多数決ゲーム | 秋山のブログ

秋山のブログ

ブログの説明を入力します。

秋山というHNは、漫画ライアーゲームからとったものである。会社員氏のブログにこのHNで書き込んだ流れでずっと使っている。この漫画は自分には非常に面白い。特に最新巻の入札ポーカーはなかなか面白かった。
入札ポーカーはなかなか複雑なルールで、どのような行動を取るべきか迷うものであるが、このゲームが多数決ゲームであることを見抜けば、必勝法は自ずと見えてくるものだ。ライアーゲームは、経済の状況に酷似しており、おそらくは経済学の実験の場という設定なのだろう。

株式市場がゼロサムの多数決ゲームであるということを書いたことがあるが、為替市場でも、先物市場でも、現在の歪んだ金融市場は大抵多数決ゲームだ。どういうことかもう少し詳しく説明しようと思う。

株価が上がると誰かが考えたとしよう。その誰かはいち早く株を買うだろう。その行為によって株価は若干上昇する。
一方下がると考えた人が、持っている株を売る(もしくは空売りする)と、株価は下がる。
そして最終的な株価は、予想して行動した人の数で決定される。つまり、上がる方に賭けた人が多ければ株価は上がり、下がるほうに賭けた人が多ければ株価は下がるということになる。(そして上がった際には、下がるほうに賭けた人は損をしたということになる)
ケインズがかつて美人コンテストと比喩したように、より多くの人がどう考えるかというのが重要である。業績が実際どうなるかということは、決定的な因子ではなくて、判断の材料の一つに過ぎない。

別の例を出せば、FX市場で大震災の後に急激な円高がおこり日本の個人投資家が大損したという事件があったが、機関投資家の多くが共有する常識と、円高を大胆にしかけることによって作り出された、実情とは関係のない動きであることも分っている。まさに多数決ゲームであることを物語るエピソードだ。