金融政策について その2 | 秋山のブログ

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前回戦後の日本経済の金融政策とその構造に関して書いた。しかし既に金融政策の方法も現在とは違う。では、現在の金融政策はどのような根拠で、どのようなことがおこなわれているのだろうか。

戦後の金融政策をおさらいすれば、当時は政府が全ての銀行の金利を決めていた。日銀が銀行に貸し出す金利(公定歩合)を動かすことにより(同時に銀行の金利も決められた)おこなわれていた。しかし今では自由化で銀行が自由に金利を決めることができる上に、銀行に預けられている貯金で賄える(銀行どうしで融通しあう短期金融市場、コール市場が存在する)。

自由化後金融政策としておこなわれたのは、このコール市場に日銀が介入し、売り注文や買い注文を出して金利を調整することとと、銀行が保有する国債を日銀が買い取る買いオペレーションである。

 

「新・日本経済入門」によると、買いオペレーションによって銀行が貸し出せる現金が増えることにより、貨幣の供給が増えて、需給曲線の供給曲線の右シフトという形で、利子率の低下と貨幣需要の増加がおこるとされている。しかし貨幣の需要は、事業などのために必要なお金の量であり、金利の高さでブレーキはかかるであろうが、事業は供給すべきモノの需要がどのくらいあるかで決定されるというのが、現実に則したモデルであろう。買いオペレーションは、結局国債の価格を上げる、即ち国債の金利を下げることで、連動する他の債券等の金利を下げて、経済に影響を与えようとする行為である。

一方、コール市場への介入は、調達コストを抑えることにより、諸金利を調整しようとするものであろう。

 

国債やコール市場の金利は昨今ゼロ金利状態が続いている。債券が著しい低金利(ケインズ時代は2%とされた)であれば、債券での運用する意味がなくなるので景気対策として有効でなくなるというのが、ケインズの言う流動性の罠だが、全ての債券が国債と同じ利率になるわけでもなく、また現代では需要側によって決まることであり、供給側に関して気にする必要はほとんどない。

実際のところ、インフレ率も成長率も高く、国債の金利が5%を超えていた頃の株式の平均利回りよりも、デフレで低成長率、国債はゼロ金利の現在の方が平均利回りが高い。国債との連動による若干の低下だけでなく、こちらを抑制することも考えなくてはいけないだろう。