ラスト30分で血圧急上昇「スリーデイズ」その1 | 映画バー「銀幕酒場」オフィシャルブログ[バーの紹介とか、映画やDVDやドラマやアニメや演劇のハナシ]

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※その1は、ネタバレなし、その2は、ネタバレあります(要注意)。

 スリーデイズ [The Next Three Days]

製作・監督・脚本:ポール・ハギス
撮影:ステファン・フォンテイン
美術:ローレンス・ベネット
音楽:ダニー・エルフマン
製作国・制作年:アメリカ・2010年
http://threedays.gaga.ne.jp
スリーデイズ [DVD]/ジェネオン・ユニバーサル
¥3,360
Amazon.co.jp
 ■ オススメポイント

絶対に失敗する!

ラッセル・クロウが計画途中で言われたセリフだ。

「あんた必死すぎてイタいねん、そんなんアカンで」

確かに見ていると、必死すぎて、周りが見えていなくて、そりゃあアカン、やっぱアカンわ……とハラハラドキドキ。

おいおい、そこヤバイねん!

あっ!……えっ!……。

ふぅ~、いまマジヤバかったけど、なんとか切り抜けたか……とハラハラの連続。

と、とにかく後半30分はハラハラドキドキしっぱなしなんである。

あぁ、ホンマに、心臓に悪い。

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ハラハラドキドキ度        ★★★★☆
出演者の意外な豪華さ    ★★★★☆
主人公の背中            ★★★★★
セリフのキレ            ★★☆☆☆
編集・カット            ★★★☆☆
オススメ度            ★★★☆☆
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 ■ 銀幕酒場的 あらすじ

ラッセル・クロウが演じる文系大学教授ションと、妻のララ(エリザベス・バンクス)と息子のルーク(タイ・シンプキンス)は幸せな日々を送っていた。

朝は決まって記念撮影(パシャ!)

ルークが18歳になるまで毎日撮るのよと、妻ララ。

そこに警官隊が乱入してきて、妻ララ逮捕!
息子のルークは泣け叫ぶばかり。

あまりの急展開に、開いた口はぽかーん。

妻ララが逮捕された理由は、なんと殺人だった……。

3年後、妻ララは刑務所のなか。

たまの面会でも、心を閉ざしたままの息子ルーク。

妻の無実を信じつつ、裁判で勝てないと分かった夫ションは、妻ララを脱獄させることを思いつく……。

ほんで、脱獄経験者デイモン(リーアム・ニーソン)にハナシを聞き、脱獄の準備を進めるんだけど、これからが大変。

偽造パスポートを手にするため、だまされて、大金を盗まれて、ボコボコにされる。

身体は痛い、お金も減っていく。

だが、立ち向かう。

その姿がとにかく痛々しい。

「あんた必死すぎてイタいねん、うまくいくわけない!」

決して頭脳明晰ではない。
どちらかというと親バカで不器用などんくさいオッサンな感じ。

地域大学(Community College)の講義中のワンシーンを見ても、決して論理的な印象はない。

だから、余計にその頼りない背中を見ているだけで胸が痛くなる(ラッセル・クロウ、グッジョブ!)。

ほんで、ついに脱獄計画が決行される……。

 ■ パッケージにだまされるな! 気になるラストシーンがない!

パッケージ(ジャケ写)には、銃をかまえているラッセル・クロウ……。

だから、すっかり刑事モノで、ジャック・バウアーの「24 -TWENTY FOUR -」みたく、3日間のクライムサスペンスだと思ったけど、これが大まちがい。

見ていると「グラディエーター」「ロビン・フッド」のラッセル・クロウがどうしても思い浮かぶので、なんだかんだと「あんた、大学教授のフリしてるけど、実は敏腕スパイなんでしょ!」とか思っちゃうんだけど、これがトコトン、フツーの一般人。

スキだらけで、とにかくハラハラ。

結末はちょっと意外な展開もあり、まんまとだまされたって感じ。

このあたり、オリジナルのフランス映画「すべて彼女のために」を見てないんだけど、脚本が気になったので、さっそくシナリオをネット検索して、即発見。

すると、脚本のラストのワンカットが映画にはなかったッス。

うむ、やっぱりハラハラドキドキした理由はこれだったか。

てなわけで、ネタバレ編(その2)に続きます。