昨日は私、殺人的に忙しくてブログどころか、オンラインになる時間さえありませんでした。午前11時半からあるものを作り出し、出来上がってホッとし時計を見ると7時半。なんと8時間もそのあるもの作りに身を投じていたのです。


私が昨日8時間もかけて作ったものとは、日本ではきっとお菓子のお家を作るレーブクーヘンの名で有名な、これです!


ジンジャーブレッド

クッキングリッシュの会

ジンジャーブレッドとは、蜂蜜やモラーセス、生姜やスパイスを加えて練った生地で焼いた、ビスケットと言うよりはケーキのようにしっとりした生地のお菓子です。


海外ではクリスマスの時季になると、これを焼いて食べるというよりは、ツリーの飾りに焼く人が多いお菓子です。


まだイギリスに住んでいた頃、私は何も知らずにこのジンジャーブレッドを焼き、往生したことがあります。もう二度とこんなもん作るものかとその時ほとほと懲りました。


その理由は、ジンジャーブレッドの生地というのは柔らかく、ちょっと油断するとボロボロになり、兎に角扱い難い生地だったからです。10枚位型抜きするのに、それこそ30枚近く型抜きしボロボロになりを繰り返しましたから。


それなのに去年のこの時季、クッキングリッシュの会のみんなに、海外のクリスマスがどういうものか味あわせて上げたくて、また性懲りもなく、これで絶対に最後にするつもりで、その扱い難い生地と格闘し再びジンジャーブレッドを焼いたのです。


その時の記事はこちらのリンク から飛べます。その記事には使った材料と作り方も詳しく記しています。


今年、悲しいことが2つもあった我が家はクリスマスを祝う気分ではなく、例年ならイギリスのしきたりで12月の第一土曜日には大きなツリーを飾るところを、今年はそれも飾らず、クリスマスカードも誰にも出さないことにしました。


けど、それは我が家の事情。ここアメリカでは今クリスマスムードが高まっています。


そんなクリスマスムードの旦那の同僚達を、さらに盛り上げてあげようかと思い、今週の差し入れに、私はまたまた今年も去年に引き続き重い腰を上げ、ジンジャーブレッドに挑戦することにしたのです。


ジンジャーブレッドと言えばその名の通り、たっぷりのジンジャー(生姜)を加えます。またイギリスでは、蜂蜜の代わりにゴールデンシロップという糖みつを使って作るレシピもよく見かけます。

クッキングリッシュの会

モラーセスと同じ糖みつですが、ゴールデンシロップは透明で、味は蜂蜜にとてもよく似ています。

クッキングリッシュの会

アメリカでは殆ど売っているところがありません。そりゃあこんなものがアメリカの市場に出回ったら、政府が援助しているコーン農家が、コーンシロップが売れなくなるって騒ぎ出し、国を相手に騒動を起こすでしょう。(笑)


日本では売っているのを全く見かけたことがありません。それで去年は蜂蜜を代用して焼いたんですが、今年はうちの目の前にある、イギリス&アイルランドものばかり売った“英国万屋”でこれをみつけたので、英国レシピなジンジャーブレッドにしてみました。


ビスケットと違い、粉には少量のベーキングパウダーと重曹を加えます。そしてジンジャーが味の決め手ですからたっぷりと加えます。生の生姜を擦って加える人も居ますが、私はジンジャーパウダーを使います。

クッキングリッシュの会

ベーキングパウダーや重曹が一箇所に固まっていたら、その部分に大きな穴が空いてしまうので、粉類をあわせてスプーンでよく混ぜ合わせておきます。昨日はレシピの3倍の粉を使ったので、面倒でしたが一度粉類をふるいにかけました。


鍋にバター、ゴールデンシロップ(または蜂蜜)、ブラウンシュガーを入れ弱火にかけます。

クッキングリッシュの会

バターと砂糖が完全に溶けたら火からおろし2~3分冷まします。ちなみにこの液体をなめると、味はまるでコーニッシュファッジです。甘いものが好きな人は、このままこれをアイスクリームにでもかけて食べたい旨さです!

クッキングリッシュの会

粉に溶かし合わせた液体を加え木べらで混ぜ合わせます。私が苦手と言うのはこんな生地だからです。粉と液体が混ぜ合わさっても、この通り、クリームの様にとろ~~りとしているんです!

