CHAUMET HORTENSIA COLLECTION !!! | ダイコ★ブログ

CHAUMET HORTENSIA COLLECTION !!!


  続いてはCAUMET(ショーメ)にお邪魔して来ました。いつもHaute Coutureのシーズンにプレンゼンテーションを行うフランスの歴史あるハイジュエラーですが、今回は異例のこのPrêt-à-Porterのシーズンにて新作を発表しました。

 リアルクローズが中心のPrêt-à-Porter。こんなゴージャスなプレゼンテーションはやはりラグジュアリーな気分にさせてくれますね。。。


 会場はHaute Coutureでいつもゆったりした時間を満喫させてくれる、Place Vendomeのサロン。中に入ると美しい紫陽花のディスプレイが飾られています。これが今回の物語の素敵なオープニングになっています。

 にしても様々な国から集められたいろんな紫陽花の種類。大輪のレースのような物から、秋色の少しアンティークな味わいの物迄。。。額紫陽花は日本から取り寄せられたそうで、華やかな実にパリっぽいアレンジが素敵でしたね。


  普段、由緒正しいクラシカルなこのサロンは今回なんと、こんなロマンティックな花びらで飾られた美しいスペースになっていました。いつも感じる事ですがプレゼンテーションの度に、まるで別の場所に着たようなそのインテリアのクオリティには感動するものがあります。さすがプレンゼーションの国フラン ス。そしてその国を代表する老舗メゾンのショーメ。朝からテンション上がりますね。。。。


 さて、この日の俺様ファッションチェックです。今回用意した私のパリコレファッションのテーマはトロンプルイユ。トップスの左ウエスト部分と袖、パンツの左のヒップ部分にデザインポイントを置き、ここだけトーンを変えたインパクトのあるマテリアルを施し、セットアップで楽しむスタイルにしてみました。これはポイントになる同じ素材のクラッチバックを持つ事で、それも含めてトロンプルイユになるというスタイルで、トータルで着るからこそ面白い効果を生み出します。

 ギリギリまでアシスタントと制作しておりました。この時点でクラッチバッグの内側の裏地のまつりはまだ終わってません。。。セットアップのスタイリングなので、少し抜いたムードを出す為にシューズは全てスニー カーに。カラートーンを合わせ少しだけ外すという小技を使ってみました。でも、バラバラじゃ着れないし、東京でこんなん着てたら強烈過ぎるし。。。。困ったもんですね。。。でもやってみないと気が済まない。。。。

 カットソー、パンツ、クラッチバック/今回の為に制作。サングラス/DIOR HOMME、シューズ/NIKE。


 今回、ショーメがPrêt-à-Porterのこの時期にイベントを行うのには訳があり、ショーメの新しいクリエイティブディレクターにClaire Deve-Rakoff(クレール デヴェ-ラコフ)が就任するお披露目のプレゼンテーションでございます。彼女は2012年3月にショーメでのクリエイションをスタートさせていて、『アト ラップ・モワ』や『リアン』などこのジュエラーのシグネチャーとも言える人気のコレクションに新しい風を吹き込み、既に業界では高い評価を得ています。

 モンペリエのボザール美術学校を卒業後、ジュエリーとファッションアクセサリーのデザインに特化した自分の会社を、わずか21歳で立ち上げます。その後、 数々のハイブランドや老舗メゾン等とのクリエイションに関わり、ヴァンドームの老舗ジュエラらと供にハイ ジュエリーのデザインを手がけ、独特のデザインの素晴らしさは多くのメゾンからお墨付きで、今回相思相愛でショーメのクリエイティブ ディレクターに就任しました。

 そんな彼女の名前で発表する最初のコレクションが、冒頭にあった紫陽花のアレンジが物語るコレクション『HORTENSIA(オルタンシア~紫陽花~)』です。実は原産国は日本で、もともと小さな額紫陽花だった物を、ヨーロッパで品種改良を繰り返し、今日のように大輪の種類等を誕生させました。(紫陽花のお話はDior Tour @ Granville Vol,2で詳しく書いてますのでこちらからどうぞ。)

