2キロ近くある大きな、しかもオーガニックの丸鶏が600円!と、昨日の記事で書いたら、その安さに驚かれた方が何人かいらっしゃいました。
では、もう一発驚かせましょう。その600円の丸鶏を2日に渡り、しかも全く別の形のご馳走で食卓に登場させることが出来るのです!
2日目のご馳走はこれ。このパイはクリスマスの七面鳥が大量に余り困った時、必ず私が作るもの。今回はローストチキンの残りで作り2日目の食費を節約。なんと言っても、これまでなかった宅ローンの返済が家計に加わったので、気を引き締めておるのです。(汗)
スエットクラスト風チキンパイ
丸鶏や七面鳥を焼いた残りの骨でストックを取り、そのストックで煮た野菜と残りの肉でシチューを作り、それをグラタン皿などに詰め、上からパイで蓋をしてオーブンで焼いたお料理です。
このパイ生地、パイと言えどもスーパーで売っている冷凍のパイシートでもなければ、タルト生地でもありません。
これはスエットという獣脂(日本ではケンネ脂と呼ぶ)を粉に混ぜ込んで作った生地に似せたもので、イギリス版の水団・ダンプリングの生地に同じです。ダンプリングの生地はパイ生地にもなるのですよ!
ステーキ&キドニーパイ と言い、牛肉と牛の腎臓で作ったシチューを生地で包んで焼くパイなどにも、このスエットクラストをよく使います。
スエットクラスト風としたのは、残念ながらアメリカではスエットがなかなか手に入れ難く、バターを代用して生地を作っているからです。この国は肉、特に“牛”物の輸入には厳しいので、イギリス製のドライスエットはこのあたりでは手に入りません。
どんな生地かというと、火に当たる外側はカリカリのスコーンの様で、中はふかふかのマフィンの様な生地。だから、パンやじゃがいもをつけなくても、これ1つでお腹いっぱいになるボリューミナスパイです。
生地で包んで焼いたシチューは熱々で、冬にはもう最高の一品です!
<材料 2人分>
ローストチキンの残りの骨...1羽分
パセリ...1~2本
タイム...1本
ローズマリー...1本
ローレル...1葉
にんにく...1かけ
たまねぎ、食べやすい大きさに切る...1/2個
セロリ、1cm程度の幅に切る...1本
にんじん、皮を剥き1cm程度の幅に切る...細いもの1本
ねぎ(白い部分のみ)、小口切り...1本
塩ブラックペッパー...適宜
バター...10g
小麦粉...大さじ1
生クリーム...80~90ml
味の素...適宜
ローストチキンの残り、食べやすい大きさに割く...120~130g
(スエット風クラスト)
薄力粉...140g
ベーキングパウダー...小さじ1
塩...小さじ1/2
バター、1cm角に切り冷蔵庫で冷やしておく...40g
パセリのみじん切り...大さじ2~3
卵...1個
牛乳*...大さじ1
*オースパーポスフラワー(米)やプレーンフラワー(英)を使用の場合は、牛乳の量を小さじ1~2程度増やさないと、生地が少しドライなものになってしまいます。
<作り方>
1.鍋にローストチキンの残りの骨を入れたっぷりの水を張って火にかける。煮立ってきたら火を弱め蓋をし、30分~1時間しっかり炊き出す。
2.1を目の細かいざるで漉し骨や皮などを処分する。ストックは1~2時間、もしくは前日に準備し一晩冷蔵庫で冷やして、調理前に再度、キッチンペーパーで漉し余分な脂肪分を完全に取り除く。
3.100均の出汁袋に、パセリ、タイム、ローズマリー、ローレル、にんにくを入れ口をしっかり閉じる。
4.完全に脂抜きをしたストックを再び火にかけ、煮立ってきたら、たまねぎ、セロリ、にんじん、ねぎ、3を加え、塩ブラックペッパーで軽く味をつけて蓋をし、火を弱め1時間程度煮込む。
5.4をざるで漉し具とストックに分ける。具はしっかりと汁気を切っておく。