クッキングリッシュの会

このままでは到底延ばすことは出来ないので、ラップをかけて冷蔵庫に入れ1時間近く冷やします。


冷蔵庫で冷やすと、この通りとりあえず生地は1つにまとまりますが、一見しっとり滑らかそうに見えて、実はこれがなかなか手ごわい生地なのです。やり方を間違えるとボロボロで型抜きが非常にし難い。

クッキングリッシュの会

私が失敗から得た上手に作るコツを4つお教えします。


まず1つ目は最近では日本でも見かけるシリコンのシートを使うこと。シリコンシートを使う利点は、生地を型抜きした後、シートを持ち上げシールの裏面をはがすようにしてはがすことが出来るからです。


2つ目はくっつかないはずのシリコンシートでも、やっぱり打ち粉はしっかりと打っておくこと。3つ目は生地を一度に延ばさず野球の硬球程度に分けて延ばすこと。


そして4つ目のコツは、麺棒で延ばす前に、表面にバターの脂分が浮きしっとりなめらかになるまで生地を手でもむことです。


特に型抜きして残った生地を再びまとめなおし延ばす時には、絶対に生地をしっかりもんでおかないと、次に延ばした生地はボロボロで型抜きしても破れてしまいます。


まず悪戦苦闘の末、どうにか第一陣の型抜きが終了しました。予熱の済んだオーブンに入れま~す!ホッ。

クッキングリッシュの会

10分後、焼きあがりました!ベーキングパウダーや重曹が入っているので、トレーに載せる時にあまり近づきすぎていると、焼きあがった時にくっついて出てきてしまいます。また焼きたてはもろいので丁寧に扱います。

クッキングリッシュの会

私はこの後も残った生地をもみなおしては延ばし、型で抜いては焼くを、なんと3時間近く続けたのでした。(滝汗)


焼きあがったジンジャーブレッドが完全に冷めたら、アイシングを施して、ジンジャーブレッドマン/ジンジャーブレッドピープルに仕上げて行きます。


卵の白身、レモン汁、粉砂糖でロイヤルアイシングを作ります。白身だけ使うレシピって、黄身の使い道に困るので私は嫌い。昨日はたまたまその黄身でタルト生地を作ることを思いつき、まずはタルトの生地を作ってからアイシングを作りました。


白身を角が立つまで泡立てレモン汁を加えます。粉砂糖を目の粗いざるでよいので篩いながら徐々に白身に加え混ぜ合わせます。


クッキングリッシュの会

アイシングが出来たら着色料の数だけ小分けしてカラリングします。クッキングペーパーで作ったアイシングバッグに適当な量を入れます。入れ過ぎると上から出てきてしまうので要注意。バッグは余分に作っておくと、破れた時などに即役立って便利。

クッキングリッシュの会

シュガークラフトの教室にほんの短い間ですが通っていた時、先生が、残ったアイシングは空気に当たらないようにラップをきちっとし、バッグの先は濡れた布巾をかぶせておくと、乾燥を防げるんだとご教示下さったことを思い出し実行。


さて、ではいよいよアイシングでジンジャーブレッドマン作り、いや、マンだけじゃなく男もいれば女もいるし、若いのもいればおじいちゃんも、天使も、どう見てもおじぃにしか見えないテディーもいるので、やっぱジンジャーピープルとよびませう。(爆)

クッキングリッシュの会

ちなみに上の写真の一番右端に見える丸のは、最後に残った生地で焼いた私の味見用です。


ゴールデンシロップというのは水あめよりこくがあり、モラーセスほどしつこくなく、コーンシロップの様な安っぽい甘味でもない、実にまろやかなシロップなのです。


メープルシロップ同様にしてパンケーキなどにかけて食べても良いし、こうしてお料理にも使えるイギリス伝統のシロップです。そのシロップで焼いたジンジャーブレッドの味は、やっぱ蜂蜜とは違うまろやかさがありました。


約3時間、ひたすら下を向いて描き続けたピープル達!

クッキングリッシュの会

初めは結構丁寧にアイシングバッグを絞っていたのですが、2時間も経つとほとほと疲れ、飽き飽きしてきて、もうどうでもよくて完全開き直りのお絵かきになってしまいました。

クッキングリッシュの会

6時頃、そのストレスにたまりかねてビールを開けて飲みながらの作業に。そうなると余計にピープル達はぶっさいくな人とも動物とも定かではないものになってしまったのです。(苦笑)


トータルで85枚ありました。内1枚は、会社から帰ってくるなり旦那のお腹の中へ。そして今朝、60枚近いジンジャーブレッドピープルを持って旦那は出社しました。


受付の女性への手作りのプレゼントも、このぶっさいくなジンジャーブレッドピープルを差し上げることに。(笑)

クッキングリッシュの会

残りのジンジャーブレッドピープルは、今住んでいるアパートメントの管理室の皆さんに差し上げました。


今年はうち、クリスマスカードを送らないことにしたの。色々あったんでねぇ~。これはカード代わりのご挨拶。メリークリスマス!


そう言って差し上げました。

各国料理(レシピ)へ