アイリスの香水とギルバートの片恋とプロシュートのリングイネ | COCOのおいしい話

COCOのおいしい話

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*Linguine with Prosciutto & Mushroom Cream Sauce*

COCOのおいしい話-プロシュートのクリームパスタ


昨日ブラリと入ったブルーミング・デールズで、プラダの香水が目に留まりました。ごく淡い緑色の液体が入ったシンプルなびん。手に取ってみると「INFUSION D'IRIS」、「あやめの抽出液」(ってミもフタもない訳ですね…)とあります。

ふたをとってちょっとかいでみると、花の香りが最初に。グリーンのボトルだったのでちょっと意外。少しだけ甘く、奥にグリーン系、木の香り…、かすかにシトラスも感じます。

天気が悪かったせいか、軽い頭痛がしていたんですが、それでもいい匂いだと思いました。この「頭痛がしない、ひどくならない」というのは、私と相性がいいということなんです。

銀之丞にもかいでもらいました。彼が気に入るかどうかも大事なポイント。私がいくら好きでも、銀之丞が苦手な香りはつけられません。

「ウン、いい匂いだね。」と銀之丞。
「アイリスだって。」
「アイリスって匂いしたっけ?」
「……。」

何と、あやめって今まで眺めるだけで、匂いをかいだことはありませんでした! 今度見かけたらかいでみなくちゃ。新たな楽しみができました。

さて、この香水、試してみたかったのですが、昨日は別のをつけていたし、サンプル用の紙片も見当たりません。店員さんは他のお客さんについています。残念だけどまた今度にしよう、とその時はあきらめました。

その後 See's Candy で買い物をし、次は地下にあるスーパーマーケットへ…行こうとしたんですが、やっぱりあの香水が気になって。「Sephora」なら、お試し用の紙が絶対置いてあるから、ふきかけて試せるなあ…」と思い切り悪くコスメ専門店 Sephora へ。

きいてみるとやっぱり好みの香りです。今私が気に入って使っている香水は2種類あるんですが(ココとココ・マドモアゼルです。でも私のブログ名はこの香水からとったわけではありません)、春、夏にはちょっと重いので、軽めのものを何年も前から探していたところだったんです。これならぴったり。

それでももしかしての場合を考えて、一番小さいサイズを購入。香水を買うって、洋服を買うのとはまた違った高揚感のようなものがありますね。

COCOのおいしい話-アイリスの香水


トップノートは甘いフローラル(アイリスの香りなんでしょうね)とシトラスがパッと香ります。ミドルはちょっとパウダリーな花の香りとグリーンノート、ラストにはすっきりしたウッドとシトラスの余韻が残ります。このラストノートはココやココ・マドモアゼルと似ているな、と思いました。


あやめ、というと私は必ず思い出す本の中のワンシーンがあります。


 アンの愛情 —第三赤毛のアン— 
 モンゴメリ 村岡花子訳 新潮文庫

「ギルバートはかたわらを歩くアンをじっと眺めていた。軽やかな服装をした、ほっそりとした、きゃしゃなアンの姿は白いあやめを思わせた。
 『この人に僕のことを思ってもらえるようにはできないものかな』
と、自信のないギルバートは胸に痛みをおぼえた。」

 

白いあやめのような、とは何と美しい比喩でしょう。清純無垢でたおやかな、でも凛としたアンの様子がよく表れていると思います。

人ごとながら、この箇所を読むと、私も胸がきゅっと痛くなります。大昔のことですけれど…。片思いって…辛いですものね…。

ご存知の通り、ギルバートの片恋は紆余曲折を経て実るのですが、私は実る前の、この3巻のあたりまでの物語が一番好きです。


昨日銀之丞が作ってくれた夕飯は、「プロシュートとキノコのリングイネ、クリームソース」。

COCOのおいしい話-プロシュートパスタアップ


エシャロットと、スライスしてレモン汁をかけておいたきのこ(昨日はマッシュルームとシャンテレール—黄色い、香りのしない松茸のようなきのこ—を使いました)を炒め、薄めのビーフストックと生クリームを入れて煮詰めます。仕上げにプロシュートとみじんに刻んだイタリアンパセリとバジルを加えて調味し、ゆでたパスタの上にかけて出来上がり。昨日は生のリングイネを使いました。

お気に入りの香水が見つかった上に、パスタもおいしくて、上機嫌で終わった弥生最後の週末でした。






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