(ビジネス知識)イマイチわかりづらい、「税効果会計」をざっくり説明したいの巻 | ちょっとの努力(仮)

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もし ビジネスパーソンや学生さんのあなたが、後輩からこう質問されたらどう答えますか。


「先輩、『税効果会計(ぜいこうかかいけい)』って、簡単に言うとどういうことなんですか。」
「えーっと、まあ、簡単にいえば会計の上に税効果を乗せるということだよ。ライスにカレーを乗せればカレーライスだろ。あれと同じだよ。」
「・・・・。(一応感心したふり)」


そんなアバウトな。それは簡単に言っているというより、説明を逃げているようにしか思えません。また、カレーライスもかならずしもライスにカレーが乗っているわけではない(カレーが横に置いてあることもある)ので、そこもきちんと説明すべきでしょう。

『・・・今回はカレーの話は関係ないので、税効果会計の説明のほうをお願いします。』

結論からざっくりいうと、税効果会計とは、会計上の利益・費用と、税法上の益金・損金の考え方の違いを調整する会計処理のことです。

具体的に説明しましょう。

ここに、リサイクル用品を販売する、シャングリラ社(仮名)があると仮定します。

シャングリラ社の新入社員、イーノさん(仮名)は、「自社がどれだけ利益をあげているのか、社員として知っておかなければ」と思い、決算書をチェックしてみました。

すると、損益計算書(PL)に「税引前当期純利益」として870万円計上されているのを見つけました。

法人にかかる実効税率(法人税・住民税及び事業税を合わせた税率)は約40%なので、

870万円×40%=348万円が税額として計上されているかと思いきや、

その下に「法人税・住民税及び事業税」という項目があり、400万円が計上されていました。

さらにその下に「法人税等調整額」として36万円引かれていて、「当期純利益」は506万円となっていました。

先ほどあげたように、実効税率40%なら、当期純利益は870万円-348万円=522万円となるはずですが、あえてこの数字に調整をおこなうのには、意味があります。

じつは、これは会計上の利益・費用と、税法上の益金・損金の考え方の違いによるズレを調整しているのです。

大まかにいえば、税金は利益に対してかかると見てよいのですが、実は税金は利益ではなく課税所得に対して一定の割合でかかります。

利益と課税所得には次のような違いがあります。

利益=収益-費用

課税所得=益金-損金

この式から、収益と益金、費用と損金が一致すれば、税引前利益×有効税率=税金となりますが、実際に益金にならない収益や、損金にならない費用があります。

たとえば受取配当金は収益にはなりますが、益金にはなりません。

また交際費寄付金は一定額を超えると損金には認められません。これらは「永久差異」として調整します。

また、取引先企業が倒産寸前ということで貸倒損失(かしだおれそんしつ)として損益計算書に計上した場合、

税務当局は貸倒損失を(まだ倒産していないという理由で)損金として認めなかったのですが、そのあと取引先が本当に倒産して、税務当局が損金として認める場合もあります。これらは「一時的差異」となります。

シャングリラ社の場合は、当期純利益が870万円でも、課税所得1,000万円だったため、

「法人税・住民税及び事業税」としてまず1,000万円×40%=400万円を計上し、そのあとでこれらの差異を「法人税等調整額」という項目でズレを調整したのです。

この、会計上と税法上のズレを調整して対応する処理のことを、税効果会計というのです。

最後に、最近の税金関連の話題を1つ紹介します。

6月22日の参議院本会議で、平成23年度税制改正関連法案の修正案が可決・成立しました。

修正案には、今月末に期限切れになる租税特別措置(そぜいとくべつそち)の来年3月までの延長が盛り込まれています。

(租税特別措置には中小企業の法人税率の引き下げ<本則22%→18%>や、住宅購入の際の登録免許税の軽減が含まれています。)

しかし、所得税・相続税の増税、法人実効税率5%引き下げ、地球温暖化対策税(環境税)の創設といった、平成23年度税制改正法案の中核部分は、野党側の合意を得られず、6月27日現在、結論が先送りとなっています。

ちなみに、「機動戦士ガンダムZZ」に登場したイーノ・アッバーブは、

初めて搭乗したコア・トップを操縦してZZガンダムへのドッキングを成功させるなど、パイロットとしての資質も高かったようですが、

人手不足のアーガマでブリッジ要員や機体の整備もおこなうなど、ユーティリティ・プレイヤーとしての活躍が目立っていました


(参考:高下淳子/著,『[最新版]図解 決算書を読みこなして経営分析ができる本』,日本実業出版社,2007)
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減価償却の必要性を説明した記事へのリンク↓

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株価の関連指標、PER・PBRを説明した記事へのリンク↓

http://ameblo.jp/chottonodoryoku/entry-10871707513.html


ガンダムでビジネス知識を説明した記事へのリンク集ⅩⅠ↓

http://ameblo.jp/chottonodoryoku/entry-10959620297.html