(ビジネス知識)いま話題の用語、「レアアース」をざっくり説明したいの巻 | ちょっとの努力(仮)

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もしビジネスパーソンや学生さんのあなたが、後輩からこう質問されたらどう答えますか。


「先輩、テレビで、中国からレアアースの輸入がどうこうって聞きましたが、

レアアースって何ですか。」
「『レア』って言い方がイマイチだよな。オレたちは『アンコモン』って言って『コモン』と区別するぜ。」
「・・・。(一応感心したふり)」


ゲームの話を一般化してとりあえず乗り切ろうと思ってもダメです。それを適用するなら、ゲームのレアアイテムはみんなアンコモンアイテムになり、呼び方が変わってしまいます。


『・・・メンドクサいので、説明をお願いします。』


最近よく新聞等で出る用語、「レアアース」。

日本語で「希土類(きどるい)」と訳(やく)されますが、これではイマイチ伝わりません。


結論からざっくりいうと、「レアアース」とは高校の化学の時間に出た、

元素周期表(げんそしゅうきひょう)」にある元素のうち、自然界で単一元素として存在しにくいことから「レア(めったにない)」と付けられた17種類の元素のことです。


この17種類の元素は、実は数多くのハイテク製品に使われています(日本企業の製品も例外ではありません)。


たとえばその1つ、「ジスプロシウム(ディスプロシウム)」は自動車の

パワーステアリングの磁石(じしゃく)などに使われています。


磁石はある臨界温度(りんかいおんど)になると磁力がゼロになりますが、ジスプロシウムを加えることで高温でも使える磁石になるのです。


その他にも、「テルビウム」はCDDVDなど光磁気ディスクの磁性膜(じせいまく)の材料に、「ユウロピウム」は青色の蛍光灯(けいこうとう)に使われています。


これらが手に入らなくなると、使用している企業にとっては大きなダメージです。


ガンダム世界にたとえると、量産型タイプのジオン軍のMS「ザク」や連邦軍のMS「ジム」を大量生産しようとしても、レアアースがないため生産に必要な機械のラインが止まってしまいまうような事態です。


両軍ともラインが止まったらまだいいですが、片方の軍だけ止まったら戦局が一変(いっぺん)します。大変だ、大変だったら、大変だ。


『・・・五・七・五でボケずに、続きをお願いします。』


実は、2010年10月のデータでは、世界のレアアース生産90%以上中国でおこなわれています。


その理由は、2つです。


1つ目の理由は、中国のレアアースの採掘(さいくつ)開始が他の国より遅かったから。


2つ目は、他の国のレアアースはほぼ採掘されてしまったからです。


「中国から日本へのレアアースの輸出停止」が新聞で大きなニュースになるのはこの理由からなのです。


当然、そんなニュースがあれば中国からレアアースを輸入している企業の

株価にも影響が出るでしょう。


ただ、中国に依存(いぞん)するリスクをへらすために、他の国でレアアース鉱山(こうざん)を開発して生産を開始する日本企業もあります。


たとえば住友商事は来年(2011年)からカザフスタンで生産開始を予定しています。三菱商事もブラジルで生産事業を開始しています。


最後に、「レアメタル」と「レアアース」の違いをざっくり説明します。


「レアメタル」は産業で使われる希少金属(きしょうきんぞく)のことを指しますが、近年になって使われるようになった言葉で、特に決まった定義はありません。


それに対して「レアアース」は、さきほどお話ししたように、化学の分野では古くから使用されていた用語です。


ちなみに、「機動戦士ガンダム」で出てきた「ジム」は、外見は同じでも、アムロの戦闘データがフィードバックされた最終回近くのジムは、ジャブローで

登場したジムより強かったともいわれています。


(参考:「日本経済新聞」2010年10月27日朝刊、サイト「All About」 2010年

10月1日)


フェアトレードを説明した記事へのリンク↓

http://ameblo.jp/chottonodoryoku/entry-10735307392.html


排出権取引を説明した記事へのリンク↓

http://ameblo.jp/chottonodoryoku/entry-10699035080.html


今後年収が上がる企業、下がる企業紹介記事へのリンク↓

http://ameblo.jp/chottonodoryoku/entry-10702103460.html


ガンダムでビジネス知識を説明した記事へのリンク集Ⅴ↓

http://ameblo.jp/chottonodoryoku/entry-10723523092.html