うちは旦那も私もクリスチャンではありません。でも、年に一度のイースター(復活祭)がやってくるのを、私はプレゼントがもらえるクリスマスよりも楽しみに待っています。そしてこの日曜日が、私が心待ちにしていた今年のイースターです!


なぜか縁あり、ロンドン、シアトルと、寒くじとじと湿っぽい、真っ暗で長い冬を過ごさないといけない環境にばかり住む私は、春が来るのが待ち遠しくて仕方ない。そしてその私が、春の訪れを確実に実感するのがイースターの訪れ。だから心待ちにしているんです。


まだシアトルは4月21日(木)ですが日本は22日金曜日。イースター直前のこの金曜日をGood Friday(聖金曜日)と呼びます。キリスト様が十字架に架けられた日。グッドフライデーには、イギリスではこのパンを食べるのが昔からの風習です。


ホームベーカリーで作るホットクロスバンズ2011

和・美・Savvy Cooking

毎年去年よりもっと美味しくできないか試行錯誤し、レシピを訂正しながら焼いているホットクロスバンズの2011年版です!今年は受難の日にふさわしく、なんか色々問題続きで、100%満足する出来ではなかったけれど...


一年中、スーパーで見かけるイギリスではポピュラーなパン。日本で言うならば、フジパンの袋入りレーズンロールみたいなもん。でも、イースターの時季になると、日本の正月前の餅同様に、スーパーの店内所狭しとホットクロスバンズが並びます。


日本のレーズンパンとの違いは、シナモンなどのスパイスが効いていること。


私の推測でしかないけれど、甘いドライフルーツとピリっと辛いスパイスの組み合わせは、もちろんお互いの味を引き立たせる理由もあるでしょうが、人生の苦と楽を表現しているのではないかと思います。甘味は楽、そして辛味は苦。


このパン、強力粉を使って焼くと全然美味しく出来ないんです!


いや、正確には、強力粉を使って焼いたずしんと重みのあるパンの食感は、このパンには似合いません!


なにせ日本の菓子パンレベルのチープなレーズンパンですから、チープなものはチープな食感でないと、ホットクロスバンズとして私は満足できんのです。


私はこれまで強力粉でも焼いたし、強力粉と薄力粉を混ぜて焼いたこともあります。しかし、これぞテスコ!これぞセインズバリー!(どちらもイギリスの大手スーパーの名前)と言う味のホットクロスバンズが焼けたのは、薄力粉100%で焼いた時。


今年も本当は薄力粉100%で焼きたかった。でも、私がアメリカで使っている薄力粉は、日系のスーパーで買って来る輸入物の日清バイオレット。当然日本の価格より割高で、差し入れにその上等な粉を使うのはもったいなくて躊躇いました。


そこで、今年はオールパーポスと言う、アメリカで一般的に“小麦粉”として使われている、オールマイティーな中力粉で焼くことにしました。


では、ここからは今年のホットクロスバンズ製作記録です。その前に、薄力粉を使ってホームベーカリーで作るホットクロスバンズのレシピはこちら に記録してあります。


今年も私はこのレシピで焼きました。ただ1つだけ違いは、今アメリカで使っているパナソニックの機種が、少ないイーストでも驚くほど膨らんでくれる優れ物なので、イーストの量だけはこのリンク先のレシピの2割減にしました。


今週の旦那の会社への差し入れにするホットクロスバンズ。今朝8時過ぎから2回もHBを回しました。それでも社内の人数分に満たず、12個分の生地を15個に分けミニサイズのホットクロスバンズにして、やっと30人分を準備することが出来ました。


毎年なんか新しい試みを企てるんですが、今年は、去年の誕生日に旦那がプレゼントしてくれた、ベティー・クロッカーのホームベーカリー用レシピ本の中の写真を参考に、それに真似たものを作ることにしました。

和・美・Savvy Cooking

形成した生地を、日本のベーカリーでよく売っている砂糖をまぶしたレーズンパンの様に、はさみで中心に十字の切込みを入れてみました。濡れぶきんをかぶせ待つこと40分。ところが...

