こんにちは!
キャンサーサバイバー専門セラピスト 長岡由子です!
がんという病が、シビアであるのは
命に関わるということに尽きると思います。
今は医学が進歩し、癌=死 ではなくなりました。
とは言え、癌という病を持ったことで
”自分の人生の終わりをリアルに実感する”ということを、
多くの癌患者さんが体験していることと思います。
だから、がんを体験した人に、
『 病気のことは忘れて、
以前と同じように
楽しく元気に生きましょう~♪ 』
なんて明るいテンションで励ましてみても
なんか違う・・・。
そんな違和感を残してしまうんじゃないか?
そんな風に感じます。
人生の終わりがあることを
実感として感じる体験は
その人の生き方や考え方に大きな影響を与えます。
残りの人生を、より豊かに満たされて生きたい。
そんな強い、突き上げるような 想いと同時に
内側には、
悲しさや 寂しさ 悔しさ 恐怖 がある。
どうすることもできない 痛み
誰とも共有できない 痛み
そして、
この痛みは
生きることの美しさに繋がる
とても貴重なものではないかと
私は思います。
痛みが貴重って ヘンですか?
あ、私 決して SM好きとか
そんなんじゃないですよ~!
誤解しないで下さいね!
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
がんになってから、色々な本を読みました。
その中で、私が最も感動したのは
エリザベス・キューブラー・ロスの本
『人生は廻る輪のように』 でした。
人生は廻る輪のように (角川文庫)
864円
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キューブラーロスは、チューリッヒ出身の
精神科の女医です。
それまでタブーであった死について踏み込み、
死を目前にした患者さんと対話を続けてきた、
生と死のパイオニアです。
彼女が開催した
『死とその過程』ワークショップは
多くの非難や抵抗にあいつつも
死にゆく人を前に、どのように
関われば良いのかに悩む
医学生、神学生や牧師、
看護師、ソーシャルワーカーなどで
いっぱいだったそうです。
本の中で印象に残っている話が2つあります。
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1つは黒人清掃作業員の話
病院で働く、
黒人の女性清掃作業員です。
恐らく貧しい、目立たない存在。
しかし、
死の床にある患者の部屋に
その女性行くと、患者の表情が
あきらかに変化している。
そのことに、この本の著者
エリザベス・キューブラー・ロスは気付くのです。
そして何をしたのか、
この女性に話を聞いたそうです。
その秘密は、
その女性が3歳の息子を貧困の中、
肺炎でなくした経験があったこと。
彼女にとっては、死はなじみ深いもので
だから、死が近い患者さんの側で
死は怖いものではない と
話しかけることができた。
これは、大切な人が死にゆく瞬間を
”正しく” 見送った人だからこそできる
偉業だと、私は思うのです。
”正しい””間違っている”というのは、
本当は世の中にはないと思っているのですが、
ここで適切な形容詞が思いつかなくて・・
あえて”正しく”と書きました。
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もう1つの印象深い話は
重症のがん患者を担当していた
腫瘍科の科長のお話です
患者さんが治療に反応しないとわかると
この医師は口汚くののしるのです。
あきらかに、問題ありの医師です。
しかし、この医師の精神的な苦悩に
気付いたナースがいて・・・・
この医師は、他の医師が帰宅したずっと後
夜中に 病室を ひとつひとつ回っていくのです。
病室から出てくるたびに、
だんだん猫背になって
打ちのめされて・・・
この医師がその後、どのような変容をとげたかは
是非、本を読んでいただければと思います。
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痛みがあるということは、
その裏に、愛があるということ
愛することには
必ず”痛み”というリスクが伴う
生きることも同じ、
楽しい、嬉しい、Happy だけ
というわけにはいかない
怒り、悲しさ、寂しさ、悔しさ、切なさ
それらをひっくるめたのが
生きるということ
それらを、
全身全霊で感じながら生きる姿って、
とても美しいと、私は思います
そして、痛みにすら YES と言えるようになったとき、
次のステージが開けるのかな?
この本には、その辺りのことまで書かれています。
ご興味があれば是非 おすすめです。
そして私は・・・
困難な状況でも、
生きるという意志を持って
人生に望んでいく、美しい姿を
精一杯 後押ししたい!
そう思っているのです。
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