背骨をしなやかに | ハリーの養生訓

ハリーの養生訓

僕が見つけた養生

健康のために運動をする。


しかし、ここで注意しなければいけないことがあります。


現代人の働き方はかなり固定的になりました。

つまり、分業が進んだために立ちっぱなし、座りっぱなし、パソコンにかじりつきっぱなし、ということが起きているわけです。


そうなると、おのずと身体は凝り固まりゆがんでいきます。


そんな身体でいざ激しい運動をすればどうなるでしょう。


硬い筋肉がつれて肉離れを起こしたり、歪みがさらに増強され内臓を圧迫することで病気を引き起こしたり。


これでは良かれと思って実践している運動が、病気一直線の害悪でしかありません。


現代人に限って言えば、まずその凝り固まった身体を解きほぐす運動を手始めに行うべきだと考えます。


そして、ある程度の柔軟性を確保できてから、各人の能力に見合った強度の運動やスポーツを取り入れていけば安全でしょう。


それではどのような運動から始めていけば良いでしょうか。


現代人の身体の硬直化は端的に背骨に表れていると思います。


パソコンや事務仕事などデスクワークはすべて身体の前面で行われる都合上、前かがみのゆがみは必然といえます。


胸が縮こまり、背中が張った状態です。


老人体型がまさにこれで、みすみす歪みを放置するならば若くして老化に拍車をかけることになりかねません。


背骨は脳から内臓に向かう重要な神経の通り道です。


その通りが圧迫されることで全身的な不調の遠因ともなりえます。


さらには胸郭を狭め呼吸を浅くし、新陳代謝を著しく減退させる悪姿勢であり、一刻も早く是正するために、積極的に背骨に働きかける運動が勧められます。


いつまでも若々しく健康でいられる方法。


四つんばいとなり、骨盤を基点として、背骨を丸めたり反らせたりします。


ただこれだけ。


シンプルなものです。


ヨガでは「猫のポーズ」と呼ばれる至極オーソドックスなもの。


あまりに基本的なものなので、アクロバティックなヨガがもてはやされる昨今、かえって軽んじられる向きもあるかもしれません。


しかしながら、やり込むほどに味わい深い、理にかなった動き。


気持ち良く、呼吸とともに何度か繰り返していきます。


やわらかくしようとか、固いのをなんとかしたいとか、そういった思い煩いは手放して、ただ無心に行います。


まさに猫のように本能の赴くまま、気持良さの追求です。


そうして初めて心身は芯からほぐれていくことでしょう。