大晦日にまた惚れこんで -丸千葉(南千住) | 丁稚烏龍帳

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today,detch stood live on the earth,too…

                                    12月31日

丁稚飲酒帳-年の瀬おせち  年の瀬も押し迫りましたねえ、いよいよ大晦日です。

 今年は実家お土産に徳さんのおせちをお願いしてありました。まずはその引き取りに、北千住まで。
 行く道すがら、yagoさん、viviさんのお二人とばったりお会いして、年の瀬のご挨拶。お蕎麦屋さんがいくつも出店を出しているサンロードを抜けて、お店に行くと店内のテーブルが取り払われて、三段重が何十個と積まれています。これだけ仕事するんだもの、大変だわ…味わっていただこうっと。

 大将と社長に「今年もお世話になりました、来年もよろしくお願いします」とご挨拶をすると、「碧夢に行けば、誰かいると思うよ~」とご案内。ほんとかなぁ…と道すがらに覗いてみると、F橋さんにA姐さんのお姿が、年末最後のお食事会(焼酎そば湯割り付き)ですね。次の約束がなければ合流するんだけど…、涙を飲んで常磐線に乗り込みました。



丁稚飲酒帳-大晦日営業中  約束と言いますのも大みそかは、南浦和芽だか屋さんの忘年会にお招きいただくのが、この数年の常になっています。そして、その途中でお昼ごはんを食べてから伺うのが、定番コースなんですね。

 さてさて南千住駅で下車して、と。年末警戒で辻辻に警官が立っているものものしい山谷の町を抜けて、たどり着いたのは、年末大晦日まで営業してくれているこちら、丸千葉さんです。「こんにちは~」と声をかけて暖簾をくぐると、いつもどおりに「ぃらっしゃい~」と迎えてくれる、やっちゃんの声。さすがに大晦日だけあって、カウンターにもまだ少し余裕がありますね…カウンターの奥側に腰掛けましょう。ちなみにこのあとポンポンと人が入ってきて、30分後には奥のテーブルまで埋まっていました。さすが、地域の人気店。



丁稚飲酒帳-定番ホッピーセット  それほど通っているのでもないのに、「いつもどうもね」と気さくに声をかけてくれる、やっちゃん。丸千葉のあたしの定番、ホッピーセットをお願いします。厚手のグラスに注がれた焼酎に、氷入りのグラス、ホッピー外がセットですぐに出てきます。この三点セットが、重厚なカウンターに良く似合うんですよね。グラスのお尻から焼酎をグラスに落として、ホッピーで割り返せばこれが今年最後の酒場での乾杯です。

 

 あては、来る前から決めていた鳥の唐揚げに、貼り出しメニューの中からハマグリの酒蒸しを行きましょう。しかし、大晦日までこの繁盛ぶりはすごいなあと思いつつ眺めていると、カウンター一番奥、あたしの隣のお客さんが何か話しかけたそうなんですが言葉にならず、相当酔ってるなあと思ってたら、ふらり立ち上がっておトイレに行ってしまいます。やっちゃん苦笑いで「ごめんね、悪い人じゃないんだけどね…」と、実害ないから問題ないですよ~。


丁稚飲酒帳-ハマグリの酒蒸し  と、出てまいりましたはまぐりの酒蒸し。深めの鉢にプリプリ大ぶりのはまぐりが八つも入って、これで500円は見た目だけでお値打ちと思えます。これが口に運ぶとすぐに裏付けられます。肉厚の身をかみしめると、中からハマグリのジュースがじゅわ~と湧いてきます。うわ、うめっ(^^;

 しかも、鉢にあふれた汁がまた旨い。さっぱりとした塩味に貝の旨味がしみだして、たまりませーん。これを貝ですくってすすれば、なぜかレンゲで飲むよりおいしさを感じるんです。


 お、さっきのお客さん帰ってきましたね、今度はやっちゃんに何事か言おうとしてますが…やっぱり続かない。と、「○○さん、言いたいことがあったらしっかり言わなきゃ駄目だよ、男同士がみつめあっても仕方ないよ。」うむ、正論である。「今日は夜までやってるから、一回帰って酔い醒ましてまたおいでよ」と。

 しばらくしてお会計して帰られたお客さん、すかさず「ごめんね、悪い人じゃないんだよ」と両脇の僕らに謝ってくれるやっちゃん。いやぁ、あれだけ酔ってるお客さんに親身になっている様子を見れば、それはわかりますよ。ただ酔わせるだけでなく、お客さん一人ひとりを大切にしている今日の姿を見て、改めてこのお店の馴染みになりたいなぁと思った晦日の出来事でした。このやり取りが聞けただけで、今日来た甲斐があろうてものです。


丁稚飲酒帳-大ぶり唐揚げ  さてさて、唐揚げちゃんの登場です。大皿に並んだ五つの固まり、一番大きいのは握り拳くらいの大きさがありますで~。しかも、中までじっくりと火が通されていて、噛みしめるとアツアツの鳥の脂があふれてきます。軽いショウガの風味も、鶏肉の旨味を引き立ててくれます。本当に一人だとこれ一品で十分なボリューム感ですね。


 今度はやっちゃん、お隣のお爺ちゃんに店内で撮られた写真を渡して、「このお客さん、カメラ好きな人でね、ほら男ってあれでしょ、武器を持つとはしゃいじゃうからさ」…はい、あたくしもそのパターンです。その流れで、趣味のお話になりまして、どうもやっちゃん自動車模型づくりが好きみたいで、携帯で撮った組みかけのエンジン模型を見せてくれました。きちんとマフラー裏の見えない所まで、灼け色を吹き付けてますね。「いやぁ、こだわっちゃうんだよね」って、やっちゃんにとっての武器が模型なんですねぇ。しかし、嬉しそうに恥ずかしそうに目をキラキラさせてしゃべる様子は、本当に少年のようですねぇ。んー、僕はこの人がますます好きになったぞ、と。こんな人になりたいなぁ。

 さてさて、年末にいいお話たっぷり聞けました。今年もどうもお世話になりました、来年もまたすぐにお邪魔しますね~。



丁稚飲酒帳-やわらか鴨肉  今年はこのあと知り合いのお見舞いがありまして、ちょっと遅れて南浦和にかけつけました。

 持ち寄りのあさ開や上喜元など、日本酒に舌鼓を打ちながら、いつもながらに柔らかく、かみしめるほどに美味しい鴨肉たっぷりのお鍋、そしてたっぷり鴨の脂が染み出たスープでいただく年越しそばが絶品です。マスター、今年も年末までお世話になりました~。


丁稚飲酒帳-このそばがまた良い  格闘技も終わり、除夜の鐘の音がテレビから鳴り響くと、もう今年もまもなくです。定番の初詣スポット、浦和氷川神社までみんなで歩いて行ってお詣りすれば、今年も無事に年が越せました。あけましておめでとうございます。マスター、親分はじめ、ご一緒いただいた皆さん、ありがとうございます。2009年も、よろしくお願いします。


 丸千葉 1月1日~4日(日)まで休業