6.フライパンにバターを熱し小麦粉を加え泡だて器でよく混ぜ合わせる。5のストックをおたまに1杯ずつ3回に分けて(合計250ml程度)フライパンに注ぎ入れ、常時泡だて器でよくかき混ぜながら煮立てとろみをつける。
7.6にとろみがついたら生クリームを加え、塩ブラックペッパー、味の素で味を調え、5の野菜とローストチキンの残りの肉を加える。とろみが強すぎる様であればストックを足し緩める。(濃度はクリームシチュー程度が目安。)煮立ったら火からおろしグラタン皿などに2等分する。
8.スエットクラスト風生地を作る。小麦粉、ベーキングパウダー、塩をボウルに入れ、スプーンなどでよく混ぜ合わせる。冷蔵庫から出したてのバターを加え、指かペーストリーブレンダーで、そぼろ状になるまでバターを小麦粉によく擦り込む。
9.8にパセリを足し、卵と牛乳を合わせてよく溶いたものを加えひとまとめにする。シリコンシートなどの上に取り出し、生地を2つに分け、麺棒でグラタン皿がすっぽり覆える大きさに延ばす。(形は整っていない方がブリティッシュカントリー風で趣あり!笑)
10.グラタン皿の外側、生地を貼り付ける部分にオリーブオイルかバター(いずれも分量外)を塗り、生地を被せてしっかりと皿に押さえつける。200度で予熱を済ませたオーブンに入れ30分焼く。
そうして焼きあがったのがこれです!材料のところでも注意書きを添えましたが、オールパーポスやプレーンフラワーと言う中力粉に似た粉を使う場合は、薄力粉を使って作る時より、牛乳の量を少し増やさないと生地がパサつきます。
実は昨日、私はそれで失敗したのよ!
どっかなぁ...大丈夫かな...硬くてぼろぼろなんじゃないだろうか...?そんなことを心配しながら食卓に並べたのですが、幸い、中のシチューの蒸気で、ダンプリングのようにふっかふかに焼きあがっていてホッとしました。
猫舌の旦那はまずパイ蓋を取りはずし、シチューを冷ましてからじゃないと食べれない。(爆)
私は熱い物全然平気な人だから、やっぱり正統にパイ蓋の真ん中を割り、少しずつ、少しずつ生地を崩してはシチューにディップして食べました。
いずれの食べ方にしても実に美味しい!
鶏ガラで取ったスープにはコクがあり、ほのかに漂うタイムやローズマリー香りがなんともお洒落。野菜はトロトロで、そして何より、普通にシチューを食べるより最後の最後まで熱々をキープできるってのが、これからの季節にはうれしい!
そして、フィリングのシチューは然ることながら、外側はカリカリ、中はふかふかなダンプリング生地が、なんとも言えず旨い!好みでパセリと共に、あるいはパセリの代わりに、タイムやローズマリー、セージといったハーブを使って生地を作っても美味しいです。
私は実は昔、このダンプリング生地のスエットクラストってのが嫌いだった。大好物のステーキ&キドニーパイをパブで注文し、スエットクラストのパイが登場すると、なんかすっごく損した気分で、タルトで作り直せ!と怒鳴らんばかり。(笑)
でも、長いことイギリスで暮らしている内に、食べ物の好みまでエゲレス化してしまって、イギリス人の大好きなスエットクラスト/ダンプリングが、今では私も大好きな英国料理の1つなんですよ。
ちなみに骨で取ったストックはたくさん余ります。それはコーンクリームスープにして食べると、格別に美味しいです。ローストチキンの最後の最後にあまった肉も加えると、コーンクリームチキンスープとなり味は更に倍増。
この2つは、私の留守中の旦那の食事のとなるコーンクリームチキンスープです。冷めたら冷凍して置いてあげようと思っています。
ローストチキンの残りの骨や肉がない場合は、生の鶏肉でレシピをアレンジし作ってみて下さい。面倒であれば、ハウスのクリームシチューを作り、スエットクラスト風生地で包んで焼いてみて下さい。実に美味しいです!
