以前、スコットランドのふかふか朝食ロール ってのを作ってご紹介しました。その後そのレシピは全粒粉を使ったホットドッグバンズ に、そして、ニューイングランドホットドッグバンズ にと活用され、その都度ブログでも出来上がったパンをご紹介しました。


今回ご紹介のパンは、その3つのレシピの内、ニューイングランドホットドッグバンズの材料&分量を全く訂正なしにそのまま採用し、形成の仕方を変え、焼き上がりに、これまでパン作りで試したことない新しい試みを施しただけのものです。


日本人好みのふっかふかのパン!冷凍しても、解凍せずそのままレンジで1分も温めると、また出来上がりと同じふかふか感が甦る、実に美味しいロールです。ハンバーガーのバンズとしてもバッチリ。是非お試しいただきたいです。


バームケーキ風テーブルロール

和・美・Savvy Cooking

バームケーキ!


そう聞くと、日本人なら即思い浮かべるのがバームクーヘンです。でもね、私の紹介するバームケーキは、ドイツ語のバームクーヘン(Baumkuchen)のバームではないんですよ。


私が今日紹介するバームケーキのバーム(Barm)は、英語の辞書にも載っていない単語。ウィキペディア によると、酒造の際、発酵中表面に浮いてくる白い泡のことを、北西イングランド方面の方言でこう呼ぶようです。


また、日本人はケーキと聞くと、即、甘いお菓子のケーキを連想しますが、英語では平たい固まりのことを、お菓子に限らずケーキと呼びんです。


例えば、蟹や鮭で作ったお魚のコロッケ風のものを、クラブケーキとかサーモンケーキと呼びます。蟹や鮭の入った生臭い甘いケーキ?いえいえ、これはれっきとしたセイボリーなお料理です。(生臭くもありましぇん!爆)


そしてパンの中にも、ケーキと名付けられたものが多く、レーズンパンなどは、エゲレスではティーケーキと呼びます。バームケーキも、酒造発酵の際(エゲレスだから恐らくエールを発酵させている際)に出る泡で焼いたパンです。甘いケーキやおまへん!!!


実は、私もバームケーキなるものを一昨日まで知らなんだ!


先日買ったスロークッカーで、これまでオーブンで作っていたある英国料理を作ろうと思い、温度や時間などをネット検索中に、このパンの存在を初めて知ったのです。


私の作ろうとしていたお料理も、やはり北西イングランドの郷土料理。あちらでは伝統的に、このパンと共にそのお料理を食べるのだそうです。


私は英国料理やアイルランド料理を広く深く理解したい人。だから、そういうことを聞くと興味をそそられてしまいます。早速、バームケーキなるものがいかなるもので、自宅で作れないものか研究!


その研究の結果分かったことは、なんと、スコットランドのふかふか朝食ロールと、材料もその割合も、製法も全く同じなのです!


違いはイーストで膨らますかバームで膨らますかって点だけ。しかし、そのバームも、現在では大概製パン用のイーストを用いられているとか。


ほな、自宅で簡単に作れますやんかいさぁ!


バームケーキの特長は、白い小麦粉に脂はラードを使用。牛乳と水の割合が1:1で、焼き上がりは中がふかふかで、表面に粉が吹いているそうです。材料は多少違っても、ロールの見た目はエゲレス全土、どこへ行っても見かける極々一般的なロールです。


私の作ったバームケーキ風ロールには、ラードではなくショートニングを使いました。これと一緒に食べたいお料理が、結構脂っこいお料理だったので、植物性の脂を代用することにしました。


そして、表面には粉をまぶしませんでした。その代わりに新しい試みで、焼きあがったロールが熱い内に、溶かしバターを表面に塗ったのです。


<材料 個分

強力粉...210g+打粉
薄力粉...210g
塩...小さじ1.5
砂糖...小さじ1.5
ショートニング...45g
牛乳...130ml
水...120ml+小さじ1(=125ml)
ドライイースト...小さじ1.5

(その他)
ショートニング...適宜(型に塗る分)
溶かしバター...適宜


<作り方>

1.ボウルに強力粉、薄力粉、塩、砂糖を入れスプーンで混ぜ合わせる。ショートニングを加え、指かペイストリーブレンダーでそぼろ状になるまで粉に擦り込む。

2.1と牛乳、水、ドライイーストをホームベーカリーの容器に入れ、生地コースを選択する。

3.生地コースの終了した生地を薄く打ち粉をした台の上に取り出しパンチダウンしたら、即、9等分し丸く形成し、ショートニングを薄く塗った直径22~23cmのパイ皿に、形成したパンを平均に並べる。濡れ布巾んを軽くかぶせ40~50分二次発酵させる。

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この手のパンは捏ねすぎないのがコツ。
ベンチタイム抜きでいきなりいっちゃってください!(笑)

4.180度で予熱を済ませたオーブンに入れ25分程度焼く。

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5.焼きあがったパンは熱い内に型から抜きワイヤーラックに移す。

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型に入れたまま冷ますと、底の部分が湿ってしまうので、要注意!

6.溶かしバターを刷毛でパンの表面全体に塗る。

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あぁ...私の“2つの持ち物”も、30代にはこんな張りがありました!
今ではニュートンの法則に抵抗できず、

いじわる婆さんの下向きトンガリみるくになってしもうたが...(涙)

エゲレスのパンと言うのは、スーパーで売っている工場大量生産の安もんパンでも、日本の同等パンの質とは全く比べ物にならない上質です!ふわふわで、且つ、もちもち感もあり、食べ応えのある食感を有しています。


昨日私が焼いたバームケーキ風テーブルロールも、ふわふわだけど、エゲレス風な食べ応えのある食感で、日本のベーカリーで買うホテルブレッドのようでした。すんげぇ~旨ぇ~ロール!ラブラブ!

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私がイギリスで学生だった頃、全寮制で3食付いてたのね。なもんだから、学校が主催する遠足や、ミュージカルなどのイブニングアウトに参加すると、その分の食事をランチボックスやサパーボックスにして持たせてくれました。


そのボックス(正確にはブラウンバッグなんだけど)の中に、必ず入っていたのがポテトチップス、りんご、チョコレートバー、それにサンドイッチでした。


そのサンドイッチは必ずこの手のホワイトロールに、削ったチェダーチーズを挟んだものか、ハムを挟んだもの。それを遠足の途中歩きながら、またはミュージカルが始まる前に劇場の待合室で、ムシャムシャ食べてたんだよね。


なもんだから、私はこの手のロールを見ると、どうしてもサンドイッチを作って食べたくなる!


夕べ料理と一緒に食べたロールの残りは、今日のブランチにサンドイッチにしてたべることにしました。そのサンドイッチが、これよ!

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バターを塗ったロールに挟んでいるものはチップス、日本で言うフレンチフライです。


チップスなんかパンに挟んで旨いの?それって炭水化物のダブルパンチやん!ってご指摘を受けそうですが(爆)、これはね、れっきとした、“チップバティ”と名の付いた、エゲレス人ならみな大好きなサンドイッチなんですよ!


これにHPのブラウンソースをつけ、半熟卵の黄身を絡ませて食べると、あーた、この世のものとは思え、旨かっちゃんよぉ!!!(←オバハンは大袈裟!爆)


さて、次回のブログでは、このバームケーキ風テーブルロールと一緒に食べた、北西イングランドの郷土料理をご紹介いたします。


お料理はスロークッカーで作りました。でも、オーブンでも作れるレシピです。もち日本でも!


是非是非また次回もお立ち寄りいただき、オバハンのうんち長いブログにお付き合いいただければ幸甚ですぅ!(汗)