baiser de l'ange 17 | Are you there ?

Are you there ?

随時公開中(過去作品のみ。)





四人で、笑いながら食べた夕飯は
涙が出そうなくらい幸せで

少しだけ
少しだけ…

ユノさんの決断を恨めしく思った。

「ジョン、ジョアン…お願いがあります。」

食事が終わると
ユノさんが2人を呼んだ。

「なに?ユノ…」

「今晩だけ…チャンミンと2人きりに、してくれませんか…。」

「ユノ…さん!」

「チャンミン…今度会うための、合図を決めましょう(笑)」

ジョンとジョアンはどこに…

「ユノさん…じゃあ、僕の家に行きましょうか?」

そうですね。
とにっこり笑ったユノさんと僕は

2人をユノさんの家に残して
夜の街を歩いて、僕の家に向った。

「ユノさん?何してるんですか?」

「写真を…思い出すきっかけになるでしょう。」

歩きながら
携帯で写真を撮る

「何の写真か、わからなくて…消してしまうかも知れませんよ。」

僕の言葉に

「チャンミンに繋がる写真を消すなんて、そんな事はしませんよ…チャンミン…私はあなたを求めています。今も…これからも…」

高い塀のそばの
電柱の陰で…こらえ切れずに
僕は、ユノさんの胸で泣き出してしまった。

「ユノさん…せっかく。想いが重なったのに…これから、ずっと一緒に居られると思ったのに…ユノさん…ユノさん…(涙)」

「チャンミン…ごめん…、あの2人を犠牲には…」

「分かってます。僕だって…同じ気持ちですっ!」

分かってる、分かってるけど
離れたくないよ…

「チャンミン…寒いです。部屋で話しましょう、一晩中チャンミンのそばで…チャンミンを感じて過ごしたいんです。」

「最初で最後の夜かもしれないから?」

ユノさんは
僕の涙を拭いながら、首を振り
手を繋いで歩き出した。

「少し…離れるだけです。すぐです…すぐにチャンミンを迎えに行きますから…待ってて下さい。」

半歩前を歩くユノさんは
振り向かないで、そう言った

「ユノさん…」

「なんですか?」

「部屋に入ったら、キスをしてくれますか?忘れる事ができないくらい、息が止まってしまうくらい…深い深いキスをしてくれますか?」


返事の代わりに
繋いだ指先が僕の指を〝トンっ〟と叩いた。






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