御用学者の特徴 | 秋山のブログ

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インパクトファクターというものをご存知だろうか。学者の業績を測る尺度として使われているものである。学者はきちんと論文として発表して初めて評価される。しかしどんなものに発表してもよいというわけではない。お金を出せば何でも載せてくれるような雑誌もある。そこで論文の内容を厳しく吟味する雑誌に載せることが重要になってくる。その雑誌の評価法がインパクトファクターで、そこに何個載せたか決まる総点数で、その学者は評価される。医学部の場合、教授選が投票によって決められると言っても、インパクトファクターは重要な要素である。逆に言えば、誰でも出すことができる一般向けの書籍などいくつ出しても評価の対象ではない。

経済学における事情は外の人間の自分には不明な点も多いが、当ブログからリンクもしている安田洋祐氏が活動しているようだ。価値のない論文が量産もされている現状、ノーベル賞学者が問題を提起しても無視されている現状などを考えれば、インパクトファクターを重視するようになってもそれだけでなんとかなるとは思えないが、問題意識を持って改善しようとしている安田氏は評価してよいだろう。

インパクトファクターにもいろいろと問題はあるが、それでも御用学者という学問を曲げるものを防ぐために一定の効果はあるだろう。

先日の消費税増税の討論で、高橋氏の説明する財務省の手口は全て真実と書いたが、ちょっとおさらいしてみよう。高橋氏の言っていることはまとめるとこんなところだ(そのまま文章化しようとしたが、そのままだとちょっと変な文章になるので、要旨を書き出す)。
【学者は、データなんて詳しくない。圧倒的なデータを役所は持っているから、学者をしばくのは簡単。論文を読んで間違いを指摘する(自分がその係だった)。 良い奴にはちょっと飴もあげる。市議会議員にしてあげたり、顎足付きで海外に行かせてあげたり、海外で有名な学者に役所でセットして会わせてあげたり。レ ポートも書いてあげたりする。】
実際にそんなことはあるのだろうか。実は、ある経済学者が医療費削減に関して医師専用のSNSに提言をおこなっていたので、ちょっと経歴等を調べてみた。土居丈朗という人物である。日本を代表する私立大学である慶応大学の教授であるが、前述の安田氏のリストには入っていない。財務省の主張を広報するような著書は山程あるが、学問的な貢献は大きくないように私には思える。それから注目すべきは財務省に努めていた期間があることで、これがなかなか面白い。ご本人の文章があるのでリンクしておこうと思う(今回の趣旨に則った内容以外にも、興味深いことが書いてある。若い頃の彼が本音で書いているように見える内容には好感も覚える)。彼の評価に関しては、各自に判断をお願いすることとしよう。

最近医学雑誌を読んでいて印象的なことは、利益相反についての記述が必ずあるようになったことだ。これは学問にとって絶対必要なことだろう。一方御用学者というのは、それとは正反対の存在である。国がつける予算というのは限りなく魅力的ではあるが、学問を志すものなら積極的に排除していかなくてはいけないだろう。