※前回記事はこちら↓※
http://ameblo.jp/carter-15/entry-11111987367.html
前回の 【SOLE x SOUL】 紹介では、実に多くの方に閲覧いただくと共に、コメントも数多くいただきまして嬉しいばかりでした。
お陰さまで、ヒット数は過去最高を記録しました……いや~本当に有難い。
ということで今回もBESPKEネタです。
前回予告しました通り、本日はBESPOKEセッションのリポートをさせていただきます。
この記事は、セッション直後にずらずらと書き留めていたものを、各所の写真とリンクさせて説明するために再構成したものです。
90分のセッション(また、その前後の諸々も含めて) をかなりの割合で再現しているはずですから、ドキュメンタリーっぽくなっていて相当に長文です。
おヒマな時にご覧いただければと思います……それではスタート!
私が今回の原宿BESPOKEイベントで予約したセッション日は、開催初日の8月24日。
その日、NIKE原宿さんに到着したのはセッション開始時刻の1時間以上前でした。
何故それほど早く着いたかと言えば、私の前の参加者様のセッション風景を見学しようと思ったからです。
ビスポーク会場はNIKE原宿さん1階に作られた特設ブースであり、来店した方は誰もがセッション風景を見学できるようになっているのです、が。
時間的には始まっていなければおかしい1コマ前のセッションが、全く行われていないという不可思議な状況……あれ~?と首を捻りつつもとりあえずはスタッフさんに声をかけ、2階のiDスタジオに上がり次のセッションを予約した者であることを告げました。
しばらくすると (電話予約受付日だった) 8月1日以降、2度お会いしたことのある店舗スタッフさんが……以前の更新でも書きましたが、私は今回のセッションに先立ち、2度ほどNIKE原宿さんにお邪魔してビスポークのことを色々お聞かせいただいています。
その2度ともでご対応いただいたスタッフさんが、その日もいらしていて笑顔で声をかけてくださいました。
その後しばらくお話したお陰で、力みがちだった肩の力も抜け、いい具合にリラックスできましたよ~。
それからそのスタッフさんは、私のセッションに同席してくださる別のスタッフさんをお呼びくださいました。
今回のセッションでは、通訳の方と、様々に助け舟を出してくださる店舗スタッフさんが同席されます。
私の担当となるそのスタッフさんが見えられ、デザインの方向性などについて雑談交じりに意見交換。
そのうちに、驚くべき事実が発覚しました……。
私が今回、8月の24日から29日まであった(後に30日が追加され計7日間となりました) 6日間のうち、開始日の24日を選んだのには自分なりの理由があります。
それは、開始日であれば来日したデザインコンサルタント方の気持ちや体がフレッシュで、疲れていないだろうと考えたからです……私の勝手な思い込みではありますけど。
まぁ、そういうことを気にした理由は、つまるところ自分に確たる自信が無かったからです。
私はおそらく90分の間、優柔不断で考えがまとまらずセッションを大いに振り回すだろう、と……それに付き合わされることになるデザインコンサルタント方は疲れるだろうから、せめて初日に予約を入れよう、と考えた故でした。
そして、セッションのコマ(時間帯) は、2コマ目となる時間帯で予約。
それは、セッションがどのように進むのか1コマ目の状況を見学して予習したかったからであり、一番手というのはさすがに畏れ多くて気が引けるからでもありました。
……だがしかーーし!
私の担当となるスタッフさんと意見交換していた間に確認いただきましたら、私の前のコマというのは元々無かったということが判明。
開催2日目以降には存在する1コマ目は、初日である24日にはそもそも設定されていなかったのです。
つまり、今回のビスポーク日本開催全体での最初のセッションは、私が予約したセッションでした!