 一つの花が菱形の4枚の花びらから成り、それだけでも可憐で美しい花ですが、集合体となることで、レースのようなゴージャスなムードを作り出し、常にクリエイター達の想像力を掻き立てて来た花です。この多面的な美しい花は、ショーメの卓越したテクニックで、実に精巧に、そしてスタイリッシュにジュエリーへと開花します。丸みを帯びたストーンによる美しい花びら、繊細に伸びた茎や房、花冠から雄蕊に至るまで、自然を愛し、作品に反映させて来たこのジュエラーならではの高度なテクニックが伺えます。

 今回3つのシーンで構成されているコレクションですが、作品を見ながらご紹介して行きましょうね。まずは、まずは『ブルーミングタッチ ~花の開花する高揚の瞬間~』というコレクションからです。こちらは優しいピンクがかったホワイトのストーンを使ったコレクションで、まさに花開く瞬間の優しくそして力強いアイテムが印象的です。ピンクゴールドの台座にセッティングされたのは、ピンクトルマリン、カボションカットされたオパール、ピンクサファイア等で、ダイヤモンドがさらにその繊細さを盛り上げます。

 こちらはブローチで、まさに咲き始めの紫陽花の花を手折ったかのような水水しい瞬間を見事に表現したジュエリーです。繊細に見えますが、実は結構ボリューミーでゴーシャスな逸品です。


 こちらはイヤリングです。耳に小さなブーケを飾るようにデザインされていて、時間差で次々に開花して行く紫陽花の花の特徴を良く捕らえてますね。アシンメトリーなデザインが施されてあり、独特なニュアンスを楽しめるアイテムなので、左右自分の顔と相談して着けたり、気分で逆にしたりなんてのも楽し いかと思いますよ。


 こちらも実に美しいソートワールで、グラデーションによる小さな花の集合体がなんとも可憐で美しいアイテムです。実はこのアイテム、チョーカーと2本のブレスレットにもあるという優れもので、気分に合わせて様々なスタイルで楽しむ事が出来ます。

 このコレコレクションは他にポコポコと花開く紫陽花の情景を表現したリング。少しシックなダイヤモンドを鏤めたリング、カスケードするタイプのイヤリングや繊細なシークレットウォッチまで、幅広いコレクションになっていましたね。


  続いてのコレクションはショーメのシグネチャーのカラーでもある、ブルーのストーンを中心とした『デアリングタッチ ~大胆さと斬新さ~』というコレクションです。ブルーというカラーのためですか、涼しげでクールなコレクションで、ブルーサファイア、タンザナイト、ラピスラズリ等のストーンがホワイトゴールの台座の上で軽やかに花を咲かせます。

 文字盤に小さな紫陽花の花を鏤めたこちらのウォッチは、アブラハム=ルイ・ブレゲにより発明された今日でも使われている、実に緻密な構造によるトゥールヴィヨンウォッチで、ブルーのクロコダイルのベルトがまたラグジュアリーな逸品です。


 このコレクションではショーメの伝統的な高いテクニックを駆使し、まるで花びらが宙に浮いているかのような軽やかで繊細なデザインが魅力的です。こちら、良~~くご覧下さい。オートクチュールのエンブロイダリーを彷彿させる、レースを重ねたようなテクニックが使われ、バゲットやブリリアントカットのダイヤモンド、花びらの形にカットされたラピスラズリ、繊細に鏤められたタンザナイトが、たたみかけるようなドラマティックなムードを醸し出します。

 これだけ複雑なのに実にエアリアルで、繊細。着けると花びらの間に肌が透けて、まさにコーディネイトの主役になるような、主役級のブレスレットですね。


 ホワイトオパールの柔らかい花びらに、サファイアやダイヤモンドの粉を散らし、ペアショイプのサファイアを飾ったこちらのリングも実に美しいアイテムです。

 同じようなデザインですが、先ほどのアイボリーやピンクを中心にした『ブルーミングタッチ』のコレクションよりより大人っぽく、スタイリッシュなのが印象的ですね。是非、南国のリゾートで海や空の色とリンクさせて楽しむのも、涼しげで素敵なんじゃないでしょうか。。。。やっぱりモナコかしら???いや、島だよね?これは。。。


