようなアイテムを中に入れる事で、マルシェで働く男たちのワイルドさが表現されていて、実に効果的でしたね。

 

 ただ、このスタイリング、カジュアルな場合にしか使えません。つまりパンツが見えててOKという状況ですから、ビジネスが絡むカジュアルランチ等でも完璧にNG。。。

 

 

 2001年に初めて首相としてアメリカを訪問した元小泉純一郎総理は、ホワイトハウス訪問の際にブルーのシャツの下から白いTシャツの襟元を覗かせていました。元ブッシュ大統領とキャッチボールまでして日本をアピールしたつもりでしょうが、これは下着が見えているという最悪の格好悪い事態。。。。若々しく見え、レフ板効果で顔が明るく見えると思ったのかもしれませんが、その時同行していた他の全ての要人達は誰もそんなスタイリングをしていませんでした。

 

 お姉さんや奥様がスタイリングしているという話を聞いた事がありますが、日本の首相はファッションはもとより、礼儀を解っていないと世界に恥を晒しましたね。。。

 

 

 いやぁ。。。こちらは一歩間違うと大惨事になってしまいそうなケミカル デニムのセットアップ。。。。80'sに幼少期に過ごし、気付かない間に親に着せられていた過去を振り変えると、笑っちゃうくらい恥ずかしいアイテムの代名詞ですよね?www それをセットアップで。。。。死ぬ程抵抗があります。。。

 

 ですが、アレクサンドルは実にカッチリとした美しいボックスシルエットで仕立てちゃっていますね。インナーにはシャツを合わせ、ペンシル型のパンツは短めのヘムでやはり白いスニーカーがアクセントです。

 

 ここまで、堂々と着られちゃうと段々アリに見えて来るのが不思議な所。。。。もちろん、80’Sの苦い思い出のが全く無い、90'S以降に生まれた若いモデル君を使っているから、こんな軽やかなムードになるのでしょうけどねぇ。。。www

 

 

 こちらは先ほどアンダーウエアが覗いていた坊やが来ていた光沢のあるボーダーのサテンと同じ生地で仕立てたプルオーバーのパーカです。歩いている時の緩やかな動きから想像すると、レーヨンが混紡されたヴィンテージのアロハシャツのような質感でしたね。

 

 細かくてシンプルなボーダーを縦横に組み合わせて切り替えたフロントに、ジップやフードに付いたドローストリングがアウトドアのムードで、少しドレッシーなファブリックとユーティイティーのデザインのミスマッチが面白かったですね。

 

 ボーダーのアイテムは他にネイビーXホワイトの鉄板のカラーでも登場していて、あえてタンクトップ一丁をウールのパンツとコーディネイトしたり、ネイビーのブレザーに赤いニットを腰に巻いてトリコロールで合わせたりと、オーセンティックに楽しむのが今年風のようでしたね。。。

 

 

 ニットは今回、レッドやホワイト、ネイビー等単色のアイテムが中心で、やはりシンプルに楽しむスタイルが中心でしたね。

 

 こちらはその中でもキャッチーなアイテムで、ジオメトリックにアレンジしたアーガイルのモチーフです。はい!どうぞシンプルに着て下さいまし!!!

 

 このニットは他にネイビーXイエローXグレーのバージョンもあって、コレクションには登場しませんでしたが、アクセントとなるイエローがキャッチーでしたね。

 

 

 アミのコレクションではテーマにもよりますが、毎シーズン様々な男性像が登場します。モデルの多くはアレクサンドルの友人という事もあり、プレタポルテなのに、良く知っている友人に似合うようにスタイリングしているのが魅力的です。

 

 友人の好きなスタイルや好みの音楽まで知っているからここまでしっくりとハマり、必ずと言って良い程、白人、黒人、黄色人種とバランス良く登場させるのも、あらゆる国籍の人々がイメージしやすいようにという、アレクサンドルのホスピタリティーです。

 

 こちらのようにガリッとスーツを来たアラン・ドロンのようなイナセな兄貴が登場するのも素敵で、シンプルなスタイルの中にフランス伝統のキザというスタイルを見せてくれて、日本人では絶対こうならない感じが溜まらなく大好物です。

 

 今季のスーツはこちらのようなトラディショナルなガンクラブチェックを使用したものや、シックなタバコカラー、目にも鮮やかなウルトラマリンのアイテムなんかがコレクションには登場しました。

 

 こちらはウールですが、コットンベースのファブリックを使用したアイテムですと、そこまでやり過ぎた感がないので、さりげなく楽しめる事と思います。。。

 

 

 オーセンティックな提案の一つとして今回新鮮だったのが、こちらのようなオールドスクールなスポーツウエアのアイテムです。

 

