元祖モテない男「マーティ」その1 | 映画バー「銀幕酒場」オフィシャルブログ[バーの紹介とか、映画やDVDやドラマやアニメや演劇のハナシ]

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 マーティ[Marty]

監督:デルバート・マン
脚本:パディ・チャイエフスキー
製作国・制作年:アメリカ・1955年
http://www.imdb.com/title/tt0048356/
マーティ [DVD]/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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 ■ ハリウッドの歴史を変えた1本

なんだかんだとマイナーな映画なんだけど、実は、第28回アカデミー賞(1955年)で、作品賞・監督賞・主演男優賞を受賞。

もともとは、某シナリオ学校に通っていたときに、講師の脚本家の人に薦められて、はじめて見ました。

「ハリウッドの歴史を変えた一本だから絶対に見ておくべき」

というのは、それまでのハリウッド映画というのは、ホントに夢の世界だった。

実際、昔のハリウッドって“夢の工場”とも呼ばれていたし、誰もが憧れるような美男美女がこの世のものとは思えないような出逢いをして、夢のような恋をする。

まさに、ハリウッドは庶民の憧れだったという。

しかし、この映画「マーティ」をキッカケに、そんなハリウッド映画の歴史が変わったというのだ。

これは気になる……。

 ■ これが、元祖モテない男だ

物語はモテない男・マーティの“ボーイ・ミーツ・ガール”ものだ。

主人公のマーティは、ニューヨークの精肉店で働く34歳の独身男。
兄弟はとっくに結婚し、母親と二人暮らし。

というわけで、母親から毎日のように「早く結婚しなさい」と言われる日々。

おまけに精肉店のお客さんにも「兄弟は結婚して、もう子供もいるというのに、なぜ独身なの。この甲斐性なしが!」と言われる始末。

にもかかわらず、なぜにマーティは独身なのか。

答えはカンタン、彼はブ男なのだ。しかもデブときた。

それでも、母親は彼に「土曜日だというのに、家でくすぶっているつもりかい。ダンス・パーティにでも行ったらどうだい」と勧めるんだけど。

「もうダンスに行って、女の子を追いかけるのも疲れたよ。行ったって、誰も僕には目もくれない。僕はモテないのさ、フラれるのは毎度のことで、傷つきあきたよ。どんなスーツを着たって、僕はブ男でデブなのさ」と、マーティ。

傷つきあきた……とは泣ける。

しかーし、とある夜のダンス・パーティで、マーティと同じく自分の容姿に自信がない女性クララと出逢うわけですな、これが。

「僕の父親もブ男だった。でも、母はそんな彼を愛していた。結婚に大事なのは、容姿じゃない」と、気持ちを入れ替えるマーティ。

で、夜遅くまでふたりでおしゃべりして、意気投合。映画に行くことを約束して、翌日マーティから電話することを告げてその夜は別れる。

ところが、ちょうどその頃、伯母さんが精肉店に引っ越してくることになったりして、マーティの周りでいろいろとあってドタバタ。

しかも、マーティの母親も親友もクララのことをあまりよく思ってないことが分かって、心優しいマーティは……。

その2[見終わって編]に続きます。

■関連情報

元祖モテない男「マーティ」その2