 続いては、情熱的な真っ赤のストーンを使った『ジェントルタッチ ~優しさと愛~』というコレクションです。まるで咲き乱れる大輪の赤紫やピンクの紫陽花の園をイメージさせ、同時に優しい気持にさせてくれる洗練されたデザインが特徴的です。

 ルビー、ガーネット、レッドトルマリン等をピンクゴールドの台座にセッティングし、ジュエリーの間から覗く肌まで緻密に計算した、ラグジュアリーなのに繊細なデザインが特徴で、とてもロマンティックですね。


 こちらのゴージャスなネックレスは、紫陽花の小さな花々がブーケを作ったかのように胸元を飾るデザインで、センターには8.05ctのクッションカットとカルケードする25.68ctのペアシェイプカボションカットのレッドトルマリンがゴージャスです。


 さらにルビー、ピンクサファイア、ロードライトガーネット、レッド、ピンクのトルマリン等にブリリアント、クッション、トロイデア、トライアングルカボション、花びらそのもののようにフラワーモチーフのカットしたものなど様々なカッティングを施し、ショーメの繊細なテクニックの教科書のように様々なテクニックが伺える素敵なネックレスですね。




 センターに花心のように23.83ctのラウンドカットのレッドトルマリンを配し、周りに織重なるようにオープンワークを施し、217個(計2.16ct)のブリリアントカットのルビー、122個(計0.94ct)のブリリアントカットのサファイアを飾ったこちらのリングは、また一味違った解釈のデザインで、最近のショーメが目指す、全ての角度から見て美しいジュエリーを象徴するように、台座に鏤められたストーンと小さな紫陽花の花のモチーフがなんとも可憐で美しいですね。


 こちらのコレクションのリングは他にセンターに大粒のレッドトルマリンをセッティングして、これからまさに花開かんとする、つぼみの情景を美しく描いたアイテムもあり、独創的な解釈が実に素敵でしたね。




 クリエイティブディレクターのクレール デヴェ-ラコフはジュエリーにウォッチのデザインでも実に優秀で、彼女のキャリアの中でも数々の名作のデザインを残して来ました。7月のHaute Coutureの時に発表された『リアン』のコレクションでも、独自のセンスで、また美しいジュエリーウォッチを見せてくれました。


 こちらはさりげない輝きを楽しむブレスレット部分にパールカットを施したルビーを使い、小さな紫陽花の花をイメージしたフェイスには、ルビーやピンクサファイア、ルベライトにブリリアント、ブリオレット、ドロップ、トライアングルカボションカット等、より輝きの強いカッティングを施して、さらにダイヤモンドまで飾り、輝きのコントラストを楽しみます。実に繊細な美しい仕事ですね。


 


 私は彼女の仕事は数シーズン前から見せて頂いていましたが、その独自の感覚と平和で優しいデザインのセンス、さらに新しいアイディアを取り入れ方など、実に素晴らしいなと度々感動させれて来ました。

 
 そして今回のコレクション『オルタンシア』は一つ一つの花が集合体となりその麗しさを表現するという部分からも、クレール デヴェ-ラコフの洗練されたデザイン、ショーメの卓越したテクニック、様々なラグジュアリーなストーンと沢山の大切な要素で成り立っているこのメゾン自体を表現するようで、実に素晴らしいコレクションでしたね。


 愛を形にするハイジュエラーのショーメらしい実に可憐で凛とした新しいコレクションに、今後のヴァンドーム広場に居を構える老舗ジュエラーの動向が気になって仕方ないですね。




 2013-14 F+W CHAUMET Houte coutureでのプレゼンテーションはこちらからどうぞ。

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 現在好評発売中の私の初めての著書、『ブランドパスポート』では、CHAUMETの愛に包まれたジュエリーの素敵な世界をより詳しく理解する事が出来ます。書店にてお求め下さいね。


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