戯曲 おすすめベスト10 | 文学どうでしょう

文学どうでしょう

立宮翔太の読書ブログです。
日々読んだ本を紹介しています。

第1位 サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇


サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇 (新潮文庫)/新潮社

¥500
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オスカー・ワイルド『サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇』(新潮文庫)

戦慄を覚える衝撃作「サロメ」、心に沁みる人情話「ウィンダミア卿夫人」、抱腹絶倒の喜劇「まじめが肝心」とバラエティに富んだ三編を収録しているので、これから戯曲を読んでみたいという方に最適。特におすすめなのが、現代のコントに通じる面白さのある「まじめが肝心」。思わず声を出して笑ってしまうこと請け合いの傑作ですよ。

第2位 ヴェニスの商人


ヴェニスの商人 (光文社古典新訳文庫)/光文社

¥520
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ウィリアム・シェイクスピア『ヴェニスの商人』(光文社古典新訳文庫)

友達のための借金のかたに交わした契約上、心臓まわりの肉を切り取られることになったアントニオ。周りは助けようとするも……。シェイクスピアと言えば、「四大悲劇」や『ロミオとジュリエット』など、暗くて悲しい作品がよく知られていますが、喜劇も実に面白く、特にぼくがお気に入りなのが、落語的な面白さもあるこの作品です。

第3位 ゴドーを待ちながら


ゴドーを待ちながら (白水Uブックス)/白水社

¥1,260
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サミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』(白水Uブックス)

エストラゴンとヴラジーミルという二人の老浮浪者が、やって来ないゴトーという人物を待ち続ける、ただそれだけの話ですが、それが世界に衝撃を与えました。誰かがいるのではなくいないことが描かれた「不条理演劇」の金字塔。ストーリーとして面白いわけではないのですが、こういう作品があるということは知っておいて損はないはず。

第4位 セールスマンの死


アーサー・ミラー〈1〉セールスマンの死 (ハヤカワ演劇文庫)/早川書房

¥840
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アーサー・ミラー『セールスマンの死』(ハヤカワ演劇文庫)

かつては敏腕のセールスマンだった、ウイリー・ローマン。しかし近頃では全く商品を売ることができず、同じく挫折を抱えた息子たちともうまくやれずに……。全体的に憂鬱な雰囲気が漂い、胸が締め付けられるような物語ではありますが、理想と現実の差がとことんリアルに描かれているだけに、とても深い印象の残る作品になっています。

第5位 シラノ・ド・ベルジュラック


シラノ・ド・ベルジュラック (光文社古典新訳文庫)/光文社

¥980
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エドモン・ロスタン『シラノ・ド・ベルジュラック』(光文社古典新訳文庫)

詩人であり、音楽家であり、理学者であり、思想家であり、そしてなんと剣の腕まで一流という才人シラノ。ところが、唯一欠点があって、それはとにかく鼻が大きい、醜男なこと。そのせいで愛しのロクサーヌに恋心を打ち明けることが出来ないシラノは、ロクサーヌが愛する、美男子だけれど文才のないクリスチャンの代わりに、恋文を代筆してやることになって……。切なさと笑いが入り混じる傑作です。

第6位 人間ぎらい


人間ぎらい (新潮文庫)/新潮社

¥420
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モリエール『人間ぎらい』(新潮文庫)

欺瞞を何よりも憎むアルセストは、あろうことか嘘にまみれた社交界の花形セリメーヌを愛してしまい……。喜劇の構造を持ちながら、人間心理が巧みにとらえられているだけにしみじみと考えさせられる物語。コルネイユ、ラシーヌとともににフランス古典劇の三大作家に数えられるモリエールの喜劇は、今なお愛され上演され続けています。

第7位 人形の家


人形の家(新潮文庫)/新潮社

¥340
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ヘンリック・イプセン『人形の家』(新潮文庫)

夫から愛され、かわいがられているノラでしたが、夫の病気の治療のために内緒で借金をしていました。やがて、それがきっかけでノラの人生を一変させる出来事が起こって……。”女性の自立”を描いたあまりにも有名な戯曲ですが、今は意外と読まれていないと思うので、ぜひ手に取ってみてください。色々なことを考えさせられる名作です。

第8位 青い鳥


青い鳥 (新潮文庫 メ-3-1)/新潮社

¥452
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モーリス・メーテルリンク『青い鳥』(新潮文庫)

幼い兄妹のチルチルとミチルは、青い鳥を探しにいくことになったのですが……。かなり有名な作品ですし、今もわりと上演されているので、みなさん大体ご存知の話だろうと思います。ただパンや砂糖、また光や夜など普通はキャラクター化されないものが動きまわる作品なだけに、文章で読むとより想像が膨らむ感じがあって楽しいですよ。

第9位 かもめ


かもめ (集英社文庫)/集英社

¥420
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アントン・チェーホフ『かもめ』(集英社文庫)

大女優アルカージナの息子トレープレフは、女優を目指す恋人ニーナと新しい演劇を作ろうとするも失敗し、ニーナはアルカージナの恋人で作家のトリゴーリンの元へ行ってしまい……。登場人物のほとんどが誰かに恋心を抱いているという点では喜劇的、思いがけないショッキングな出来事が起こるという点では悲劇的な要素がある作品です。

第10位 群盗


群盗 (岩波文庫)/岩波書店

¥630
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フリードリヒ・シラー『群盗』(岩波文庫)

兄の恋人アマリアを狙ったフランツの謀略で、家を追われてしまったカアル。絶望して悪の道に足を踏み入れたカアルは、盗賊団の首領になってしまって……。ゲーテと並ぶドイツの「疾風怒濤期(シュトルム・ウント・ドラング)」を代表するシラーの傑作で、正義と悪について考えさせられる作品。とにかくすさまじい迫力に圧倒されます。

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