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四つの単語でできた言葉の中で、最も高くつくものは「今度ばかりは違う」である(This time is different.)。

独鉄道模型大手「メルクリン」が破綻  2009/02/05


> 精巧な模型で日本でも愛好者が多いドイツの鉄道模型大手メルクリンは4日、同国内の裁判所に破産申請したと発表、事実上経営破綻(はたん)した。複数のドイツメディアが報じた。管財人の下で事業を継続し、生き残りの道を模索する。
> 同社の模型は鉄道模型の国際標準規格となったことでも知られるが、ここ数年はコンピューターゲーム機人気などに押され経営が悪化。人員削減などのリストラ策を進めていたが、複数の地元金融機関との融資交渉が不調に終わり、資金繰りに行き詰まった。
> あるファンは「品質では世界的に評判が良いが、高価格なのが響いたのでは」と指摘した。
> メルクリンは1859年創業。2006年に英投資会社に売却された。(共同)


☆ 鉄道模型は「王様(貴族)の趣味」と言われる。鉄道模型趣味には二つのパターンがあって,ひとつは自分で作ってしまう人,これはまだお金がかからない。といってもそこは凝り性の日本人の場合,車輌の少し古ぼけた感じとか,錆だとか,ペンキの色褪せ具合など徹底的にディテイルに拘る「箱庭症候群」に走ってしまう。


☆ もうひとつのタイプは前者からは「安楽マニア」と呼ばれてしまうのだが,完成品を買って来てひたすら走らせることに喜びを感じる人達。最近はジオラマなんて呼ばれているが,鉄道のある風景を「レイアウト(昔はジオラマのことをこう呼んでいた)」に再現して走らせる。で,凝った人はこのタイプにもいて,シーナリィと呼ばれるジオラマの内容に拘りを持ち始めたり,音が出るようにしたり(特に機関車の汽笛),果てはマイクロカメラを据え付けて,「車窓風景」みたいなものを録画して「YouTube」などで披露していたりする。


☆ こういう事をしていれば,当然お金がかかる(ヤフオクに出てくる天賞堂の完成品SLあたりの値札をご覧あれf^_^;)。だから「王様(貴族)の趣味」と呼ばれるゆえんだ。鉄道模型のスタンダードは上の記事にも書いてあるメルクリンの作ったHOゲージだが,(国土というより自宅のレイアウトスペースが)狭い日本ではそれよりさらに小さなNゲージが主流になっている。実際はここにもさまざまな規格があり,メルクリン破綻の新聞記事に掲載されていた写真では女性が同社の小型モデル(確か「メルクリン・ミニクラブ(Zゲージ)」だったと思う)の機関車(SL)を持っていた。


☆ メルクリンの破綻は「投資ファンドの行き詰まり」という展開がウエッジウッドの破綻を髣髴とさせ,趣味人には辛い時代だと強く感じさせられた。衣食足って趣味があるから仕方がないとはいえ,さびしいことだねぇ(´_`。)