「2001年(中高年)夫婦世界旅行―妻編」の落ち穂日記


2001年(中高年)夫婦世界旅行―妻編」が中断したまま、もう何年も経ってしまった。
日々記憶が薄れていく。

話としてまとめるほどではないなぁ……と、
旅行記を完成させてから、補足としてまとめようかなぁ……と思い、
記事からは削除していた細かいことなどを、
とりあえず、備忘録として、思い出すままに記録しておこうと思う。



4 貫禄のミスター“自由旅”


マレーシア半島縦断自由旅行”で思い出したことを、もう少し。メモ




自由旅行が初めての我々は、
移動手段と、移動先での宿探しが、
まずは大問題であった。(°Д°;≡°Д°;)
「自由旅行」の課題は、「移動と宿」。
これに尽きるといっても過言ではないのではなかろうか。あせる


長距離バスの停留所は、たいてい町の中心からちょっと離れているから、バス
到着してから、安宿が集まっているあたりに、さらに移動しなければならず。あせる

さて、どう移動できようか、はてなマーク
どこら辺に移動しようかと、はてなマーク
安くていい宿はあるだろうかと、はてなマーク
新しい町に着くたびに、悩ましいのであった。叫び
(たいていは客引きのトゥクトゥクが待機していたが。)


移動前、少なくとも到着前には、ガイドブックをチェックして、サーチ
大体の見当をつけていた。

ガイドブックに場所やら値段やらが記載されていても、
実際に宿を下見してみなければ
なんとも、わからない。

それだけでもドキドキなのに、
小さな町では、ガイドブックに宿など一軒も記載されていないこともあった。あせる

それは、単にガイドブックに記載されていないだけなのか、
それとも、その町には本当に宿そのものがないのか……?

移動直後の疲れた体で、重いバックパックを抱えて歩き回って、
結局、宿がありませんでした、日が暮れちゃいました
……では、困る。ガーン

宿探しがしっかりできるように、到着は日の高いうちに……と心掛けて移動していた。
あせる




そんな我々が、
マレーシアのランカウイ島からタイのサトゥーンに着いたときのこと。





サトゥーンは国境の町だから、宿なりなんなりあるだろうと、
我々は最初、そう思っていた。

が、ガイドブックには宿が記載されていない。∑(-x-;)
ってか、ろくな地図も説明もない。∑(-x-;)
国境の町に宿がない……なんてことがあるだろうか?


しかし、サトゥーンは何もない田舎町らしい。
旅人は、泊まるなら、船でランカウイまで行って泊まってしまうので、
サトゥーンは寂れてしまって宿がない……なんてことも?
(情報が少ないと勝手な憶測が膨らむ。それに、ランカウイ島は、当時、既に、かなりリゾート地としてメジャーになっていたはず。)
無理して宿を探して泊まるほどの価値のある町かどうか……?はてなマーク


さて、
税関チェックも終わって、
サトゥーンの町に降り立つと、
やたら警官が多い。警官∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
茶色のぴちぴちの制服に身を包み、ナイスボディを見よ!とばかりに
すっくとそこら中に立っていた。
国境の町だから、警備だけは厳重なようだ?


客引きのトゥクトゥクもいない。汗
さて、どーする?

ふと見ると、我々と一緒に下船した白人の初老の男性(推定65~70?)がいた。おじさん
声を掛けてみた。
背広でもビシっと着たら、立派なロマンスグレーだが、
短パンにヨレヨレのTシャツにシューズ。実に軽装。
“自由旅でござい”ムードを全身から放出していた。


ひとり旅をしているという。
このまま、サトゥーンに泊まるという。

「え? サトゥーンに宿があるんですか?あなたはどこに泊まるつもりですか?」 
と聞くと、
「さぁ。宿があるかどうか、僕にはわらかない。僕はこの町は初めてなんだ。でも、まぁ、なにかあるでしょ。」
と至って暢気な返答。

いつも、泊まるところなどは、その町に着いてからサクッと決めるのだそうだ。
大抵(宿は)あるよ、と言う。
宿があるかないかなんて、心配もチェックもしないようだ。

「まぁ、探してみるよ。ひとりだから、気楽なものさ。」
と言って、にっこり笑っておじさまは
小さなバックパックをひょいと担ぎ直して、
足どり軽く、通りを渡って、何かしら建物が並んでいる方へと去っていった。
飄々と。
まるでその方向に予約を入れた宿があるかのように。
いや、まるで、宿があろうがなかろうが、どうでもよいように。(=◇=;)


我々は、唖然とした。


次泊まるところの心配など、しない。
次にどんな町に着くかなんて心配など、しない。
着いたら、そこで考える。
気に入ったら、泊まると決めて、宿を探すのみ。
なんと自由だ。
なんと自由な心だ。
これぞ自由旅の真髄ではないのか!


我々は移動の心配、宿の心配、体調の心配、
人に騙されまいか、物を盗られまいか等の治安の心配……etc.。

心配ばかりして、ビクビクして、
“自由旅”をしながら、全然心は自由ではない。(((゜д゜;)))


心底「心のままに」旅をする……

素敵!ラブラブ

……とは思ったが、

いかんせん、自由旅初心者の我々にはそれはあまりに無謀と思われ。汗


驚いたねぇ、凄い人だねぇと夫と顔を見合わせて、
「何の建物だかわからないけれど、ああいう建物の中に、実は宿なんかがあったりするのかね?」
などと、再びおじさまが去っていった方を振り向いたら、
おじさまの姿は既にどこかに消えていたのであった。早っ!Σ(=°ω°=;ノ)ノ


本当の「自由旅」ってのは、
本当はおじさまのように、心解き放たれたような旅人の旅を言うのだろうな……と思う。
風のように旅する……。

でも、それだと、旅の途中で死ぬなんてことも、あるかもしれない。ドクロ
飄々と見えて、命がけでもあるよね。


我々には、とてもそんな度胸も度量もない。汗
(若い頃は、“旅に病んで夢は枯れのを駆け巡”りながら死にたいものだと思っていたけれど。f^_^;)

身の丈にあった「自由旅行」をするしかない。
基本は、とりあえず“自由旅をして、生きて帰る”だと決めた。