和・美・Savvy Cooking

二次発酵の時間は終了しても、生地が膨らまない!!!(滝汗)


使用したイーストは確かにかなり前に開封したもの。でも、それが古いから膨らまないってことはないと思う。数日前にコルネを焼いた時にも使ったけれど驚くほどよく膨らんだ。粉が悪いってこともない。これまでにも同じ中力粉を使いなんべんもパンを焼いた。


もしかしたら部屋の温度が少し低いのかも知れない...とりあえず、10分、15分と二次発酵の時間を延長。それでも明らかに膨張したって生地には膨らみませんでしたが、次の生地がつかえてきているので、一か八かでオーブンに投入。


焼きあがったバンズがこれです!心配していたけれど、ふっくらこんがり綺麗に焼きあがりました。

和・美・Savvy Cooking

これを冷まし、ホットクロスバンズには不可欠の“十字架”の模様をつけました。


以前は十字架を小麦粉、砂糖、水で溶いた生地で描き、オーブンで一緒に焼いていたんですが、その十字架の生地がはっきり言って超不味い!旦那なんか指で摘まんで十字架を取り除いて食べてましたから。(笑)


そこで、去年から私は十字架をシュガーペーストで描くようになりました。これだとバニラの香りがぷ~~んとし、レーズンパンとよく合うんです。しかし、またまた問題発生!


シュガーペーストをシアトルの100均で買ったビニール絞りだし袋に入れて絞ると、数秒後に袋が破れ、ペーストがサイドから飛び出してきました。


そこで、面倒だけど金属製のパイピング器を出してきて使うと、押した途端に潰れました!


なにもよりによって今日潰れんな、ボケッ!と、私は文句をたれながら、その潰れた器具を駆使して十字架をバンズの上に描いたのです。


その苦心の作がこれです!

和・美・Savvy Cooking

間違いなく私は明日、もしかして、乳がんかも知れん...と、1日気が狂うほど心配することでしょう。満身の力を込めて細い口金しかない絞り器を使ったので、脇の下が既に痛い!(涙)


以前は十字架を描いたバンズにシロップで表面に照りをつけていましたが、翌日になるとそのシロップが全部パン生地吸収され醜いバンズと化してしまうので、シロップは省略。


これで今年のバンズはおしまいではないんです!私は明日再度、今度は自宅用のホットクロスバンズを焼くつもりでした。


しかし、ふとそこで、“そうや、ルクエちゃんでもパンが作れるんやった...”と思い出し、2つ目の生地をHBで捏ねている間に、ルクエでちょっと遊んでみることに。自宅用のホットクロスバンズを試作しました。これです!

和・美・Savvy Cooking

ルクエ付属の説明書を参考に作ったんですが、説明書通りでは残念ながら発酵は不十分。でも、その辺は自分で上手くコントロールしながら発酵時間を延長したりすると、ルクエは和な主食の米だけじゃなく、洋な主食のパンでもばっちり活躍してくれる便利物です!


一次、二次発酵にレンジを使うので時短。心配だったから中力粉ではなく強力粉を使いましたが、これなら薄力粉を使ってもムクムク膨らむんでは...ってくらいに、時間をかけるとしっかりと膨らんでくれました。


そして、ルクエで焼きあげたバンズにもシュガーペーストでおめかしをし...


ルクエで作るミニ・ミニ・ホットクロスバンズ

和・美・Savvy Cooking

ルクエ付属の説明書にあるパンの作り方手順に従い、上のリンク先のホットクロスバンズのレシピの1/3を基本にちょっと手を加えて作りました。


粉は強力粉100%。スパイスはシナモン、ナツメグ、ドライジンジャー各小さじ1/4、また塩も小さじ1./4です。卵と砂糖は大さじ1で、ドライイーストは小さじ1。ちょっと水分が足りないので、捏ねる時手に水を2、3回つけました。


2回目に粉を加える時にスパイスと卵も加え、生地がほぼ出来上がった時点でカランツ40gを加え、全体に万遍なく捏ねただけの簡単なパンです。


まだこちらはグッドフライデーの金曜日ではないんですよ。なのに、夫婦で早速ルクエで作ったミニ・ミニ・ホットクロスバンズを1つずつ食べてみました。これが...


旨い!すんごく旨くて、ますますルクエファンになった私。


ちなみにイースターには海外では卵の形をしたチョコレートを、子供や友達などに上げます。写真に写っているチョコレートは旦那に命じられて買って来た、ホットクロスバンズと共に同僚達に上げるチョコレートの卵です。

各国料理(レシピ)へ