株式市場の意義 | 秋山のブログ

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株価上昇がアベノミクスの成功の全てだと考えるのは誤りであるし、急落したのを見て綻びだなんだと言うのはもっと誤りだ。株とは何か。株価とは何かということが全然分っていない。(指標が目的化してしまうことの問題は以前書いた

それを説明しようと考えて、何か参考になるものをと探したところ、なかなかいいものを見つけた。株式市場の存在意義云々という質疑応答の文章である。(この質問者と回答者には拍手を送りたい)

会社の業績が上がったり、もしくは上がりそうであったら株価は上がるので、全体的に上がれば景気がよくなったと勘違いしそうであるが、それは全然違う。特定の会社に投資するのではなく、リスク分散のためにも広く買われて、全体的に上がり下がりするのがメインになっている現在の株式市場ではそれは全く成り立たない。何らかのニュース等によって、他の投資先との優劣の判断が変わり、それによって資金が移動するだけ(例えば原油先物市場から東証へとか)というのが、現状である。言うならばゼロサムの多数決ゲームをしているだけだ。

また、上がったことのメリットは、その勘違いによる気分高揚の効果(この効果を過剰評価してはいけない)もないわけではないだろうが、実際のメリットはほとんどない。前述の質疑応答を読んでもらえば分ると思うが、資金を調達し易くなるという効果はあるが、現在の日本の企業活動(M&Aのようなものではない、実のある企業活動)においてほとんど効果を発揮しない。借り易くする、もしくは資金を調達し易くしたところで、需要が不足していれば意味はないのだ。

以上の私の指摘や、参考にあげたページを読めば、株式市場などいらないという話になるかもしれないので、念のためにそうではないことは述べておく。
企業が株主のためだけのものという考えは、そうではないという考えに比べて、全体のパイを大きくするわけでも、企業を効率化するわけでもない。企業は社会全体、人々全体のためにあるべき(公立を意味するわけではない)で、その方が効率等でもずっと上だと思うが、それを実現するために株というのは都合のよいシステムなのだ。上場することで、情報は公開され、腹黒いことはそうそうできなくもなる。上場している企業は、信頼度もアップしてそれが業績にも繋がる。株主が適切な範囲内の配当を受け取る限りは、経済は良い形でまわっていくだろう。