Maison Martin Margiela2012-13 A+W !!! | ダイコ★ブログ

Maison Martin Margiela2012-13 A+W !!!


ダイコ★ブログ

 はい、続いてはMaison Martin Margiela(メゾン マルタン マルジェラ)です。いつもユーモアたっぷりの招待状がメゾン マルタン マルジェラからは届きますが、今回もビックリ!!!です。デミカップに入ってします程の、小さな口紅のようなアイテムは実はライト。ライトを照らすとショーの時間と場所が照らされます。ショーが始まる1時間くらい前にこのシステムを理解しました。。。。。メカ苦手なんで。。。。えっ?メカじゃない????

ダイコ★ブログ

 はい、ここで本日の俺様ファッションンチェック!!!コートは、今回アシスタントの岡ちゃんに一番頑張ってもらった代物です。襟周りを複雑なカッティングにして、バックルやボタンを多用したオレンジのトレンチコートはお手製。あまりのオレンジに最後は『みかん星人、現る!!!』と言われてました。(解る方だけ、お楽しみ下さい。)シャツはその辺の古着屋で¥2000くらい。パンツ/3.1 Phillip Lim、スカーフ、グローブ/UNITED ARROWS、ベルト/ETRO、サングラス/DIOR HOMME、シューズ/sergio rossi、ファーのクラッチも今回の為にお手製です。

ダイコ★ブログ

 さて、今回のメゾン マルタン マルジェラは、8区にあるロスチャイルドのお屋敷がショー会場です。YSLやVALENTINOなんかが良くショーする所で、豪華で美しい邸宅です。そこの木目の床に、あえて木目調のビニールの床材を敷いての会場です。やっぱ、洒落が効いていますね。

 さて、今回のコレクションのテーマは、『肩から羽織る。』『ポケットに手を入れる。』『襟を立ち上げる。』という3つのゼスチャーにインスパイヤされたコレクションです。いやぁ~相変わらず面白いテーマですね。

 最初に登場したのは、パッと見、ポケットに手を入れてるようなデザインのジャケット。実はこれ、袖の後ろにスラッシュが開いているケープなんですよ。

ダイコ★ブログ

  こちらは、コートバージョン。このキャメルカラーは前回のメンズでも登場していました。少し深いベージュって感じで新鮮でエレガントでしたね。でも、こんな不思議なコンセプトからこのコートは作られているのです。

ダイコ★ブログ

 肩から羽織って美しいように、アームホールの下にファスナーを着け、実際に袖を通してもイイし、ファスナーを開けて、羽織る用にしてもイイという細かい、2ウェイテクニックも面白かったですね。構造上、後ろに多くボリュームを出し、菱形のシルエットを作り出し、普通に着ても独特のニュアンスのある面白いシルエットになっていましたね。

 肩から羽織る寅さんスタイルを実行して来た私には嬉しい限りです!!!

ダイコ★ブログ

 今回の作品には、こうやって、テーラリングの最後の仕事のしつけが残ったまんまです。肩のしつけも残したままで、タキーシードスタイルのジャケット等、特に黒いアイテムでは、凄い格好良さを発揮してました。もちろん、しつけなんで、直ぐに取れちゃいますけどね。。。

ダイコ★ブログ

 オーバーサイズのシルエットも今回の特徴で、首や手首等、少しだけ見える肌の部分の細さが、よりフェミニスティックな印象がしますね。『オーバーサイズだから、私でも着れる!』じゃないんですよ!皆さん。あえて、痩せてからトライして下さい。身体と生地の間の分量が多い程、美しいシルエットを生み出すのです!!!

ダイコ★ブログ

 袖を強調したアイテムも登場しました。解体と、再構築のテーマでしょうか。こちら、オペラピンクのサテンのブラウスに、トレンチコートの袖の付いた手袋のコーディネイトです。袖ごと手袋って事です。いやぁ、実に面白いアイディアですね。

ダイコ★ブログ

 こちらはマスクラット(ジャコウ・ネズミ)の袖付き手袋。ゴージャスなアイディアですね。


ダイコ★ブログ

 そして、もう一つの襟を立ち上げるというゼスチャーはこんな感じで表現されていました。こちらはニットですが、襟を立ち上げた状態で、パターンから作られています。

ダイコ★ブログ

 ジャケットだとこういうシルエットになります。あえて、固めの牛のレザーを使い、ハードに仕上げてある感じもカッコイイですね。

ダイコ★ブログ

 こちらはお馴染みのデニムのブルゾンを襟立ち上げバージョンで制作したもので、それを敢えて、寝かせて着せたもの。かなり、大きめに襟ぐりを作り、同じく大きめの襟を付けている為、寝かせて着ても、不思議な可愛らしいフォルムになります。

