今回は利回りが低めでもやっぱり東京都心で不動産投資投資したい!っていう人向けの記事です。
東京の資産価値を規定する要素について以前書きましたが、特に都心区分投資では基本的に立地(駅距離・エリアなど)に妥協しない方がいいと思います。ただ戸建/小型アパート/店舗など小ぶりな一棟物件を狙う場合、穴場エリアの方が収益性と資産性のバランスいい投資対象になるという考えもあります。
ではあくまで私見ですが、都心で2つほど穴場の例を挙げたいと思います。
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例1 : 「渋谷川流域周辺 × 準工業地域」
渋谷川は一部が暗渠化されていたり高架の下だったりして存在感が薄い川ですが、
新宿御苑・代々木公園 → 渋谷 → 恵比寿 → 広尾 → 白金 → 麻布十番 → 芝公園 → 浜松町
と都内の名だたるエリアを流れています。
渋谷川周辺には明治時代から昭和前半にかけて工場が多く作られており、その名残として「準工業地域」の用途地域が残っています。
準工業地域というと建物用途の規制が緩いため心配されますが、実際のところ地価の高い場所に将来的に新規の工場等ができる可能性はかなり低いと思われます。また工場の跡地だと土壌汚染のチェックが必要ですが、その辺がクリアできれば問題は少なくなります。
住居系用途地域に比べると土地単価が安いだけでなく道路幅に対する容積率規制が緩いため、投資向けには意外と有用だと思います。
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例2 : 「新橋~田町間西側 × 駅遠の商業地域」
銀座、日本橋、神田周辺などにも同様のスポットがありますが、一番典型的だと思うのは港区東側(山手線内側)エリアだと思います。
このあたりは旧東京市・芝区の中核地域で古くから栄えていた場所なので、小さい区画に雑居ビルが並んでいます。その中で資本家が目をつけにくい駅遠で古めの店舗/戸建/ビルが比較的安く売りに出ることがあります。
駅遠と言っても徒歩5分を少し超える程度の立地(そもそも必ず徒歩10分以内には駅がある立地です)なので、どこであっても利便性はかなり良く、繁華性が低い場所であればレジデンス向けにもなると思います。
このエリアは殆どが容積率500%超のため、容積率を消化していない物件の場合はより高いビルに建て替え高収益が期待できる場合もあります。
ただ実際の容積率は道路幅で規定されるので、道幅が広く安い物件があればポテンシャルを秘めています。
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この2つの例の場合、街並み、地盤、日当たりにこだわるなら良い条件とは言えないケースが多いですが、これらのエリアでは今の相場でも比較的安く手に入ることがあり、さらに道路付けや土地形状によっては破格物件もあります。
エリア自体に利便性やブランド性があるため、特にレジデンス用途であればほぼ広さとエリアの相場からさほど外れない賃料が取れるのがポイントです。1F部分のみ商業用途にしたりしても需要が大きいです。
しかし格安物件が出ればその争奪戦は熾烈なので、素早い判断力・行動力が求められます。