前回の続きです、
昨年、大学生ぐらいのお若い方とお話しする機会がありまして、その中で、
「自分は自動車を、お金がかかるし、危ないし、環境に悪いし、だけどみんな乗っているし、いったい、自動車というものはどういう物なんですか?
ましてや、スポーツカーだったり、高級車とか、とにかく高い、もしくは、高くて役に立たない車をほしがる気持ちがわからない。」
という質問を投げかけられました。
事務所で、こんな感じでした。
まあ、車に乗ってきた本人が、そんなことをいうもんですので、
「今どきの子、ぶっトんどるなw」
とは思ったのですが、一応真摯に受けまして回答したキヨシです。
「人間の、自由に対する、あこがれの象徴が、自動車ですよ。」
と申し上げました。
日々の生活圏や他の交通手段の兼ね合いで、〝ないと生活ができない人”こそ忘れがちかもしれないな、とも思いましたので、かえって大事なことかもしれないな、と思います。
「いつでも、どこでも出かけられる、自慢の道具を持っているよ」
という、移動に対する欲望を、かなえる道具を持った生き方を、
どんな人にも等しくかなえてくれる道具なんですよ、
走るのが苦手な人でも、お年寄りでも、女の人でも、病気の人でも、運転できる人には、等しく
、世界で一番早く走る人より、速いスピードで、走って曲がって、手足のように、自分の言うことを聞いてくれる、特別な道具なんですよ、
と、優しく申し上げた、キヨシです。
勿論道具ですから、その人の目的意識を反映したものになります。
勿論、必要最低限という中の用の美たる、基本形として、
セダン、や、コンパクトカーという、よく普及している車があります。
そして、荷物を載せたいなら、荷台のある車を、
自分以外の人をもてなしたいのならば、セダンを、
多人数が乗りたい場合は、ミニバンを
という風に、持ち主が、自動車に求めたい用途が、追加されます。
その中でも、生活四駆を含めて四輪駆動車を選ぶということは、
たとえ雪が降ろうとも、舗装された道路がなくても、自分の意志と、力量(運転技術)で、突き進んでいくことが行ける、もしくは、より安全に目的地にむかえる、目的達成の力を秘めた、道具がほしい、という、希望の表れであり、
クロカン四駆というのは、その集大成ですよ、
と、そして、
舗装された道路の中で、と、限定が入りますが、
自動車の基本項目である、
「走る」、「曲がる」、「止まる」、という性能だけを、ほかの機能を犠牲にしてまでも、ただひたむきに、昇華させてきた、そして、そこに「味わい」の要素を付け加えてきた、その系譜が、スポーツカーなんですよ、
と、しかも、
本当の意味で乗りこなすのが難しいスポーツカーや、
知っている人でないと使い方の分からないレバーのついているクロカン四駆、などは、やはりその一歩ぬきんでた特性を「使いこなす」喜びを、持ち主に与えてくれる、本当の意味でのハイエンドモデルであり、
そういう道具がほしい気持ちは、釣竿、スキー板、刃物、キャンプ道具、この世のおよそ道具と呼ばれるすべての物に、人間が要望として持っている物でもあったりもしますし、
そして、そうした道具を、所有したい、そういう道具を持った生き方をしたい、という気持ちが、その人のクルマ選びに、かかわっているんですよ。
と、熱く申し上げました。
○○やから必要、も、勿論のこと、
いろんなところの旅行に行きたい!も、
スポーツでも、四駆でも車で遊びたい!とか、
スキーや、登山や、サーフィンや、車で遊びに行きたい!も、
はては、目立って、ナンパしたい!も、
こういう時によくでる、「走ったさえええんや」という話もありますが、それさえも、
「私の行きたくなった時に、出発できる」
という、欲望が果たされているんだという意味では、
総じて、きちんと言うならば、こういうことになるんだろうな、と、思います。
まあ、そこに見栄というのも、ありますが。とは補足の話です。
とどのつまり、
世の中には、いろんなものの見方の物差しがあるので、よく養ってくださいね、
てな具合かもしれません。
自分が、興味ない分野だからと言って、それに打ち込んでいる人を前に、
「俺は関係ないね」
と、一瞥するのは、案外その人を、傷つけますよね。
好きの反対は、嫌いではなくて、無関心だと聞いたことがあります。
自分に興味のないことでも、ひたむきに打ち込んでいる人がいるならば、
その気持ちに水を差さないように、計らうのは、最低限の礼儀だと思うキヨシがお送りいたしました。
補足
日本のクルマ社会の場合、一昔前の常識で行きますと、
その値段と、
排気量、
ばかりが、見栄としての対象になっていたような気がしますが、
それじゃあ、
「お金のある人の見栄」
ばかりが、主張してしまうので、
「車好きとしての見栄」
が、光る車選びが、少ないよな、とは思うキヨシです。
車好きとしての見栄、
とは、
ちょっと生活における欠点もあるのだけれど、やっぱりこの車が好きだから、上手に使いこなすという、道具と持ち主のいい関係、に、あるのではないかとも思います。
自分だけがいい関係ではいけません。
妻に、家族に、世間に、白い目で見るかみられるか、しかしまあ、受け入れられる、ギリッギリの線を、守らないと、
ただの痛いやつになる恐れがありますので、違法改造と、騒音にかかわることなんかは、すきで済まさないでいただきたく思うキヨシがお送りいたしました。