以前、ハンバーグの代わりにチキンコルドンブルー をはさんだバーガーを紹介したことがありましたが、夕べはあのコルドンブルーに似た料理を作ってみました。


チキンキエブ

クッキングリッシュの会

ウクライナの首都・キエフ風チキンと名の付いたお料理。日本語的にはチキンキエフと呼ぶべきなのかも知れないけれど、英語ではKievと綴りみなキエヴと濁って発音するため、それに慣れている私は敢えて訂正せずキエブと呼びます。


これは私が渡英し真っ先に知ってとても気に入った新しいお料理でした。当時は自分で作ったて食べていたのではなく、専ら容器のままオーブンに入れ20~30分焼けば出来上がりのチルドもののキエブでした。


チルド物といえ生肉を使っているため賞味期限は短い。今日明日でそれが終わると言うパッケージは、20~30%オフ、時には半額になったりするので、底なし貧乏だった私は、その賞味期限切れかけの割引物を狙っては買って晩御飯にしていたのです。


にんにくとレモン汁を練りこんだバターをチキンで包み、それにパン粉をつけて揚げたチキンカツがキエブです。ナイフを入れると中からは溶けたバターとにんにくの香りが一気に飛び出します。


初めて食べた時、こんな美味しいものがイギリスのレディーメイドフードにはあるなんて...と感動しました。がしかし、週に多い時は3回くらい食べていたら、その内キエブと聞いただけで胸焼けするほど、見たくもない一品と化していったのです。(爆)


旦那もやっぱり貧乏だった時代に、私と似たような経験をキエブには味わったみたいで、これまたキエブと聞いただけで食欲が一気に失せる方でした。(爆)


しかしそれは出来合い物の話。自宅で作ったら美味しいかも知れないで、一度試しに作ってみたことがあります。したら、思ったとおり出来合いとは雲泥の差で、美味しいのなんのって!


残念ながら美味しい分、普通のチキンカツより手間と時間がかかるので、我が家では年に1度くらいしか作りませんが、たまに夫婦して底なし貧乏だった時代が懐かしくなると、しこしことキエブ作りに私は励むのです。


ところで、この前からスーパーに行くたび気になっていた色とりどりの新じゃがのアソートパックを、昨日ようやく買ってみました。これで英国風ポテトサラダをしたらきっと美味しいだろうなと思って。

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皮は面倒だから剥くつもりはなかったのですが、茹で上げてから、一手間が料理を美味しくするんだと思い直し、ちまちま1つずつ皮を剥いたのです。紫色のは日本で見かける紫芋かと思ったけれど、味はやっぱりじゃがいもの味でした。

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そしてもう1つはブロッコリーニ。これは地元のスーパーではなく、日本の食品を売ったスーパーウワジマ屋で見つけて買いました。

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オリーブオイルを熱したフライパンでブロッコリーニを蒸し焼きにし、最後に酒としょうゆをさっとまわして更に1分蒸し焼きするととっても美味しいんです。イギリス時代から我が家の大好物。


けど、日本で改良された野菜と言うのに、日本では殆ど見かけたことがなく、こっちに来て久々に見かけキエブの付け合せにしました。


<材料 2人分>

バター、室温で柔らかくする...40g
にんにく、みじん切り...1かけ
パセリの葉、みじん切り...大さじ1
レモン汁...小さじ1
鶏胸肉(小さめのもの)...2枚
小麦粉、塩こしょうする...適宜
牛乳...大さじ1
卵...1個
パン粉(目の細かいもの)...適宜
サラダ油...適宜


<作り方>

1.バター、にんにく、パセリの葉、レモン汁を合わせる。アルミホイルに移し、約2cmx6xmの長方形に形成し、そのまま包んで冷蔵庫で30分以上冷やし固める。

2.鶏の胸肉は厚みのちょうど中心から横に包丁を入れて開き、1/2の厚さ2倍の面積にする。(全部切り取ってしまわないように注意。)

3.2の鶏肉の上に1で固めたバターの半量を載せ、まず手前を内側に折り、次に左右を折り込んで、前方にくるくると巻いてバターをしっかりと包み込む。巻き終わりを爪楊枝でとめる。冷蔵庫で30分~1時間冷やす。

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写真がぼけていますが、今回私は1枚だけ残っていた胸肉を2枚にして使ったため、
包む面積が小さすぎて、無理やりバターを包み爪楊枝で止めまくりました。(汗)
こんな無茶なことをしても、バターは飛び出すことなくちゃんと作れます!


4.3に塩こしょうした小麦粉、牛乳を加えよく溶いたとき卵を順につけ、全体にパン粉をしっかりまぶす。皿に載せ、アルミホイルでしっかり包んで、そのまま冷蔵庫で1時間冷やす。(ここで残った卵液とパン粉を処分しないように注意。

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PANKOと名の付いたパン粉。
本当にこのパン粉あの日本のキッコーマン製?
と疑いたくなるような不思議なパッケージです。(笑)

5.4を冷蔵庫から取り出し、再び卵液に通してパン粉をしっかりまぶす。

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6.フライパンに分厚く引いたサラダ油(約5mm程度)を熱し、2度パン粉をまぶしたキエブを全体にこんがり焼き目が付くまで焼く。焼きあがったらサーブする前に爪楊枝を抜くのをお忘れなく!

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小さいの2切れは、前日残ったチキン。
私の今日のお昼ご飯用だったのに、旦那に1枚食われてしまった!(怒)


焼きあがったキエブはこんな感じ。なんともつまらないただのチキンカツの様ですが、これが2つに割ってみると...

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チキンカツの“Jack in the Box”。ジュワッと中から飛び出す溶けたバターとにんにくのよい香りは、初めてイギリスでキエブを食べた時、私にとってはまじびっくり箱でした!(それで喜んで食べ過ぎて一時嫌いだったんだけれど...汗)

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ブロッコリーニも鮮やかな色に仕上がりました。まだちょっと硬いようなのが旦那も私も好きなので、下茹ではせずそのまま一気に炒めてしまいます。

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そして夕べはこの色とりどりの英国風ポテトサラダが断然食卓を豪華にしてくれました!

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どの色のじゃがいもも水っぽくなくフラワリーで、残りは今しがた私のランチとしておなかの中に消えて行きました。(笑)

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