※岩波文庫「古事記」を参考に書いています。
前回は「【古事記】第一回 別天つ神五柱」でした。
●神世七代
□原文
次成神名。國之常立神【訓常立亦如上】次豐雲(上)野神。此二柱神亦獨神成坐而。隱身也。次成神名。宇比地迩(上)神。次妹須比智迩(去)神【此二神名以音】次角杙神。次妹活杙神【二柱】次意富斗能地神。次妹大斗乃辨神【此二神名亦以音】次淤母陀流神。次妹阿夜(上)訶志古泥神【此二神名皆以音】次伊邪那岐神。次妹伊邪那美神【此二神名亦以智如上】
上件自國之常立神以下。伊邪那美神以前。并稱神世七代【上二柱。獨神各云一代。次雙十神。各合二神云一代也。】
◆訓み下し文
次に成れる神の名は、國之常立神(くにのとこたちのかみ)。
次に豐雲野神(とよくもののかみ)。この二柱の神もまた、獨神(ひとりがみ)と成りまして、身を隱したまひき。
次に成れる神の名は、宇比地邇神(うひぢにのかみ)、次に妹須比智邇神(いもすひぢにのかみ)。次に角杙神(つのぐひの神)、次に妹活杙神(いも いくぐひの神)。次に意富斗能地神(おほとのぢの神)、次に妹大斗乃辨神(いも おほとのべのかみ)。次に於母陀流神(おもだるのかみ)、次に妹阿夜訶志古泥神(いも あやかしこねのかみ)。次に伊邪那岐神(いざなきのかみ)、次に妹伊邪那美神(いも いざなみのかみ)。
上(かみ)の件(くだり)の國之常立神 以下(よりしも)、伊邪那美神 以前(よりさき)を、幷(あは)せて神世七代(かみよななよ)稱ふ(いふ)。
今回の段落は神の名前ばかりで易しい文章です。
・國之常立神―国土の根元になる神。天地開闢の最初にあらわれた神世七代の第一の神。
・豐雲野神―『日本書紀』では豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)と表記される。「豊かな(=トヨ)雲(=クモ、ノ)」の意であり、雲を神格化した存在とされる(Wiki)天地開闢の最初にあらわれた神世七代の第二の神。
・宇比地邇神・須比智邇神―神世七代の第三代の神。最初の男女の神。宇比地は泥土、須比智は砂土で、土砂を神格化した神。
・角杙神・活杙神―村落の境界をなす男女の神。杙の神格化か。神世七代の第四の神。
・意富斗能地神・大斗乃辨神―居所の神格化か。神世七代の第五の神。
・於母陀流神・阿夜訶志古泥神―人体の完備と意識の発生の神格化した男女の神か。神世七代の第六の神。
・伊邪那岐神・伊邪那美神―誘い合う男女の神。神世七代の第七の神。我が国最初の夫婦神。
◇その他
☟第一回の別天神、造化三神の図と合わせるとこんな感じ☟
(Wordでサッとつくったので多少図は汚いです)
■現代語訳
次に出来上がった神の名前は、国之常立神だった。次に豊雲野神だった。この二人の神様もまた、独りで生まれて身を隠した。
次に出現した神の名前は宇比地邇神、次に妹須比智邇神だった。次に角杙神、次に妹活杙神。
意富斗能地神、次に妹大斗乃辨神。次に於母陀流神、次に妹阿夜訶志古泥神。次に伊邪那岐神、次に妹伊邪那美神。
この国之常立神から伊邪那美神までを総称して、神世七代と言います。
第二回は以上です。
古事記アーカイブ
【古事記】第一回 別天つ神五柱
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