昨日のブログで予告しました通り、本日からブログの名前が新しくなりました。日本の美意識の1つ、“侘・寂”を捩った“和・美・Savvy”と言う名が、私にとっては最高のブログ名だったクッキングリッシュ同様に浸透することを願っております。


どうぞこれからもよろしくお願いいたします!


さて、ブログの名前が変わり第一号の記事。しかし、それが残り物と言うのは誠に面目ないんですけど、芋大国でご馳走と言えば肉のローストと茹でた野菜がお決まりの、イギリスならではの残り物の美味しいリメイク料理として、ご参考にしていただければと思います。


バブル&スクイーク

クッキングリッシュの会

バブル、日本語にすると泡のことですが、泡の立つ音・ブクブクと言う意味もあります。スクイーク、これはねずみがチューチュー、ドアがきしってキーキー音を立てると言う意味のある単語です。これはブクブク&チューチューと名づけられたなんとも変な名前の料理です。


さて、何がブクブク、チューチュー音を立てているのかと言うと、それはこれです。残り物のマッシュポテトと茹できゃべつなんです。

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旦那に言わせると、日本の米に相当するものはイギリスではパンだそうですが、それは芋大国の芋オヤジと私に呼ばれるのが悔しいからそう言っているとしか私には思えません。やっぱイギリスの主食はじゃがいもです!


私の母でもそうですが、人が大勢集まって食事をするとなると、昔の人って、ご飯が足りなくなると恥をかくといい、どう考えてもこの人数ではこれだけの飯は食えんやろう!と思うほどの量の米を炊飯器にセットしますが、昔のイギリスのお母さん達もやっぱ同じだったんです。


週に一度、家族全員が集まってするサンデーミール。主食のじゃがいもが足りなくなって子供達をお腹一杯にして上げられなかったら困ると、絶対にこれだけのマッシュポテトはこの人数では食えない!っちゅう量のじゃがいもを準備したんです。


ちなみにイギリスは結構子沢山なんですよ。子供一人に対しいくらと国から手当てがもらえる国なんで、その手当てを目当てに、貧乏人の子沢山で4~5人、またはそれ以上子供がいるって言う家庭が、現在でも結構多かったりします。


その大家族全員を満腹にする量の肉と言うと、当然かなりお金がかかります!でも、日本の1/4~1/5と言う安価ののじゃがいもは腹にドンとたまるから、大家族にとっては少ない肉を補うのにもってこいの野菜なんです。


そして、じゃがいもに加えもう1つ安くて、でかくて、1個買えば4~5人分は確実にある野菜となると、きゃべつしかございません!


イギリスのきゃべつってのはかっちかちの塊で、包丁で割るのにかぼちゃかきゃべつかって堅さ比べが出来るほど堅いんです!葉と葉がしっかりくっつきあって詰まったきゃべつは、同じ1個でも日本のキャベツの葉の量の倍はあるでしょう!


そのきゃべつをイギリス人はぐちゅぐちゅになるまでひたすら茹でて食べます!ぐちゅぐちゅに茹でたきゃべつなんて美味しいの?って思うでしょう。もち、不味いです!(爆)でも、だから旨いグレービーソースを作ってたっぷりかけて食べるんですよ!


しかし、そんな母の心づくしとは裏腹に、マッシュポテトとぐちゅぐちゅきゃべつは大量に残ってしまいました!現在のイギリス人の母は安いじゃがいもときゃべつを容赦なく捨ててしまいますが、昔の母はリメイクを考えました。


そうして生まれたのが、このブクブク&チューチューと言う、なんともへんちくりんな名前のついた料理なんです。


実は私、金曜日の夜、料理で大失敗をこき食べれなくなってしまい、急遽、旦那に近所のタイ料理のレストランに食べに連れて行ってもらったんです。


そうそう土曜日旦那の体調が悪かったのは、そのレストランの料理がアメリカには珍しく美味しくて食いすぎ、翌日胃もたれで一日苦しむ羽目となったんです。私が同情し雑炊を作って上げたのは、胃もたれの発端が私の料理の失敗だったからなんです。(深謝)


金曜の料理の付け合せに準備したマッシュポテトが大量に残ってしまいした。英国人の旦那はやっぱ芋にはこだわりがあり、温めなおしたマッシュをあまり好みません。そこで、1/4ほど残っていたキャベツと共に、バブル&スクイークを作ることにしたんです。


バブル&スクイークはアメリカのハッシュの英国版と言った料理です。残り物のマッシュやきゃべつのリメイク料理としてだけではなく、もちろんゼロから作ってオーケーで、目玉焼きやベーコン、ソーセージの焼いたものとよく合うとても美味しい料理なんです!