 極々シンプルで、一歩間違うの学校の名前入りのジャージのようにも見える。。。。オーバーシルエットでも何でもないミニマムなデザインが逆にフレッシュでしたね。トップスだと胸元に、パンツだとウエストの部分に刺繍されたAMIの文字が、一見すると『近藤』とか『田中』のネームに見えて、さらにギリギリ感を盛り上げてくれます。。。www

 

 スタイリングの提案もギリギリです。ポリエステルXコットンのジャージにコーディネイトするのはしっかりしたテーラリングのコットンの2つボタンのチェスターコート。。。。これ、家でジャージでゴロゴロしてて、コートだけ引っ掛けてマルシェに買い物に来ましたって事でしょうか。。。。www

 

 他にジャージのルックはツイードのジャケットとコーディネイトしたり、ピンストライプのウールのトラウザーとコーディネイトしたりと、クラシカルなアイテムと合わせていて実にユニークでした。

 

 

 こちらは後日東京のヒラオ インクの展示会にお邪魔した際に、袖を通させて頂いたコートです。

 

 ベージュのパリッとした張りのあるダブルフェイスのコットンを使用し、4つボタンというベーシックなアイテムですが、内側の処理にアウトドアウエア等に使われる熱圧着のテープを使用した処理になっています。デザイン的にもアクセントになっていますが、梅雨の時期にはレンコートとして使っても素敵ですね。。。

 

 私が着たら、、、、、、。なんだか、ガサ入れ感ハンパないっす!!!!wwww

 

 

 コレクションには登場しませんでしたが、アレクサンドルのチャーミングな人柄を表すような、楽しいモチーフのアイテムもいくつか登場していましたね。

 

 右側のスウェットにはその名も『AMI MARKET』と書かれ、野菜が所狭しと並ぶマルシェの様子がキュートに描かれています。

 

 左側のアイテムは全体に鏤められたレモン!やはりほっこりしたタッチでございますが、刺繍で描かれているので、実際に近くで見ると高級感がございますよ。

 

 他にシャツの胸元に1ポイントにさくらんぼとバナナなどの刺繍をしたりと遊び心満載ですし、アクセントカラーとして登場しているレモンやバナナのイエローのアイテムも豊富でしたねぇ。。

 

 

 今回のコレクションに登場したシューズはほぼスニーカーでございまして、ベルクロのアクセントが効いたアイテム等が素敵でしたね。

 

 こちらはレースアップのタイプですが、イタリアン グレイン レザーとナッパ スエードをコンビで使用していて、レトロテイストのいかにも『ザ・スニーカー』って感じがチャーミングでしたね。コーディネイトし易そうなのも素敵でした。

 

 しかもこの画像では解りませんが、丁度踵の部分に、丈の長めのパンツを履くとかくれてしまう所に『AMI』の文字が刺繍されているのも楽しかったですね。

 

 コレクションにはダークカラーのコディネイトにも、ホワイトのスニーカーを合わせていたのが印象的で、パリジャンには白いスニーカーをヒップポップテイストではなく、エレガントに履きこなしている人が多いですね。

 

 もちろん、皆様汚れ一つ無い、真っ白なスニーカーでございますよぉぉぉ。。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 マルシェというパリジャンにとっては必要不可欠の存在をテーマに、揺るぎのないベーシックや快適なのリアルクローズを追求したアミ アレクサンドル マテュッシのコレクション。アレクサンドルのご両親を始め、これまでブランドを支えて来た彼のアミ=友人達が会場を埋め尽くし、皆、次シーズンは何を着るか!とマジな目線になりながらも、最後には暖かい拍手に溢れたハートフルな時間でしたね。。。。この独特なアットホームなムードは、アミならではなんです。。。

 

 

 ベーシックなアイテムで構成されたコレクションでは、おそらく彼のマイブーム的に、スタイリングでタブーとされる『ダサい』という部分にもコンシャスしていましたね。人に突っ込まれる事間違いなし、そんな格好で学校や職場に行くと、一日嫌な気分で過さなければいけないようなスタイルをいかにスタイリッシュに見せるか。。。。小さな拘りは、やはりそれを纏う人のキャラに大きく影響されているようです。

 

 

 究極的なファショニスタは自身が何を着ているかどうでも良くて、アウトフィットに左右されない確固たる個性を持った人です。アーティストやミュージシャンがラグジュアリーなウエアをサラリと纏い、バチッ!とハマってしまうのは、何を着てようと揺るぐ事のない、自分のアイデンティティーがしっかりとあるからではないでしょうか。。。

 

 

 今回のアミのコレクションでは強くそんな感情を抱きましたね。。。本当のスタイリッシュは、スタイリッシュと意識しない事。。。。アウトフィットに一喜一憂しながら振り回されている私からしたら、まだまだ遥か天文学的に遠いメソッドでございましたねぇ。。。。www

 

 

 



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