毎週、なぜか週の初めは晩御飯案が浮かばない私。昨日の月曜日もやっぱり朝からアイデアがなくて焦っていました。そんな時、“St. パトリックデー”であることに気づき、一気に考えがまとまった!ひらめき電球


アメリカではこの日、コーンビーフとキャベツってのがお決まり。コーンビーフと言っても、例の缶詰に入った肉ではなく、塩漬けした牛肉です。塩漬けには数日かかるため、当日の朝に思いついてももう遅い!


そこで、冷凍してあった牛のもも肉を解凍し、コーンビーフではないけれど、アイリッシュな香りのするお料理を作ることにしました。クリスマス前にも一度作ってご紹介していますが(その時の記事 )、今回は簡略化し、どこででも手に入る材料で直火調理しました。


ポットローストビーフ in ギネス


私、お恥ずかしい話ですが、アメリカに移り住むまで、コーンビーフってとうもろこしを食べて育った牛の肉を加工したもの、もしくは、牛肉の嵩増しにスイートコーンを混ぜた食肉加工品だと思っていたんす!(滝汗)


そしてね、そう思いながら缶詰のコーンビーフを食べると、どことなくスイートコーンの風味がするような気がして、絶対にこの2つの内の1つ、特に後者の方に違いないと、勝手に思い込んでいたんです。(笑)


ところが、アメリカに引っ越してくると、缶詰ではない普通の生の牛肉を塩漬けしたものを、コーンビーフ(正確にはコーンドビーフ)と呼んでいるじゃない。不思議でさぁ、辞書を調べてみました。したら...


コーンと言う単語には、“とうもろこし”と言う意味の他に、どうやら“塩漬けする”と言う意味があるらしい。コーンビーフと呼ぶ時のコーンは、とうもろこしを食べた牛でも、とうもろこしを混ぜた食肉加工品でもない。塩漬けにした牛肉と言う意味ってのが分かりました。


しかし、私がこ誤解していたのも不思議ではないのです。ってのは、エゲレスでは塩漬けした生の牛肉はソルトビーフと呼び、デリなどで売っているコーンビーフと呼ぶものは、缶詰のコーンビーフ同様の食肉加工品だからです。


多分、St. パトリックがキリスト教を広めたアイルランドでも、エゲレスと同じではないかと思う!?


あと、エゲレスにもアイランド系の人はたくさん住んでいて、St. パトリックデーには、当然皆盛り上がります。でも、私の知る限りでは、コーンビーフこと、塩漬けした牛肉を食べる習慣はないんです!


この日は昼からパブに居座ってギネスを大量に飲み、酔ってどつき合いの喧嘩をしたり、公共物を破損してポリが登場したり、急性アルコール中毒で泡を吹いたりするのが、エゲレスで見られる一般的なSt. パトリックデーの光景です。(爆)


恐らく、コーンビーフとキャベツを食べる習慣は、アイルランド系アメリカ人が新天地で始めたものではないかと思う!?


アイルランドは超貧しい国だった。一般庶民は精肉なんて滅多に口にできず、中でも高価な牛肉を食べれるのは金持ちのみ。牛肉の殆どは国の重要な輸出品で、アメリカにももちろん輸出されていたのでしょう。


アイルランドから他国に輸送中、肉の日持ちをよくするには塩漬けで輸出しないといけない。そのソルトビーフを、いつしかアメリカではコーンドビーフと呼ばれるようになったのじゃないかと思います。


本国のアイルランドには、私もよく作る茹でハム(またはガモンと呼ぶ生ハム)とキャベツをボイルした料理 がある。それを真似て、牛肉大好きな雨人(アイルランド系雨人)さん達は、この日、コーンドビーフとキャベツを煮込んだものを食べ出したんだと思う。


ラム肉には人気のないアメリカでは、ラムの代わりに牛肉を使った、アイリッシュビーフシチューなんて、ざけた名前の料理もあるし。(爆)


以上は私の勝手な推測なので、100%信じ込まないでね。(汗)あと、“お前、間違っているやないか!”って気づいた方が居ても、お怒りのメールを送ってこないで下さいませ。やさしくご教示いただけたら幸いです。(滝汗)


さて、ここからは我家のSt. パトリックデーの晩御飯のお話です。


アイルランドと言えば即連想するのがギネスビール。フランスではワイン、エゲレスではエールで牛肉を煮込むのと同様に、アイルランドではギネスで牛肉を煮る。調味料なんてもう殆ど要らない、めっさ美味しいソースに変身するのです!ラブラブ


角切りの牛肉を使ってシチューにする代わりに、塊肉を切らずにそのまま野菜と一緒に直火でギネスと煮込むと、とても豪華で美味しいポットローストビーフが出来上がります。


オールインワンだから、オーブンで牛肉をローストするのと違い、別途付けあわせの野菜を準備したり、ソースを作ったりする手間も不要。下ごしらえを済ませて火にかけたら、出来上がるまで完全放置プレー!


