今年も桜の季節を迎えています。
すでに満開を過ぎた桜が、風に吹かれると、煙る様に、花びらを一斉に散らせていきます。
今朝は、そんな、咲き誇った桜の枝を放れて、はらはらと散りゆく無数の桜の花びらが震災で亡くなった多くの日本人の仲間たちに想えてきて、涙が込みあげ、しばらく何も見なくなってしまいました。
桜は、日本人の繊細で、豊かな情緒そのもののような花です。
花見を自粛しようという声もあるようですが、一年の中のこの時期に自らの生命そのものを現すかのように一斉に花開かせ、瞬く間に潔く散ってゆく桜の開花を、心待ちにしてきた人々がたくさんいらっしゃると思います。
そんな今年の桜を見ることなく震災で旅立っていった人々の中にもきっと心待ちにしていた方が数多くいらっしゃったことでしょう。
そうした人々の分まで、”今年の桜”をしっかりと瞳に焼きつけ、心から愛でたい、そう私は思います。
運河にただよう無数の桜の花びらは、まるで夏の夜空の天の川のようでした。
ことは