では、もう一発驚かせましょう。その600円の丸鶏を2日に渡り、しかも全く別の形のご馳走で食卓に登場させることが出来るのです!
2日目のご馳走はこれ。このパイはクリスマスの七面鳥が大量に余り困った時、必ず私が作るもの。今回はローストチキンの残りで作り2日目の食費を節約。なんと言っても、これまでなかった宅ローンの返済が家計に加わったので、気を引き締めておるのです。(汗)
スエットクラスト風チキンパイ
丸鶏や七面鳥を焼いた残りの骨でストックを取り、そのストックで煮た野菜と残りの肉でシチューを作り、それをグラタン皿などに詰め、上からパイで蓋をしてオーブンで焼いたお料理です。
このパイ生地、パイと言えどもスーパーで売っている冷凍のパイシートでもなければ、タルト生地でもありません。
これはスエットという獣脂(日本ではケンネ脂と呼ぶ)を粉に混ぜ込んで作った生地に似せたもので、イギリス版の水団・ダンプリングの生地に同じです。ダンプリングの生地はパイ生地にもなるのですよ!
ステーキ&キドニーパイ と言い、牛肉と牛の腎臓で作ったシチューを生地で包んで焼くパイなどにも、このスエットクラストをよく使います。
スエットクラスト風としたのは、残念ながらアメリカではスエットがなかなか手に入れ難く、バターを代用して生地を作っているからです。この国は肉、特に“牛”物の輸入には厳しいので、イギリス製のドライスエットはこのあたりでは手に入りません。
どんな生地かというと、火に当たる外側はカリカリのスコーンの様で、中はふかふかのマフィンの様な生地。だから、パンやじゃがいもをつけなくても、これ1つでお腹いっぱいになるボリューミナスパイです。
生地で包んで焼いたシチューは熱々で、冬にはもう最高の一品です!
<材料 2人分>
ローストチキンの残りの骨...1羽分
パセリ...1~2本
タイム...1本
ローズマリー...1本
ローレル...1葉
にんにく...1かけ
たまねぎ、食べやすい大きさに切る...1/2個
セロリ、1cm程度の幅に切る...1本
にんじん、皮を剥き1cm程度の幅に切る...細いもの1本
ねぎ(白い部分のみ)、小口切り...1本
塩ブラックペッパー...適宜
バター...10g
小麦粉...大さじ1
生クリーム...80~90ml
味の素...適宜
ローストチキンの残り、食べやすい大きさに割く...120~130g
(スエット風クラスト)
薄力粉...140g
ベーキングパウダー...小さじ1
塩...小さじ1/2
バター、1cm角に切り冷蔵庫で冷やしておく...40g
パセリのみじん切り...大さじ2~3
卵...1個
牛乳*...大さじ1
*オースパーポスフラワー(米)やプレーンフラワー(英)を使用の場合は、牛乳の量を小さじ1~2程度増やさないと、生地が少しドライなものになってしまいます。
<作り方>
1.鍋にローストチキンの残りの骨を入れたっぷりの水を張って火にかける。煮立ってきたら火を弱め蓋をし、30分~1時間しっかり炊き出す。
2.1を目の細かいざるで漉し骨や皮などを処分する。ストックは1~2時間、もしくは前日に準備し一晩冷蔵庫で冷やして、調理前に再度、キッチンペーパーで漉し余分な脂肪分を完全に取り除く。
3.100均の出汁袋に、パセリ、タイム、ローズマリー、ローレル、にんにくを入れ口をしっかり閉じる。
4.完全に脂抜きをしたストックを再び火にかけ、煮立ってきたら、たまねぎ、セロリ、にんじん、ねぎ、3を加え、塩ブラックペッパーで軽く味をつけて蓋をし、火を弱め1時間程度煮込む。
5.4をざるで漉し具とストックに分ける。具はしっかりと汁気を切っておく。
