美術館のUD展示についてご説明します。
UDってユニバーサルデザインのことです。全ての人が使いこなすことのできる製品、環境のことをいいます。
ご来館いただいた方は、通常の美術館の展示配置より高さが低かも、と思われた方がいるかもしれません。
私、館長も背が低いのですが、今回は「たくさんの方が楽しめるように」をコンセプトにUDな展示を
手伝ってくれたS君が提案してくれました。
通常の展示の高さより、15センチほど、展示物を下げました。
(おかげで私は見易かったです)
また、このギャラリーは2Fでエレベーターがありません。
室内の周り階段、ということもあって車いすの方の場合など上がれません。
だけど、頑張って来てくれました。Mちゃん。
車いすの持ち方、いろいろあるんです。角度のある階段だって、3人で力を合わせたら、2Fに上がれます。○○がないから出来ない、と言い切ってしまう前に、その方法を知っていたら、なんとかなる!なんとかしたい、!これも美術館の大事なテーマです。
Mちゃん、2Fに来て、展示が見やすいと言ってくれました。この時点でガッツポーズです。
また、開館2日前に展示に参加してくれると名乗りでてくださった、Shamrock Records,inc の青木さんより
「UDトーク」と「UD手書き」、「声シャッター」の3つのアプリが入ったipadとiphoneを貸していただきました。
「UDトーク」
音声認識アプリです。耳が聞こえづらい方と会話するとき、発した言葉を文字化して相手に伝えることができます。普通の会話のように、それも複数の人が話しても、誰が何を話したか、話した順番に画面に現れます。iphoneで「こんにちは~」って言ったら持ってるiphoneと向いのipadに文字がでるようになっています。
会場では初めて触った方もたくさんいて、「すごい!」の声が飛び交っていました。
「UD手書き」
ホワイトボードのように、指先一つで文字や画を書くことができます。
しかも、黒板消しみたいのがなく、指先一つでさっと真っ白い画面に。
会場では使用しませんでしたが、記入した画面はWifi環境が整っていたら、複数のipadで共有できます。
一枚のホワイトボードに皆で頭を寄せ集めなくても、快適な空間や遠いところでだって、各自が画面を確認できる、これも画期的なアプリです。開館中もホワイトボードは結構使わせていただきました。
そして、会場で大人気だったのが、
「声シャッター」
誰かが一人シャッターを押す係りをしなくても声で認識してシャッターを切ってくれます。
いつも「ハイ、チーズ」って写真を撮ることが多いですが、今回は特別に「地球から!」って言ったらシャッターが切れるように青木さんが設定してくれました。これで全員が写真に納まります。
会場に来られたたくさんの方がipadの前で、「地球から!」って言ってくれました。
中には声の感じや言葉が上手く認識できなくて、写真モードで顔をキメテいるのに、シャッターが下りないこともあり、照れ笑いから大笑いになって会場はとっても盛り上がりました。
何回か挑戦しても「地球から」が「ちちゅうじゃら!」みたいになっちゃって上手くシャッターがおりないRくん。
テーブルも高くてRくんの顔、出ていません。これってUDじゃない!!?ごめんなさいね。
R君のおねえちゃんはバッチリでした!
あと、小走りに勢いで言ったらシャッターおりるかも!と頑張る子供たちもちらほら。
果敢に挑戦してる姿は可愛かったです。
このアプリ、すごく遠くからでもできるのかも実験。ちゃんとシャッターが切れました。
青木さんです。
便利だな、と思ったらアプリをiTune storeで購入することができますよ。
詳しくは、Shamrock Records,Inc のサイト、ご覧になってみてください。
http://shamrock-records.jp/index.html
このように、みんなで楽しくコミュニケーションを図る準備が整いました。
作品の展示や、照明の配置も整って素晴らしい空間が生まれたと感激しました。
手伝ってくれたS君、皆さん、そして青木さん、本当にありがとうございました。