本日は幹事のお役目、お世話様でございます | ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」でいこう

ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」でいこう

プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。

「本日は幹事のお役目、お世話様でございます」

宴会の予約を受けた店が、幹事が到着した場合にこの表現を使ってもいいでしょうか。

答えは、×(バツ)です。

広辞苑によれば
お世話様=自分のために尽力してくれた人にねぎらいや感謝の意を表して言う言葉
とあります。

つまり、その会のなかで幹事よりも目上の人が幹事に対して
「会社のために幹事をしてくれてありがとう」というような意味で「本日はお世話様」と使うのは正しいでしょう。
タクシーに乗って降りる時も「お世話様」と言います。

上品できれいな感じがするのでついつい使ってしまうのですが、サービスする側がされる側に対して言う時や、得意先の招待を受けて行く時などに使うのは間違いです。
同僚の立場は少し微妙です。幹事との関係の度合いによるでしょう。
もちろん幹事の部下が幹事に対して言う場合は使いません。

「お世話になります」と「お世話様でございます」は、似ているようで違うのです。

それでは、冒頭の表現はどう言えばいいでしょうか。
お店から幹事へ「お世話になります」「お疲れさまです」もあまりしっくりきません。

サービスする側から考えれば、幹事の労をねぎらうことは、会の参加者に任せて
「本日は弊店をご利用いただき誠にありがとうございます」と言うほうがいいのではないでしょうか。

言われた幹事は、会の代表者として扱われたことで満足でき、お店からの感謝を十分感じることでしょう。

──────ポイント

☆「本日は幹事のお役目、お世話様でございます」は、会の参加者で幹事より目上の人が、幹事に対して言うのは正しいのですが、お店から言うのには適していません。
それよりも感謝の言葉をつたえる言い換えを考えるほうがいいでしょう。


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