6.フライパンにバターを熱し小麦粉を加え泡だて器でよく混ぜ合わせる。5のストックをおたまに1杯ずつ3回に分けて(合計250ml程度)フライパンに注ぎ入れ、常時泡だて器でよくかき混ぜながら煮立てとろみをつける。
7.6にとろみがついたら生クリームを加え、塩ブラックペッパー、味の素で味を調え、5の野菜とローストチキンの残りの肉を加える。とろみが強すぎる様であればストックを足し緩める。(濃度はクリームシチュー程度が目安。)煮立ったら火からおろしグラタン皿などに2等分する。
8.スエットクラスト風生地を作る。小麦粉、ベーキングパウダー、塩をボウルに入れ、スプーンなどでよく混ぜ合わせる。冷蔵庫から出したてのバターを加え、指かペーストリーブレンダーで、そぼろ状になるまでバターを小麦粉によく擦り込む。
9.8にパセリを足し、卵と牛乳を合わせてよく溶いたものを加えひとまとめにする。シリコンシートなどの上に取り出し、生地を2つに分け、麺棒でグラタン皿がすっぽり覆える大きさに延ばす。(形は整っていない方がブリティッシュカントリー風で趣あり!笑)
10.グラタン皿の外側、生地を貼り付ける部分にオリーブオイルかバター(いずれも分量外)を塗り、生地を被せてしっかりと皿に押さえつける。200度で予熱を済ませたオーブンに入れ30分焼く。
そうして焼きあがったのがこれです!材料のところでも注意書きを添えましたが、オールパーポスやプレーンフラワーと言う中力粉に似た粉を使う場合は、薄力粉を使って作る時より、牛乳の量を少し増やさないと生地がパサつきます。
実は昨日、私はそれで失敗したのよ!
どっかなぁ...大丈夫かな...硬くてぼろぼろなんじゃないだろうか...?そんなことを心配しながら食卓に並べたのですが、幸い、中のシチューの蒸気で、ダンプリングのようにふっかふかに焼きあがっていてホッとしました。
猫舌の旦那はまずパイ蓋を取りはずし、シチューを冷ましてからじゃないと食べれない。(爆)
私は熱い物全然平気な人だから、やっぱり正統にパイ蓋の真ん中を割り、少しずつ、少しずつ生地を崩してはシチューにディップして食べました。
いずれの食べ方にしても実に美味しい!
鶏ガラで取ったスープにはコクがあり、ほのかに漂うタイムやローズマリー香りがなんともお洒落。野菜はトロトロで、そして何より、普通にシチューを食べるより最後の最後まで熱々をキープできるってのが、これからの季節にはうれしい!
そして、フィリングのシチューは然ることながら、外側はカリカリ、中はふかふかなダンプリング生地が、なんとも言えず旨い!好みでパセリと共に、あるいはパセリの代わりに、タイムやローズマリー、セージといったハーブを使って生地を作っても美味しいです。
私は実は昔、このダンプリング生地のスエットクラストってのが嫌いだった。大好物のステーキ&キドニーパイをパブで注文し、スエットクラストのパイが登場すると、なんかすっごく損した気分で、タルトで作り直せ!と怒鳴らんばかり。(笑)
でも、長いことイギリスで暮らしている内に、食べ物の好みまでエゲレス化してしまって、イギリス人の大好きなスエットクラスト/ダンプリングが、今では私も大好きな英国料理の1つなんですよ。
ちなみに骨で取ったストックはたくさん余ります。それはコーンクリームスープにして食べると、格別に美味しいです。ローストチキンの最後の最後にあまった肉も加えると、コーンクリームチキンスープとなり味は更に倍増。
この2つは、私の留守中の旦那の食事のとなるコーンクリームチキンスープです。冷めたら冷凍して置いてあげようと思っています。
ローストチキンの残りの骨や肉がない場合は、生の鶏肉でレシピをアレンジし作ってみて下さい。面倒であれば、ハウスのクリームシチューを作り、スエットクラスト風生地で包んで焼いてみて下さい。実に美味しいです!