こんにちは。千葉です。

安馬改め日馬富士(はるまふじ)関、大関昇進おめでとうございます。って、日本人力士はどうなんだろう・・・


それはさておきだ。昨日のコンサートの話をば。


◆ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:サー・サイモン・ラトル

2008年11月25日(火)19時開演  サントリーホール


J.ブラームス:交響曲第一番 ハ短調 op.68(1876)

J.ブラームス:交響曲第二番 ニ長調 op.73(1877)


え~、ラトル&ベルリン・フィルによるブラームス・ツィクルス第一夜、まずは前半の二曲でした。先日のミューザ川崎での公演 から一日置いて、またこんな演奏を聴いていて良いのか、と思ってしまうほど、圧倒されてまいりました。


なんというか、ベルリン・フィルにとってブラームスの交響曲って「自分たちの曲」なんですね、きっと。ノリノリってレヴェルじゃ(略)、とか言いたくなるほどの積極的な演奏に、正直サントリーホールでは小さすぎるようにさえ思うところも随所にあったような。

あ、とは言ったけど、どれだけの大音量でも各声部が聴き取れるんですよね、あれは何なんだろう。細部のアーティキュレーションや強弱の徹底がもたらす異様なまでの情報量、いま一度ベルリン・フィルという想像を超えるオーケストラに感服です。


で、ラトルの指揮なんですが。いやぁ、振らなくなりましたねぇ。最低限のテンポ指示を除いては、拍子をとるための指揮ではなく、音楽の表情を生み出すため、そして方向をつけるための指揮だけがあったような、そんな印象です。自由だねぇ、彼らったら。

そうそう、いつのまにかカマーバンドの色は普通に白になっちゃったのね、ラトル。昔の赤でラメな感じのやつが少し懐かしくなりました(笑)。


二曲とも、非常にアクティヴで室内楽的な音楽、しかしながらマーラーに劣らぬ高揚を内包した音楽である、ということを教えていただけたように思います。第一番の細部まで考えられたロジカルな展開がもたらす駆動力、空恐ろしいほどでした。第二番、マーラーの第五番をも思わせるほどの輝かしい音楽、非常に眩しゅうございました。


ここで個人的な感慨を一つ。千葉は、カルロス・クライバーがウィーン・フィルを指揮したLD(レーザディスク、ってもう知らない人も増えたことでしょう)で交響曲第二番を叩き込まれてしまい(本当にそんな印象)、それ以降他のほとんど全ての演奏に食い足りなさを感じてきました。


って、どれだけ満腹主義なのか、そろそろ腹八分主義になろうよ、美点のある演奏で良いじゃんよ。そんな諦めに近い感じ取りもありました、数を聴いてないわけでもないので。録音ならバーンスタインとウィーン・フィルとか、実演ならファビオ・ルイージとMDR放送響とか、良かったんですよ、けっこう。

ですが、どこかでもっと凄い演奏があるのでは、と思っていました。昨日、ようやく聴きたいと思っていた演奏に会えた、今、そんな気がしています。曲中、随所の仕掛けについてもポリフォニックな音楽の聴こえ方も、千葉にとっては非常に自然で、そして刺激的なものでした。いやぁ、圧倒されつつ受け取れたように思います、この作品を。満腹できた、と思います。


まだ印象批評の水準から踏み込めませんね、いやはや。なんというか、40代の作曲家の音楽に聴こえたことが非常に嬉しく思いました。ということでひとまず印象批評は〆ます。


編成について。第一ヴァイオリンは死角になる席だったので(ステージサイド、Pブロックに近いほう)正確ではありませんがおそらく16型(バスは8人でしたし)、弦楽器は対向配置。管楽器はアシストなし。


コンサート・マスタは安永徹氏(これは予想通り、第一番の独奏があることを考えれば、ね)、裏はブラウンシュタイン。町田、清水両名もいらっしゃいました、両名とも前のほうで弾いてました。チェロがちょっと若返りモードなのかしら?バスはいつものメンバ、良く鳴っておりました(力強すぎ!)。


管楽器は先日と同じかな、フルートがパユ(第一番終楽章、序奏でのソロはもはや崇高なほど)、オーボエはマイヤー、クラリネットはフックス(第一番で一瞬とっちらかったけど気にしません、彼の演奏が好きなので)、ファゴットがシュヴァイゲルト(たぶん。ちょっと自信なし)。トランペットは第二番のトップにクレッツァーがいたような。ホルンは今日もドールがトップ、サラ・ウィリスが二番(うっとり←おい)。トロンボーンは千葉の知らない世代の人たちでしたねぇ・・・代替わり、かぁ。テューバはいつものヒュンペル。

以上簡単に、覚書き程度にご覧ください。


あまりの高エネルギー体に中てられて(笑)、風邪気味だったのがどこかに行ってしまいました。あぁ、ベルリン・フィル健康法がいつでも使えれば良いのに・・・なんて妄想はここまで、千葉にとっては本日が最終日のベルリン・フィル週間、今日はブラームス五十代の二作であります。ではひとまずこれにて〆ますね、ではまた。