規制庁と原子力規制を監視する市民の会の会合要旨 | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/緑の党 Greens Japan)です。
[転送・転載歓迎/重複失礼]

阪上武さんのメールを転送します。ぜひご一読ください。

【参考】こちらもぜひ!
「住民守る気あるのか」新潟県知事、原子力規制委を批判
(動画:OurPlanet-TV、4月22日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1576

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みなさまへ(転載歓迎)

パブコメ実施中の新規制基準について、昨日、福島みずほ議員による原子力規制
庁からのヒアリングに同席しました。パブコメ提出の参考にしてください。

4月22日に開催された規制庁と原子力規制を監視する市民の会の会合要旨:
http://goo.gl/2oxtX

>5年猶予はパブコメの対象
>単一故障の仮定について…設計基準については従前の「単一故障の仮定」のま
ま。地震や津波で一度に複数の機器や安全設備が機能を失い「共通要因故障の仮
定」については、シビアアクシデント対策で対応する、とのことです。しかし、
シビアアクシデント対策の事故シーケンス(電源喪失や冷却水喪失などなど
7~8パターン)は内部事象によるものだけ。それぞれ単独でしか起こらず、地
震や津波により電源喪失と冷却水喪失が同時に起こるといったことは想定してい
ないことがわかりました。
>地震や津波などの外部事象については、設計基準にクリアしていることしか確
認しないとのことです。

◆「5年猶予」は新規制のどこに記載があるのか?法令上の根拠は何か?

A:現状では本文にはなく、後ほど付則に入る。原子力規制委員会設置法の一部
の施行に伴う関係規則の整備等に関する規則(案)等について 」という文書の
概要に記載があり、パブコメはこの別紙も対象文書なのでパブコメの対象になっ
ている。
http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu130410_03/130410-01.pdf
これの5ページの概要に
「テロ等の際の格納容器破損による多量の放射性物質の放出を抑制する機能の信
頼性向上のためのバックアップ対策として設置される施設及び重大事故対策の信
頼性向上のためのバックアップ対策として設置される常設直流電源設備(第3系
統目)に関する規定については、施行後5年までに実現を求めることとする。」
との記載、前半はいわゆる特定安全施設のこと。
Q:5年猶予は再稼働について電力に便宜を図るもの。規制当局が行うのはおか
しい。

◆「5年猶予」が適用される対策は誰がどのように決めたのか?

A:田中私案は、田中委員長の意見を規制庁がまとめたもの。対策の対象は規制
庁内で検討した。
Q:検討チームでも規制委員会の会合でも議論されていない。密室でいつの間に
か決まるというのは問題だ。

◆単一故障の仮定と共通原因故障に関する対応はどのような扱いになったのか?

A:設計基準部分は従来と同じ、単一故障の仮定しかしていない。それを超える
共通要因故障については、シビアアクシデント対策で対応する。

◆放射性物質の放出量の制限はどこに記載があるのか?

A:100万炉年に一度、セシウム137で100テラベクレルという安全目標を決め
た。決めたのが、新規制基準のパブコメと同時だったので、パブコメには入って
いない。
Q:パブコメにもかけないのは問題だ。
A:意見を出してくれれば対応する。
Q:立地審査指針の線量の規定を外したのは問題だ。
A:事故想定がシビアアクシデントに比べて小さい。シビアアクシデント対策で
カバーされる。既に立地している炉については必要ない。
Q:従前の指針についてはすべてバックフィットにかけるべき。

◆重要度分類の見直し、原子炉水位計、逃がし安全弁に関する規制要求に関す
る検討を先送りにしたのはなぜか。

A:重要度分類について、多重性多様性を求める機器の対象などについてはすで
に対応している。細かいものが残っているだけだ。水位計や逃し安全弁の技術開
発には時間がかかる。
Q:原子炉水位計については福島事故で機能しなかったことが問題になってお
り、新潟県もパブコメを出している。これを先送りすべきではない。

◆複数の事故シーケンスが同時に起こる場合の対応は要求するのか。しない場合
にしなくてもよい根拠は何か。

A:シビアアクシデント対策で電源喪失事故や冷却材喪失事故など7~8つの事
故シーケンスを設定して解析することを求めている。同時に起こることは確率的
に低いので想定しなくてもよい。
Q:地震や津波により、同時に起こる可能性があるのではないか。
A:事故シーケンスを求めるのは内部事象だけ。地震や津波、テロなどの外部事
象については求めていない。地震や津波については、設計基準で基準地震動や基
準津波にクリアしていること、シビアアクシデント対策で使う可搬設備などが、
地震や津波の影響を受けないようにすることなどを求めている。
Q:外部事象についても事故シーケンスが必要ではないか?
A:年末までに安全評価を行うことになっている。規制基準ではなく、電力の自
主的な対応を促すもの。

◆可搬式設備の接続に要する時間の検討はされたのか。

A:申請の審査の段階で検討する。

◆大飯原発の評価会合において、ヒアリング対象は事業者のみか?同原発
の安全性に対して問題提起をしている外部専門家、市民の意見をきくべきではな
いか。

A:必要に応じて外部有識者から意見を聞くことになっている。

阪上 武

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【セミナー】4/24みんなで学ぼう!原発・新規制基準案のパブコメのポイント
http://goo.gl/1xN2G
◆日時:4月24日(水)18:30~20:30
◆場所:地球環境パートナーシッププラザ
http://www.geoc.jp/access#geoc