昨日はホールフーズと言うオーガニック物ばかりを売ったスーパーで、このアイリッシュ生ソーセージを買って来て、これと目玉焼きを焼きブクブク&チューチューに添えることにしました。

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<材料 2~3人分>

10分程度しっかり茹でて水切りしたきゃべつ...1/4個分程度
マッシュポテト...調理前のじゃがいもの目方が500g前後
塩こしょう...適宜
味の素...適宜(お好みで)
ラード、またはバター、サラダ油など...適宜
たまねぎ、粗みじん切り...1/2個分


<作り方>

1.茹できゃべつを包丁で細かく切り刻む。

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2.ボウルにマッシュポテトを入れ、1のきゃべつを加え塩こしょう、味の素で味を調える。

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きゃべつの水分とたまねぎを炒めた油を考慮し、
マッシュポテトは牛乳を入れ過ぎず、少しドライな感じの方が調理しやすいです。


3.フライパンにラード(もしくはバターかサラダ油)を多めに熱し、焦げ目がつくほどたまねぎをしっかりと炒める。

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ここでたまねぎを10分くらい、油で揚げるようにしてしっかり炒めておくと、
出来上がったバブル&スクイークが芳ばしくなり美味しい!


4.3に2を加え、木べらでたまねぎと茹できゃべつの入ったじゃがいもをよく混ぜ合わせる。

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5.4を木べらの背で平らにし、火加減に注意しながら10~15分、お好み焼きを焼くようにして焼く。

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5分もしたらブクブク、チューチューと音を立て始めます。
この料理の名前はこの時の焼く音から名づけられたそうです。


6.5の上下を返し、もう一方の面も同様に10分程度焼く。(私は不器用なのでフライパン2枚使用。大きなバブル&スクイークを上手にひっくり返す自信がなければ、炒めたたまねぎをじゃがいもときゃべつに加え、コロッケのように形成して焼いても良いです。)


こんがり美味しそうに焼き色のついたじゃがいもをお皿にたっぷり盛り、焼きたてのソーセージと目玉焼きを添えました。私がフライパン2枚使ってしまったので、卵は旦那がオムレツ用の小さいフライパンで、これまたたっぷりのラードを熱しサニーサイドアップに焼いてくれました!

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この手の古いイギリス料理はベーコンを焼いた後の脂かラードと決まっています!
キンキンに熱したラードをスプーンでかけながら焼いた目玉焼きを一度食べると、
すんまへん!日本式に水を加えて蒸し焼きした目玉焼きなど、もう二度と食えまへん!(爆)

私が金曜日に作ろうとして失敗した料理は、ソーセージと一緒に焼くヨークシャプディング・トウド・イン・ザ・ホール と言う料理だったんです。ところが底の広い皿が無くて、生地が分厚すぎ膨らまなかったんです。(苦笑)


トウド・イン・ザ・ホール用にオニオングレービーも作ってあったのですが、それも昨日まで持ち越し、バブル&スクイークにかけて食べることにしました。


ところで、私近所のキッチンショップのクリアランスセールで、グレービーウォーマーなるものを見つけ買ってしまいました。

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電気でグレービーが冷めないように保温してくれるものなんですが、これ、最高です!


毎回ローストミールを作ると、2回目に追加でかけるグレービーは冷めてしまっているんですが、この保温機で温めておいたグレービーは、料理を食べ終わっても残りはまだ熱々でした!


ちなみにアメリカにお住まいの皆様、私これをBed Bath & Beyondで、定価19ドル99セントのを14ドル99セントで買いました。お近くのBed Bath & Beyondのクリアランスセールで探してみてください。山積みなっていたのできっとどの支店でも売っているはず。お勧め品です!


シンプルなマッシュポテトと違い、きゃべつの甘味とたまねぎの芳ばしさが混ざったバブル&スクイークは、実に、旨い!これが残り物のリメイクから生まれた料理なんて、本当、信じられません!

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熱々のブクブク&チューチューをソーセージと共に、たっぷりのオニオングレービーとオーガニックな卵の黄身を絡ませて食べる、まさに至福のときです!

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