四人で、笑いながら食べた夕飯は
涙が出そうなくらい幸せで
少しだけ
少しだけ…
ユノさんの決断を恨めしく思った。
「ジョン、ジョアン…お願いがあります。」
食事が終わると
ユノさんが2人を呼んだ。
「なに?ユノ…」
「今晩だけ…チャンミンと2人きりに、してくれませんか…。」
「ユノ…さん!」
「チャンミン…今度会うための、合図を決めましょう(笑)」
ジョンとジョアンはどこに…
「ユノさん…じゃあ、僕の家に行きましょうか?」
そうですね。
とにっこり笑ったユノさんと僕は
2人をユノさんの家に残して
夜の街を歩いて、僕の家に向った。
「ユノさん?何してるんですか?」
「写真を…思い出すきっかけになるでしょう。」
歩きながら
携帯で写真を撮る
「何の写真か、わからなくて…消してしまうかも知れませんよ。」
僕の言葉に
「チャンミンに繋がる写真を消すなんて、そんな事はしませんよ…チャンミン…私はあなたを求めています。今も…これからも…」
高い塀のそばの
電柱の陰で…こらえ切れずに
僕は、ユノさんの胸で泣き出してしまった。
「ユノさん…せっかく。想いが重なったのに…これから、ずっと一緒に居られると思ったのに…ユノさん…ユノさん…(涙)」
「チャンミン…ごめん…、あの2人を犠牲には…」
「分かってます。僕だって…同じ気持ちですっ!」
分かってる、分かってるけど
離れたくないよ…
「チャンミン…寒いです。部屋で話しましょう、一晩中チャンミンのそばで…チャンミンを感じて過ごしたいんです。」
「最初で最後の夜かもしれないから?」
ユノさんは
僕の涙を拭いながら、首を振り
手を繋いで歩き出した。
「少し…離れるだけです。すぐです…すぐにチャンミンを迎えに行きますから…待ってて下さい。」
半歩前を歩くユノさんは
振り向かないで、そう言った
「ユノさん…」
「なんですか?」
「部屋に入ったら、キスをしてくれますか?忘れる事ができないくらい、息が止まってしまうくらい…深い深いキスをしてくれますか?」
返事の代わりに
繋いだ指先が僕の指を〝トンっ〟と叩いた。
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