浅草寺内懐の癒しスポット -伝法院庭園(浅草) | 丁稚烏龍帳

丁稚烏龍帳

today,detch stood live on the earth,too…

                                    1116日(日)
丁稚飲酒帳-記念開帳 小雨そぼ降るニャンコである。

 これ丁稚、我輩にもメロンパン分けてくれニャ。

「先生、ごめんなさい~、美味しくてパクパク食べてたら、もう残ってないでゲス~」

ニャにぃ、この欠食コンビめが…メロンパンの恨みは海より深いというコトワザがあってニャ~。

「先生、爪を出したり引っ込めたりするのはやめてほしいでゲス~、がくがくブルブル」

 まあ、おどしはこの位にして先を急ぐか、早く昼ごはんにしないと我輩よりm蔵にかみつかれそうだしな。浅草寺の山門にはデカデカと開帳の文字が飾ってある。
丁稚飲酒帳-結縁のお手綱  その向こうには凡字の書かれた柱に五色の紐がつながっている。皆が手繰っている紐が、本堂の中のご本尊につながっているのだにゃ。どれ、せっかくなのでご本尊、聖観世音菩薩様と御縁を深めるとしよう。そう言えば、三社祭の三社、いわゆる三社権現だが、神様をお祀りしていると思っておったのニャが、実はご本尊を隅田川から引き上げた兄弟と、それを祀った土地の名主様をお祀りされているそうニャ。つまり三者祭りなわけだニャ。ちょっと聞いてびっくりした最近の豆知識でした。


丁稚飲酒帳-奥山風景より提灯絵付け  本堂にお詣りして、左手に進めば奥山風景。これは江戸職人の屋台だニャ。凧づくり、刃物研ぎ、提灯の絵付けに鋳物に絵師と、いろいろなプロフェッショナルが集まっとるニャ。丁丁発止のおっちゃんから無口なこれぞ職人という方まで、いろいろ個性があるものだ。

 さて、では本日のメインに参ろうか。今日が最後の大開帳、この機会に訪ねねばと思っていたのが、伝法院の記念開帳だニャ。先日訪れた時には、伝法院の正面に回ったら裏の記念館での絵馬展とセットと気づいた時点で時間切れ(午後三時)になり、涙を飲んだのニャが、今日こそは突撃ニャ~。

 徳川将軍家の奉納をはじめ、等身大以上の大きな絵馬の数々は見ごたえがある。そういえば成田山の絵馬堂もしばらく訪ねていないニャ。あそこの参道の甘太郎が絶品なんニャ…じゅるっ。丁稚、よだれを垂らすな。そうそう、関東で二軒のみのちりめんニャンコの直営店もあったニャ。


丁稚飲酒帳-伝法院庭園  さて、いよいよお庭に突撃だニャ、さすに小雨が落ちてきたか。案内看板によれば、小堀遠州作による廻遊式庭園、真ん中に大泉池という池が配され、松やらいろいろな木々が緑なしている。紅葉の時期も見事だろうニャ。

 池の前に一際大きいのは、これはしだれ桜か?これだけのしだれだ、春に来ればさぞきれいだろうな。まあ、見られませんけど。それにしても随所に案内看板があるが、これを記念開帳だけに用意したようには思えないんニャが…とm蔵と話していると、前を行くお父さんがやおら振り返って、「そう、ここ非公開なんだけど、会員には案内が来るから」とのこと。なるほど、友の会的な会員になれば記念開帳でなくとも入れるのか。確かにお坊さん方だけで独り占めにするのももったいない風景だニャ。お父さん曰く歌舞伎役者さんやら政治家さんやらも来るそうニャ。前者はともかく後者はなるべくお近づきになりたくない方々だが、このしだれが咲き誇る様は一目見てみたいものだニャ。

丁稚飲酒帳-伝法院と五重塔

 それにしても、これだけ高い木々があるとは伝法院通りを通っている時には気づきもしなかった。この浅草で森に会えるとは思わニャんだ。これだけでも、拝観した意味があろうというものだ。

 池のまわりを廻って出口に近づくと、お、先ほどのお父さんが「こちら側からの五重塔は滅多に見れないから、写真に撮っておいた方がいいよ」と親子づれにアドバイスされている。どうも声をかけるのがお好きな、下町のお父さんだニャ。


丁稚飲酒帳-裏見の五重塔  うむ、なるほどこれが裏見の五重塔か、なかなかに壮観。「先生、五重塔って表裏で見え方違うんでゲスか?」おまえ、お父さんの心遣いを無にするようなことを言うニャ。たしかに違いはあれど、このカメラじゃ再現できないだろうがニャ。

 いつも仲見世から浅草寺境内を抜けるだけの浅草観光、今日は随分いろいろなところを歩いたものだ。都会のただ中の緑にも癒されたし、なかなか実り多い記念開帳だった。さて、欠食児童ども、昼御飯にでも行こうかニャ。「はいでゲス!」やれやれ、庭より団子か。