消費税増税の討論 | 秋山のブログ

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appleTVでyoutubeを見ていたら、【経済討論】消費税増税延期!どうなる日本経済[桜H26/11/22]という番組があった。なかなか面白く、よい内容であったが、一部にはひっかかるところもある。紹介、考察してみたい。

番組は討論と言うより、消費税増税反対の経済学者等が集まって意見を述べているといったものである。

大方皆正しい事を言っているが、引っかかったところがいくつかあった。
高橋氏の小泉時代は増税しなくても財政再建できたという趣旨の発言。成長によって財政再建するという話のはずなのだが、この時の成長はがっちり財政再建できる程の大きな成長ではない(GDPを上げることに特化した政策によって成長にみせかけたもので、実際はほとんど成長していないと私は考えている)。再建は支出を絞ったからに他ならない(他の可能性として、ちょっと資料が見当たらないのだが、国家資産を売却して返済に当てなかったのだろうか)。ここは消費税推進論者に反対するための詭弁、又は単なる自慢だと思う。
高橋氏の税の行って来いの話。税の種類、支出の種類によって経済への効果が違うということを考慮していないようである。税は有効需要をどれだけ減らすかということで全く効果が違うだろう。一財(全ての財をまとめた意味ではない)でのミクロの話をそのまま全体に当てはめる経済学では、消費税は悪さをしないという全く逆の結論が出るが、実際は掛けた税率以上に有効需要を減らすだろう。税の種類を考えずに計算した高橋氏の計算の方が一致するのは、不幸中の幸いと言うべきことか。
高橋氏の補助金でなくて貧しい人にお金をあげればいいという発言。貧しい人であっても単純にお金を渡すのは、効率的に需要に繋がるわけではない。補助金等の政策と同じことではないだろう。この辺りはフリードマンの悪影響だろう。
(こうしてみてみると高橋氏には、数式にして同じになるものを同一視してしまう弱点があるように見える)
高橋氏の次に発言した青木氏の発言は、青木氏が消費税が悪さをしないという嘘の理論に騙されていたことを物語っている。予想していなくて驚いたということと、リバウンドがあるとは思っていたという2つの発言は、消費税の悪い作用がリバウンドによるものであるという間違った通説を信じていたということであろう。

さて、良かった点、注目すべき点をあげていこう。
高橋氏の説明する財務省の手口は全て真実だろう。政治家や御用学者、マスコミに対する飴と鞭の話は多くの国民が知って目をひからせていなければいけないだろう。
宍戸氏が大手新聞社が軽減税率を餌にコントロールされているという話をしている。軽減税率の話は次に書くこととする。(というか、今回の話はこの前振りである)
青木氏が国債の日銀の引き受けが問題ないということの説明をしていた。これは当たり前の話である。
最後に、景気条項がなくなったことについての議論があった。高橋氏に言わせると、2年半後におこなうという政治上の約束は無意味ということである。野口氏の言うように、GDPの目標を達成することができなかった段階で、反故にするのもありかもしれない。