こんにちは、祥雲です。
愛知県は尾張横須賀北町さまの山車「楓童車」改修工事、いよいよ始まりました。
文政九年(1826年)建造
高さ約六.八メートル、重さ約五トンの市指定文化財です。
※山車といえばユネスコ(国際連合教育科学文化機関)無形文化遺産に「山・鉾・屋台行事」として登録される見通しとなり、いっそう注目を集めそうです(2016/11/30)。
工事に先立ち、祥雲の法被を着て
御魂抜きの神事に参列させて頂きました。
今日は屋台を安全に解体し、
静岡の工場まで無事に
持って帰ることが唯一最大の仕事です。
まずは、一番上の屋根を外します。
屋台蔵上の電動ウインチに屋根を
まるごと吊り上げます。
斗組(ますぐみ)の上から外せました。
彫刻を取り外します。
屋根自体は昭和後期に一度修理をしたそうですが、L字金具やらビスやらでガチガチに打ってあり、時間がかかりました。
屋根を持ち上げ、山車をいったん外に出し
降ろしていきます。
ゆっくりゆ~~っくり、慎重な作業です。
安全に降ろすことができました。
屋根も傷みが激しく、下手に持つと
バラけそうな状況です。
屋根が下りた姿。
これからが解体の本番です。
上高欄の取り外しですが、
先ほどの屋根が乗っていた柱を
乗り越えて前へ下ろしていきます。
よっこいしょという声が聞こえてきそうな感じですね。
以前の修理でかなりガッチガチに固定されていたので取り外しに大変苦労しました。
本来の高欄はほぞ穴に入っているだけなので全体を均等に持ち上げれば取れるはずなのですが、対症療法的に修理してしまうと、こういう時に大変です。
彫刻の取り外しと番付、写真撮影、
胴山の解体全て並行して行います。
取り外した彫刻は
山車蔵の二階で撮影を行います。
彫師、瀬川治助の銘もありました。
素晴らしい彫刻です。
眼は仏像と同じく玉眼嵌入(ぎょくがんかんにゅう)
順々に材料を下ろしていきます。
胴山は近年修理をしていないのため、順調に進んでいきます。
これは上山の柱です。
とても重い材料でヒノキではなさそうでしたが、サクラでしょうか。
正面向かって左側の一番奥の柱です。
非常に複雑な仕事です。設計図のようなものは当時あったんでしょうかね。
それにしても紙吹雪はこんなに隅まで入り込んでいるんですね。
残すは主な柱と貫(ぬき)です。
正直、一日で終わるか微妙でしたが
なんとか暗くなるまでに目途が付きそうです。
最後の一本を外し、台輪と車輪だけになりました。
車輪を外し、山車蔵へ収納、台輪はトラックへ積んで完了です
お掃除をして、山車蔵をきれいに。
町内の皆さまには山車とのしばしの別れになりますがきっちり仕上げてお戻しします。
おっとっと、最後にこのがんばってくれた
電動ウインチの回収を忘れずに
暗くなりましたが午後6時ごろ
朝の8時にスタートして約10時間で終えました。
北町組の皆さまには朝から最後までご指導、お手伝いを頂き大変助かりました。
つたない部分もあったかと思いますが、改めてお礼を申し上げます。
また、改修の様子はフェイスブックやこのブログでお伝えしていきたいと思います。
祥雲
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