果たして、本当に「大統領」まで辿り着けるのか…!? | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

果たして、本当に「大統領」まで辿り着けるのか…!?


 「一緒に、『大統領官邸』に行こう

 北京五輪で偶然、知り合ったホンジュラスの国会議員「万里男」 が「とんでもない!」事を言い始めました。

 確かに、「僕とホンジュラス」との間にある深い『』は、これまでも数々の不可能を「可能」にし、自分のブログのテーマである「ありえない!がある! 」を何度も起こしてきましたが、今回は今までの話とはスケールが違う…。

 何せ、一国の「大統領官邸」に招待され、一国の「大統領」と対面するというのですから…。しかもその「大統領」というのが、当時、「軍事クーデター」を起こしたとして全世界にその名を轟かせた
Roberto Micheletti(ロベルト・ミチェレッティ) 」…。

 ただ、実を言うと、ミチェレッティと会う事自体は始めてではなかった…。

 ホンジュラス時代の2005年~2007年にかけて僕が所属していたプロサッカーチーム…「CD Lenca(レンカ) 」(すでに売却されて消滅)のホームタウンは「Progreso(プログレッソ)」という地域だったのですが、ミチェレッティはこのプログレッソ出身で、我々レンカの事を熱烈に応援してくれていました。

 
※今となってはかなり貴重な写真。4年前の「グランド・ファイナル」(昇格が決まる決勝戦)でレンカのユニフォームを着て応援するミチェレッティ(向かって右)と、自分のホームタウンである対戦相手のチームを応援するメル・セラヤ(向かって左の白いシャツ)。当時はセラヤが「大統領」で、ミチェレッティが「国会議長(国のナンバー2)」でした。満面の笑顔で、ガッチリ握手を交わしていますが、まさかこの3年後、右のミチェレッティがクーデターを起こして左のセラヤを国外追放するとは…。誰も想像し得ない事が起こる国…それが「ホンジュラス」。

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→?」 -メル・セラヤとミチェレッティの握手!2006年6月


 レンカとミチェレッティがこういう深い関係だったので、会って挨拶した事がありました。ただその時は「会った」とは言っても、用事があってレンカの会長室に行ったら偶然ミチェレッティが来てて、少し話をしただけなのですが…。しかも、もうすでに3年以上も前の話。果たして、ミチェレッティは僕の事を覚えてくれてるのだろうか…?


※クーデターにより国外追放されたメル・セラヤ元大統領は結局、どうにか帰国はできたのですが、彼を支援するブラジル大使館の中でしか生活できない状況に陥りました。下の写真の先にあるブラジル大使館は周囲を軍に完全包囲され、セラヤ大統領は一歩も外に出られない状況です。ただ、これは3ヶ月前の話。今はどうなってるのか全く分かりません…。

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→?」 -ホンジュラス首都テグシガルパ!2010年1月


 「万里男」の全く予期しない、あまりに突然の誘いに、スーツを準備する事さえできず、何と「ジーンズにスニーカー」という超ラフな格好で大統領官邸に行かざるを得なくなる事に…。「こんな格好で問題ないのか!?」と聞くも「大丈夫、大丈夫!」と言われ、何が何だか訳が分からぬまま、とうとう大統領官邸まで辿り着いてしまいました…。

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→?」 -CASA PRESIDENCIAL!2010年1月


 予想通り、おびただしい数の兵士と、厳重な警備。ここは国会議員でも特別な入場許可書が無ければ、一歩も中に入る事ができないよう…。しかも当時はクーデターで情勢がかつてないほどの緊張状態にあり、警備も厳戒態勢にありました。果たして無事に中へと入る事ができるのか…?不安が頭をよぎりましたが、「万里男」の「俺のアミーゴだ」の一言で、入場が認められる!!第一関門、突破!!(こんなんでエエの!?)

 ただこの第一関門を突破する際、検問で荷物チェックされ僕のデジカメが一時没収される事となってしまいました。こればっかりは「万里男」もどうにもできず…。ただ撮影自体が禁止なのかと言えばそうではなく、官邸内に居た人は、みんな自由にカメラで撮影していました。ひょっとしたら、あまりに突然やって来た「ジーンズにスニーカー」の東洋人である僕自体が疑われたのかも…(まあ当然っちゃ当然ですね)。

 これで「残念ながら写真撮影できないのか」と諦めかけたその時…「万里男」が「俺の携帯のカメラで写真を撮ればエエじゃん」と言ってきました。しかも「別にブログに写真を出してもエエんじゃないの」とも言います。よってここからは「万里男」の携帯カメラによって撮られた写真を掲載します!!


※本邦初公開(かもしれない)!!これがホンジュラス大統領官邸です!!

「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→?」 -ホンジュラス大統領官邸!2010年1月


 どうにか無事に大統領官邸内に足を踏み入れましたが、ここから「大統領ミチェレッティに会う」となると、官邸内の2重3重になった検問をさらに通過しなければなりません。さすがにその検問では「こいつは一体、何者だ?」「大統領と会って何をするんだ?」と警備員に執拗に聞かれ、通過する事ができません…。万事休すか!?

 しかしここでも、「万里男」の「俺のアミーゴだ」の一言と、「ただ大統領に会って写真を撮るだけだ」という、普通に考えたらとてもじゃないけど受け入れられないような説得のおかげで、何と検問突破!!嘘ぉ!!??(実は「万里男」、メチャクチャ凄いヤツだった…)

 ついに「ホンジュラス大統領ロベルト・ミチェレッティ」との対面まで、あと少しと迫りました。果たして、本当に「大統領」まで辿り着く事ができるのか…!?



「日本→中国→アメリカ→イングランド→ホンジュラス→ジャマイカ→パナマ→オーストリア→南アフリカ→?」 -ホンジュラス大統領官邸4!2010年1月



<つづく>