前回クリスマス前にご紹介した時は、手作りブーケガルニを使ったりしましたが、今回はその内のセロリを付け合せの野菜の1つにしちゃって、ローレルとタイムの葉のみ、直接鍋に投入して煮込みました。


また、前回は、日本やアメリカではほぼ手に入らないであろうと思われる、くるみのピクルスを加えましたが、その酸味の代替とし、粒マスタードを加えて煮込んでみましたよん。


東京時代に住んでいたマンションの1階に、24時間営業のスーパー西友が入っていました。我家の食料庫&冷蔵庫と呼ぶほど、なんか足りないって言うと、即、下まで降りていたんですが、その西友に、よく雨牛のももブロック肉が売っていました。


高価な国産牛でなくても、その程度のブロック肉で十分!コストコジャパンにも売っていますよね!?


まずはタコ糸で形が崩れないように縛って、蓋のあるフライパンにオリーブオイルを熱し、蒸し焼き状態でしっかり焼き目をつけます。


雨牛も豪牛も、海外の肉は水がたっぷり注射されているので、蓋をしなと、そこら中に脂が飛んで大変なことになります。(笑)そしてしっかり焼くと、得体の知れない不思議の水がたっぷり湧いてくるので、それを完全に処理してから煮込めます。


ポットローストを作る鍋(どっしりした蓋付きの鍋がベター)にオリーブオイルを熱し、たまねぎ、にんにくの順に炒めたら、セロリや人参など、付け合せたい野菜を加えて更に炒めます。マッシュルームは出来上がりの1時間くらい前に入れますよ。


小麦粉を加え、全体に満遍なくコーティングされるようによく混ぜながら、更に炒めます。粉がコーティングされると、写真の様にかなり醜い状態になりますが、でも、気にしない!気にしない!(笑)


今回はギネスとビーフストックを半々に使いました。残ったもののリメイクにと考えている料理に、煮汁がたっぷり欲しかったので、各480mlずつ使っています。その分小麦粉も大さじ2杯強加えました。


大さじ1強のマスタードとローレル、タイムの葉も加え、粉のだまができないようによく混ぜながら煮立てませう。


煮立ったら別途焼き目をつけた牛肉を投入。ここでフライパンの鍋底に残っている“肉汁”も...なんてことは考えてはいけませぬ!海外の肉から湧く得たいの知れない不思議の水は、惜しみなく処分!!!口に入れても毒ではないけれど、キモイ!ドクロ


ビール、ギネス、サイダーと言うのは、アルコールが完全に飛んでソースになったらめっさ美味しいけれど、注ぎ入れてすぐに味見しても、ただ苦いだけ!


味見して、えらい苦い!こりゃあ失敗!と落胆せず、塩とブラックペッパーで軽く味を付けたら、火を極力弱めて蓋をし、3時間くらいじっくりとコンロの上で煮込んでくださいませ。


初めに一緒に炒めて煮込んでも良いけれど、昨日の私はマッシュルームは調理の終わり1時間前に加えました。皿に盛りつけたとき、マッシュルームの形を留めていて欲しかったし、独特のあの食感も損ないたくなかったので。


出来上がったら肉を取り出し、フォイルに包んで冷ましておきます。手で触れるようになったら、タコ糸を外し好みの厚みにスライス。


肉を大皿に盛り、野菜の入った煮汁をもう一度温め直して肉の上にかけ、マッシュポテトやボイルしたポテトと一緒に食卓にサーブしてくださいませ。


ちなみに私は潰れたじゃがいもが我慢がならないほど嫌いなので、ポットローストには加えず、マッシュポテトを別途添えていますが、じゃがいもの潰れが気にならない方は、これも一緒に鍋に入れて煮込むと、ますます手間要らずな一品になります。


プレイスマットもシャムロック(クローバー)カラーのグリーンにし、コーンビーフではないけれど、アイルランドな味のする牛肉のポットローストで、St. パトリックデーのディナーのはじまり、はじまりぃ~!


ギネスを飲みながら食べたら良いのだけれど、私はビール飲み飲みご飯ってのがあんまり好きじゃないので、やっぱり煮込みにはワインを開けました。ギネスの風味を損なわないよう、赤ではない、さっぱり白いワインで。


煮汁をたっぷりにし、それをクリーミーなマッシュポテトに絡め、肉や野菜と一緒に食べると、もう、最高に美味しかった!


旦那に、“美味しいねぇ!”って声かけたら、“美味しいけど、肉が安もん過ぎ!”って言われた。(汗)


すんまへん!でも、家計のことを考えると、安いもも肉の、しかも、腐った屋の店長オススメの割引肉で煮込ませてもらいましたんどすぅ~!もっといい肉が食べたいなら、昇給してもらえるよう、上司にゴマをすっておくんなまし。(爆)


でも、夫婦して、たっぷりアイルランドな雰囲気を堪能した、St. パトリックデーらしい晩御飯でした。


残った肉や野菜も、後日、アイルランドな料理でリメイクしようと思っています。

今日も最後まで読んでいただいて有難うございました。
いつも、いつもお手数なことをお願いし、本当恐縮なのですが、
どうぞ応援のクリックをして下さいませ。
若い方たちに混じって、オバハンも頑張っています。
そのオバハンの努力に免じ、どうぞ宜しくお願いいたします。(汗)