一昨日の我が家の晩御飯です。少し前に作りブログで紹介しようと思ったら、写真がどれもこれも黄ばんで載せられる代物ではなく、記事に使うのを断念した古くからあるアイルランドの料理を、またまた作ってしまいました。


前回作った時、その素朴な味がなんとも美味しく、何よりも、その美味しい料理が別の形で2日間楽しめたと言うことが嬉しくて、ちょっとはまってしまったのです。


茹でハムとキャベツのパセリソース添え

クッキングリッシュの会

私はこれまでに2回アイルランドのダブリンに行きました。1回目アイルランドを訪れた時、ここはイギリスよりも旨いものが一杯ありそうや!それが私の現地の食に対する第一印象でした。


そして実際、ダブリンのパブで食べる昔ながらのアイルランドの家庭料理と言うのは、どれもこれもはずれなく美味しかったのです。


そこで2回目にアイルランドを訪れた時、私はマーケットの古本屋さんで、アイルランドの伝統的家庭料理ばかりを集めたレシピ本を見つけ買いました。当時日本に住んでいたので、自宅に帰り材料が揃う限り、その1つ1つを作ってみようと楽しみで仕方ありませんでした。


家に帰り、ダブリンで買ったその本を取り出して、どれから料理するか頁をペラペラめくって行くうち、1つ気がついたことがあったのです。


私がよく作る牛肉のギネス煮込みや、アイルランドの料理と言えば、誰でも即連想する羊の肉で煮込んだアイリッシュシチューなどは載っているものの、牛や羊の料理が意外に少ないことに驚きました。


その反対に、ゲームと呼ばれる狩猟で捕獲する鳥や、鹿、うさぎの料理と、鶏、豚肉、または豚肉を加工したベーコンやハム、ソーセージの料理が沢山目に付くことでした。(手元に今本がないので分からないけれど、実際は鶏料理もそれほどなかったかもしれない...)


これはアイルランドが昔貧しくて、牛や羊などが買えなかったから、狩猟で捕獲した鳥や動物の肉、鶏、豚肉、豚肉の加工品を主に動物性のタンパク源として食べていたことを物語っています。


けど、不思議なのは豚肉です。鶏ってのは昔の日本でも庭で飼って、大きくなったら裁いて食べたりしていました。けど、豚肉は家で飼育して食べていたとは言えんじゃろうて...と思ったのですが、実は...


聞くところによると、そうらしいのです!!!


イギリスやアイルランドの貧しい家庭では、昔は豚を買っていた家が多かったのだそうです。牛や羊は飼育するのに広い場所が必要だけど豚は狭くてもオーケー。で、裏庭で豚を飼い、大きくなったらそれを食肉にするのが結構一般的だったそうです。


しかし貧しい英愛民のことです。豚を食肉にすると言ったって、“豚の丸焼きぃ~~~!”と言って、口からお尻に棒を刺し、それをくるくる回してロティセリーにして、その晩の内にパーティーして平らげていたわけではありません。


裁いた日はローストポークを焼いて食べたかも知れないけれど、殆どは塩漬けにしたり、ベーコンにしたり、そして屑の肉は皆寄せ集めて腸詰めしソーセージにしていたのです。一匹の豚は一家の1年分の肉でした。


なんぼ塩漬けにしても燻製にしても、冷蔵庫も冷凍庫もない時代に1年も持つわけがなくて、どうやらご近所さんと交渉し、今月はうち、来月はあんたん家と、豚を裁く度何軒かの家庭で山分けしたとも聞きました。


さて、話し出したら長い私、また今日も前置きが長ごうなってしまいましたが、アイルランドの素朴な茹でハム料理にはまってしまった旦那と私は、先週末スーパーを歩いていて、パック入りのこんなデカイハムのスライスを見つけ奮い立ったのです。(笑)

クッキングリッシュの会

パッケージには骨付きハムステーキと表示されています。そして、このパッケージめちゃ正直で、目方の23%は水を成分とするものを含んでいますと、ちゃんと但し書きもつけているではないですか!

