「お支払いはリボ払いがご利用いただけます」
オンラインショップでよく見かける「~がご利用いただけます」の表現を考えてみましょう。
「ご利用いただく」の場合の主語は本来「オンラインショップ」です。
つまり、謙譲語の表現で考えると、そもそもは「お読みいただく」「お越しいただく」などと同じ語法だと言えます。→ 謙譲語I
この「ご利用いただく」を可能のかたちにしたのが「ご利用いただける」です。
「お支払いについて、弊店はお客様にリボ払いをご利用いただけます」という言い方が文法上は正しいのです。しかし、何ともまだるっこしく、かえって分かりにくい印象を受けますね。
なぜなら、こうした「お支払いについて」のような文章は、お客様を中心に置いた書き方をするのが普通なので、文法上正しい書き方をしても違和感が出てくるのです。
お客様を主語にした書き方で正しい表現を心がけるなら「お支払いについては、リボ払いをご利用になれます」がいいでしょう。
ただこの場合は、「リボ払いができる」という事実に敬意をプラスしただけです。
「ご~いただく」が感じさせる「お客様の行為により弊店は恩恵をいただいている」という感謝の気持が薄まった印象がするために「リボ払いがご利用いただけます」という言い方が定着してしまったのでしょう。
多くの方が違和感を持たない表現ではありますが、厳密に言えば間違いであることは覚えておくといいでしょう。
───ポイント
☆「お支払いはリボ払いがご利用いただけます」「お客様はこのサービスをご利用いただけます」「お支払いは銀行振込がご利用いただけます」などの「ご~いただけます」は、本来「弊店は(弊社は)」が主語であり、文法上では誤法。
ただし「恩恵を受けている」という気持を表現できるために、ほとんどのウェブサイトで多用されています。
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