只今家を買いたくて手ごろな物件を探している我が家。先週末はあんまり気に入った物件情報がなく、土曜日は久しぶりに家探しはお休みし、シアトルの日系スーパーまで買い物に行きました。


このスーパー、ウワジマヤというのですが、シアトルの他にももう2ヶ所店舗があり、私はその2軒の内の1つにいつも通っています。しかし、生鮮食品の品数はやっぱりシアトルの店は断然豊富。


シアトルの店に行くと中華街のそばってこともあり、ちょっと風変わりな肉も含め、いろんな種類の肉が取り揃えてあります。私はだからそこへ行くと、他では品数が少なかったり冷凍でしか買えないものを、新鮮な生肉で買ってくるんです。


ローストダック・チェリーソース添え2011

クッキングリッシュの会

2011と付けたのは、この前のミネストローネ同様に以前にブログで紹介したことがあるからです。この料理は一昨年まだ日本に住んでいた頃、旦那の誕生日に冷凍のものを1羽買ってしこしこローストしました。


家探しを理由に全くサンデーローストをしなくなってしまった我が家。この週末は旦那がラムを焼こうやと言い出したので、その予定をしていました。ところが、ウワジマヤでダック、しかも冷凍じゃない生ダックを見つけたら、もうあきません!旦那も私もダックが大好きなんです!


これがラムに代わってローストされたダックの丸鳥です。ジブレッツ込み2.6キロで日本円にして1600円くらい。アメリカの一般の肉の値段と比べると、ダックの1600円は決して安くはないけれど、日本で買った冷凍ものより大きいのに半額と言うと嬉しい!

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ダックやグースって言うのは恐ろしいほど脂がのっています。それをうまく利用してカリカリに芳ばしく焼きます。


まずはダックの腹にブスブスとフォークで何箇所も穴を開け、たっぷりの塩こしょうをし両手で擦りこむようにして下準備しました。この塩の量は、そんなにかけたら辛ろうて食えまへんやろう?って思うほどしこたまかけます。

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ダックの後ろに写っているのが、ジブレッツと呼ぶ臓物です。
心臓、腎臓、肝臓、それに首です。


脂ののっているダックは焼き始めるとその脂が大量に出てきます。底の浅いオーブン皿なんかに載せて焼こうものなら、オーブンの中は大変なことになり、調理の後、脂掃除に一苦労します。


だから、昨日も私はダッチオーブンにダックを入れ、出来るだけ脂が外に飛ばないようにして焼きました。昔、肉をローストした経験が浅かった頃、私この脂っこいダックにバターべたべた塗って焼いてたんですよね。今考えるとその頃の自分の無知さが怖い!


皮付きの豚の肉の塊同様に、まず高温で皮をからっと焼き、その後温度を下げ目方に応じた時間だけじっくりと焼きます。この大きさだとたっぷり2時間半以上かかるので、その間にソースやつけ合わせの野菜の準備。


今回のダックはジブレッツ付きでした。けど、久しくダックなんか料理していないので、グレービーソースの作り方をうっかり忘れ、先にジブレッツだけ炊き出してストックを取ってしまいました。後から慌ててこしたスープにブーケガルニをいれ香りつけ。

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チキンストック、塩こしょう、ブランディーで味付けし、最後に水溶き小麦粉でとろみをつけます。コーンスターチや片栗粉でも良いんですが、小麦粉を使うのは私のこだわり。(笑)


もう1つ、今回もダックにはチェリーソースをつけました。実は今回レシピ本でプラムソースってのを発見し、それを添えて食べてみたかったのですが、プラムが売っておらずチェリーで妥協しました。

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このチェリーは水漬けの缶詰もの。(缶の水は処分)シロップに漬かったものと違い甘味がないので、ブラウンシュガーを大さじ2~3加えました。赤いのはワインです。15分くらいことこと煮て、こちらは水溶きのくず粉でとろみをつけました。


そうこうしている内にダックちゃんが焼きあがりオーブンから出てまいりました!もう1時間くらい前から家中に芳ばしい香りをばらまいてくれちゃって、早く食いとうて待ちきれない旦那と私!(爆)

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鍋の底にたまった脂をご覧下さい。半端やおまへん!この脂を取って置いて、これでローストポテトを作ったら、この世で一番旨いじゃがいも料理ってのは知っているんですが、何分口ばかりでダイエットが実行できない中年太り二人。ここは断念し処分しました。(涙)


この後ダックちゃんはアルミフォイルをかぶせられ、20分ほど休憩を取りました。


ダックを蒸らしている間につけ合わせの野菜の準備。じゃがいもはサラダ油でローストし、ブロッコリーはさっと茹でました。そしてもう1品、こちらは旦那リクエストのキャラメライズドオニオンです。

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小たまねぎの飴煮とでも訳せばよいのでしょうか。バターで炒めた小たまねぎに砂糖と赤ワイン少々を加え、飴状になりだしたらストックを少々加え5分ほど蒸し煮にします。水分が減ってきたら蓋を取り後は煮絡めるだけ。


これは最高に美味しい!マーサスチュワートがバルザミックビネガーと砂糖で同じ様なものをテレビで作っていたので、マーサ大ファンの私は彼女のレシピで作ろうと思ったのですが、今日の料理の付け合せには酢は使うなと忠告した旦那が正解!


いよいよ料理とソースが全部食卓に並びました。前回鳥の丸焼きを食べたのは、一体いつだろう...?イギリス時代は毎週の様に焼いて完全に飽き、ごちそうでもなんでもなくなってしまった鳥の丸焼きが、夕べは最高のご馳走に見えました!

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ローストした肉をカービングするのは毎回旦那の役目。夕べも私が食卓を整えている間に、包丁を磨いて今か今かと準備をしていました。私だけでしょうか、この下の写真、なんとなくおしめを取り替えている姿を連想してしまうのは...?(笑)

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ちょっと酸っぱすぎ?ってくらいにシャープに仕上げたチェリーソースが、こってりしたダックにめちぇめちゃ合いました。グレービーはちょっとしょっぱかったかな...と心配だったのですが、これもバッチリの味加減。


ここのところじゃがいもに縁がなく、いつ買っても料理したら芯が残って不満足だったのですが、夕べのは外はカリカリ、中はホクホクでほんのこつ旨かったです。


そして野菜。ブロッコリーは同じくウワジマヤで買ったものですが、堅すぎもせず、茹で過ぎでもなく丁度良い。キャラメライズドオニオンも甘くて最高!至福の時とは夕べの晩御飯の様な時なのでは...


うち、今、ディッシュウォッシャーが壊れているんです。部品待ちなのですが、それがまだ来なくて使えません。で、食後、おなかいっぱいでうとうとしてしまった私の代わりに、旦那が全部手洗いで後片付けを済ませてくれました。


私の昔の彼ってのは、私がこうしてと頼んでも、絶対に従わず自分のやり方が一番正しいと信じている人だったので、洗ってもらうと後また洗いなおさないといけなかったのですが、旦那は普段の私をちゃんと観察し、私のやり方で完璧に片付けてくれるのでありがたい。


ありがとうございやした!そのお礼に、今晩は残りのダックの肉で、北京ダック風のシュンピン包みを食べさせて上げませう!(笑)


ちなみに、ローストダックの詳しい焼き方やソースの作り方などは、こちらの記事 にまとめています。アメリカと違いダックは日本ではちょっと高価過ぎますが、丸鶏や、鶏のももや胸肉などでこのソースお試しを。美味しいですよ!

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