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海外の肉や食肉加工品には、目方を増やす目的、柔らかくする目的、つや良くみせる目的で、水が注射されているんですよと私がいつもブログで指摘している点を、隠さずちゃんと表示しているのが気に入った!(爆)


で、水は含まれているってことを承知の上で旦那と私はこのハムを買い、その晩、先日来はまってしまっている、ハムとキャベツを一緒に茹でるだけの、シンプルなアイルランド料理をもう一度作ることにしたのです。


ちなみに、昔の貧しい英愛民が、豚のもも肉のデカイ塊を塩水(ブライン)で塩漬けにしたものを、ガモンといいます。ガモンはそのまま焼いたり茹でたり煮たりして食べれますが、燻製にしたりハムにしてから食べたりもします。


私の理解が正しければ、このデカイハムのスライスは、骨付きのガモンをハムにしたものです。


昔のアイルランドでは、この料理は単純に湯でハムとキャベツを茹でただけのものでした。パセリソースと聞けば聞こえはよいが、実は、バターで炒めた小麦粉を茹で汁で薄め、そこにパセリと牛乳を加え、ハムとキャベツにかけただけの簡単なものでした。


それを私は、現在の減塩のハムを使っても美味しく出来るように工夫しました。また、パセリソースももう少しお洒落な味に仕上げています。


昔のアイルランド人は、きっと翌日は茹で汁にキャベツだけ入れ、ハムなしのハム風味茹でキャベツにして食べたはずです。(笑)現代に生きる私は、翌日またまたキャベツをぶち込んでは食べていませんが、やはり無駄にはせず、茹で汁をスープに利用し1つの料理を2回楽しんでいます。


この時季、日本のスーパーに行くとハムや焼き豚の塊が山になって売っています。お歳暮にハムの詰め合わせが届いた家庭もあるでしょう。それが残って困ったら、1cm位に分厚くスライスし、いちど是非試してみてください。まじはまる美味しさです!


<材料 2人分>

セロリ...1本
パセリ...1本
タイム...1本
ローレル...1葉
ガモンステーキや1cm以上の厚みに切ったハム...4切れ(300~400g)
きゃべつ、芯を取り除き大きく切る...小1個
にんにく、スライス...2かけ程度
チキンストック、固形スープをパッケージの分量より2倍に薄めたもの...約800ml
バター...10g
たまねぎ、みじん切り...大さじ2~3
小麦粉...小さじ1強
牛乳または生クリームと牛乳を半々に合わせたもの...100ml
塩こしょう...適宜
味の素...適宜
パセリの葉のみじん切り...大さじ2~3

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<作り方>

1.セロリ、パセリ、タイム、ローレルを合わせ、タコ糸で2箇所縛りブーケガルニを作る。(面倒な場合はローレルとタイム、またはローレルのみ、あるいはどれもなくてもオーケー!)

2.鍋にキャベツの約半量を入れ、その上にハムを載せてにんにくのスライスを散らす。

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3.2の上に残りのキャベツを載せ、材料がひたひたに漬かる程度の、薄めに湯で溶いたチキンスープを加える。1のブーケガルニを載せて火にかける。煮立ったら火を弱め蓋をし40~45分煮る。

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4.3がほぼ出来上がる寸前パセリソースを作る。小さいフライパンにバターを熱したまねぎをしんなりするまで3~4分炒める。

5.4に小麦粉を加え全体に混ぜ合わせ1分足らず焦がさないように炒める。キャベツの茹で汁をおたま1杯分(約100ml)取りフライパンに加える。粉のだまが出来ないようにしっかりと混ぜとろみをつける。

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6.5に牛乳もしくは生クリームと牛乳半々にしたものを加え、塩こしょう、味の素で調味する。とろみが濃すぎるようであればキャベツの茹で汁を適宜追加する。最後にパセリを加えてざっと混ぜ合わせ火からおろす。

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7.茹ったハムとキャベツをざるにあげる。この時ざるの下にボウルを置き、茹で汁を再利用できるように取っておく。

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8.皿にハムとキャベツを盛りパセリソースをたっぷりかける。シンプルに茹でたじゃがいもかマッシュポテト、もしくはベイクしたじゃがいもがよく合います。


私のデカイ面より3周りは大きいハム!(爆)23%は水だとパッケージには表示しているものの、400g以上あって日本円にして400円もしないと言うと、主婦としては嬉しい価格。キャベツも安いし、それでいてこの豪華さ!

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昔の貧しい英愛民の料理は、この現代に私の手により、お洒落におもてなしにでも通用する料理として、生まれ変わりました!(そんな大袈裟なことはないか...爆)


このパセリソースがなんともいえません。お好みでちょっとマスタードなどを加えて作ってみても美味しいと思います。けど、あれや、これやと入れてしまうよりは、シンプルに徹底したほうが、よりアイリッシュな一品になるとも言えるでしょう。


そして夕べ、一昨日のハムとキャベツの茹で汁は、アイルランドから東へ何千マイルも旅をし、チャイナの国の坦々麺に姿を変えたのでした!これがまた激うま!

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中華な献立に、100均の和食器グッズの箸置きとレンゲ、ついでに取り皿が混じり、角さん、周さん共に喜ぶ、まるで日中国交回復みたいな食卓にはなってしまいましたが...(滝汗)

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