目の見えない方が駅のホームから転落し亡くなってしまうという、
痛ましい事故がありました、昨年からよく聞く事故です。

今月の事故のケースでは盲導犬を連れていたそうなのですが、
盲導犬は亡くなってしまった方がいるずっと線路に向かって吠えていたそうです。
吠えることを極力しない盲導犬、
よほど危険な状況だと理解した上の行動だったのでしょう。
ではもっと頭の良い動物である人間は何をしたのでしょう。

JRの駅員はホームに誰1人いなく、警備員もいない状況でした、
さらに人が転落してもホーム上にある非常停止スイッチも誰にも押されず、
大切な命が一つ消えてしまいました。

何で誰も何もしなかったのだろう

車いすの人は改札から電車に乗って駅に付き、
改札を出るまで駅員さんがアテンドをしてくれるのですが、
目が見えない方にアテンドする駅員さんはほとんどいません、皆無に近いそうです。
「なぜ?」というと、JR東日本曰く「社員が少ないので無理」だそうです。
警備員の導入をすれば良いし、ボランティアを募ってもいいと思うのですけどね。

この前、駅のホームで「困っている方がいらっしゃったら、何かお困りですか?というお声がけをお願いします。」
という放送を流していました。最初は駅職員に向けた放送だと思っていたのですが、
よく聞いてみると鉄道会社から利用客へ向けての放送なのですよね、
転嫁姿勢の鉄道会社の感覚が浮き世離れしていてとても驚きました。
そして、困っている人がいたら手を取り合うのが普通な世の中だとは思うのですが、というもどかしさも。

僕は白い杖を持っている人を見かけると、
「お手伝いしましょうか?」「案内しましょうか?」
と必ず声を掛けるようにしています。
8割ぐらいの方は「お願いします」と言われることが多いです。
ヒジあたりの腕につかまってもらったり、腕を組んだりしてお手伝いをさせていただきます。

 
ついこの前は「買い物に付き合ってもらいたい」
といわれて洋服を買いに行ったこともありました。
「トマトみたいな赤色のセーターが欲しかったのだけど欲しいのが変えた」と喜んでいました。


昨年秋の結婚式、新郎新婦さんお二人も目が見えない方でした。
ゲストの8割ぐらいは目の見えない方でした。
ある料亭での結婚式だったのですが、
その料亭で目の見えない方のご結婚式は初めてだったそうです。

歴史もある料亭だけに段差や狭い部分やゆるい段差があり、
誘導が必要な状態だったのですが、
スタッフの方が目の見えない方へ手を握ったり、
引っ張ったり、背中を押したりと介助をしていました。
その様子を見て料亭の方も目の見えない方への最適な誘導の仕方がわからないでしたので、
スタッフの方と危険なこと、誘導の仕方、声でこの先何があるかを予告すること、お料理のサーブの仕方など、
あくまで僕の微力でありますがレクチャーして力添えをさせていただきました。

どう声かけて良いかわからない、という声がとても多かったです。
 
そんなに難しいことでは無くて、
白い杖をついている方に「お手伝いしましょうか?」と聞いて、
お願いしますと言われたら、
「ただ…どう誘導するのがいいのかわからないので教えていただけませんか?」
と素直に聞いてしまうと大抵の方は教えて下さいます。
目の見えない方の力となってお手伝いしたいと思う心があればなんとかなるのです。

冒頭の写真は手を取り合う新郎新婦さんです、
結婚式では日常的に見られる光景です。
同じように日常的に助け合える、
人にしか出来ない人への優しさ、誰にでも出来ると思うのです。
そんな当たり前を大切にしていきたいですよね。
 

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