 こちらはデニムなので、お値段もリーズナブルでバイヤーさん達の注文も殺到してるそうです。

ダイコ★ブログ

 メゾン マルタン マルジェラには『アーチザナル』というオートクチュールコレクション期間中に発表されるコレクションがあります。世界中から集めた、様々なユースドやヴィンテージの洋服やガーランドや、グッズを再解釈、再構築して、新しい作品を作り上げるという素晴らしいコレクションです。そのマインドを生かしたような、日本の着物を使ったコレクションです。実物は着物風のプリントを使ったコレクションですね。

ダイコ★ブログ

 以前のコレクションのテーマにもなったプレートをモチーフにしたシルエットに、着物を乗せた物ですね。日本人では、気付かないような斬新で独特のアイディアで作られていて新鮮でした。

ダイコ★ブログ

 こちらはもろ、和風のプリントで仕立てられたドレスですね。海外旅行でオペラなんかに行くには、イイかも。このデザインなら直線的なんで、着物のムードもあるし、ご自分で、着物が着れない方にはピッタリかもしれませんね。

ダイコ★ブログ

 こちらも只のモノトーンのセットアップに見えますが、重なったように前立てをズラし、裏地に肌襦袢のような真っ赤な素材を使い、チラチラ見せるあたりが、凄く、着物的な発想だなと思いましたね。

ダイコ★ブログ

 アクセサリーは今回も気が効いていて素敵でしたね。今回、バッグのテーマは『フラット』。最終的に折り畳んで、ペッタンコになるという仕掛けになっていました。こちらのバッグ、お店のショッパーとかがテーマでカジュアルな感じに見えますが、内側はしっかり革張りです。クラッチとしても持てるし、もちろんトートのようにも持てる。あと、他にはリュックになったり、ショルダーになったりと、折り紙みたいでカワイイのに、凄い実用的。素晴らしい出来でしたね。

ダイコ★ブログ

 アクセサリーは原石を掘り出したまま、またはそこから別のアクセサリーを制作している途中を表現したデザインです。良く見るとメゾン マルタン マルジェラのシグネチャーのアクセサリーを制作してる途中だったりして、面白かったですね。

ダイコ★ブログ

 トレンチコートのベルトをそのままベルト単体にしちゃったアイテムもありましたね。ニットなんかに合わせたりして面白いスタイリングになっていました。

ダイコ★ブログ

 今回のシューズもまた、アイディアに溢れています。こちら、セメントで固めたというアイディアで作られたシューズ。実際はガチガチじしゃなくて、内側もちゃんと革張りなので、履きにくくはないです。これにグラフティを描いた物も登場してましたね。他にはネイルポリッシュをかけてそのまま吊るして干した物で、垂れたまま固まった状態もあり!みたいな者も面白かったです。

ダイコ★ブログ

 こちら、朝慌てて家を出て、ヒールのストラップ、止めてない!!!みたいな状態をフィックスしたストラップシューズです。歩くとピロンピロンなるので、電車でおばさんから注意されるかも。。。。

 さて、毎回コンセプチュアルで、これでもか!って程の新しいアイディアを形にするメゾン マルタン マルジェラですが、私は彼らのこのスタイルは大好きです。というか、彼らのコンセプトと実際の作品の間には納得させる、独特のフィロソフィーとユーモアがあります。

 訳の解らない思想を押し付けて洗脳させようとする暗いアバンギャルドではなく、実際に着れて、実は以外と女っぽかったりして、コンセプトが嫌いな人はデザインや色、素材で決めればイイし、好きな人は店員さんの話をじっくり聞いて買えばいい。

 昔みたいに店員さんの言う事を100%鵜呑みにするのではなく、プスッと笑って、ウケたから買うみたいな感じですかね。。。。実際、私はメゾン マルタン マルジェラの服をそうやって買う事が多いです。www

 しかも今回のコレクションは素晴らしくシックでエレガント。普通に見えて、着る人を美しく見せるのに、アイテムのあちらこちらに小さな時限爆弾を抱えてるみたいで、実に楽しいですね。

 大人の才能ある人間達が沢山集まって皆で大真面目にいたずらを仕掛けてるような、そんな楽しさがメゾン マルタン マルジェラの一番の魅力ではないかなと私は思います。

 2012 S+SのMaison Martin Margielaのレディースのパリでのショーの模様はこちらから どうぞ。
 2012 S+SのMaison Martin Margielaのメンズのパリでのショーの模様はこちらから どうぞ。
 2012-13 A+WのMaison Martin Margielaのメンズのパリでのショーの模様はこちらから どうぞ。
 Maison Martin Margielaのサイトへはこちらから どうぞ。