なんともまぁ、開始前から見事な計算外(苦笑)
一人目だなんて、正直言って勘弁してくださいって感じでしたよ、こんなトコで引きの強さを発揮してどうするっ、と心の中でセルフツッコミをかましましたw
それが判明してから開始まではあと40分あまり。
そこは気持ちを切り替え、イメージ固めのため思考をフル回転させました。
ただ、自信がないなりにも当日までに大雑把に考えてきた基本線がありまして。
開始までに思索した中で、その基本線は変えずにそのまま表現してみようと決心しました。
そして開始時刻となり、同席の担当スタッフさんと共に1階へ降り、特設ブースへ。
来日したデザインコンサルタント方3名が、笑顔で待ち構えていました。
ビスポークをご存知の方には説明不要かもしれませんが、舵取り役を務めるデザインコンサルタントは、IZ (イジー) 氏。
NIKEiD BESPOKE が世界で唯一行われている場所、ニューヨークの21Mercerでずっとその職についてきたプロです。
さらに、製品デベロッパーの Wil (ウィル) 氏。
多岐に渡る素材について、製造面のプロとしてのアドバイスをくださいます。
そしてもう一方、名前は存じ上げませんがおそらくはイジーの友人であろう(とその時は思っていた) 男性も加え、以上の三者がテーブルの向こうに。
四角く裁断された素材サンプルがズラリと並べられたテーブルを挟みこちら側は、通訳の方、店舗スタッフの方、それに私。
まずは皆さんと握手をして挨拶し、私が中央、イジーの正面に座ったところでセッションがスタートしました。
……ここからの90分、予想通り迷走し続けた私カーターを、イジーやウィル、店舗スタッフさん達がいかにして出口まで導いたか。
その軌跡を、どうぞじっくりお楽しみください(微笑)
まずはセッションそのものの簡単な説明をイジーから受けます。
私は特に英語は得意ではなくヒアリングもほとんどダメなので、通訳さんは開始からフル稼働(汗)
イジーは、とても柔らかい表情と語り口で、すぐにフレンドリーな印象を受けました。
イジーはこの開始時の説明を、そうして相手の緊張を解きほぐし信頼関係を構築する場としているのかもしれませんね。
そして、その説明に数分を費やしたのち、
『 君が考えてきたアイデアなどがあるなら、まずそれを教えてくれないか 』
と尋ねてきました。
ここで、私は当日までに考え抜いた基本線をイジーに伝えます。
それは以下の三点。
①新素材、メタリックレザーをメインに使いたい
②メタリックレザーを生かしつつ、ベースのカラーは暗めに、色は増やしすぎない
③蛍光色っぽい明るい色を挿し色に用いたい
……この三つの基本線の選定理由ですが。
①新素材のメタリックレザーは、玉虫レザーとも表現される、前回の写真の通り光の具合により色合いが変化する素材ですが、今回の東京開催で初お目見えでありまして。(なおかつ、TOKYO Exclusive ということで、今のところ本拠地21Mercerでも提供の予定はない今回限定の素材だそうです)
せっかく作るならまだ使われていない素材をと思いまして、それをメインに据えてイメージした訳ですが……結果的に私が、メタリックレザーをセッションでオーダーした世界で初めての人間になりましたね、本当に(汗)
ちなみに、以前通常のナイキiDで同じくメタリックレザーというネーミングの素材はありましたが、それは金色や銀色の金属っぽい素材であり、今回ビスポークで私が使用したこのメタリックレザーは全く違うものです。
よって、これ以降は基本的に、このメタリックレザーのことは玉虫レザーと表記しますw
②玉虫レザーは美しい光沢を持っているものの、基本的には黒に近い色です。
その為、玉虫レザーの味わいを生かすなら、全体を暗めな色使いとし、色を増やしすぎない方がいいだろうと考えました。
また、ベース色をダークな感じにしたかった理由は他にもあるのですが、それについてはまた後ほど。
③これは完全な私の好みです。
私は普段から派手モノ好きを公言してますし、バカ履きも好きだったりもしますが……エアフォースワンに限らず、スニーカー全般において、【黒ベースに何かの挿し色】 というカラーリングがかなりツボだったりするのです、実は。
またそういうカラーリングって文句無しにカッコいいんですよね~、黒ベースに赤、黒ベースに金、黒ベースに緑、などはテッパンだと感じてます。
そこで今回私が考えたのは、玉虫レザーを始め黒めな色合いのベースに対し、明るい色を挿し色に入れる、というものでした。
さらに、玉虫レザーは完全な黒ではないので、一般的な赤とか金とかを使うよりも蛍光色的カラーを使いたいなと。
イメージとしては蛍光グリーンとか蛍光イエロー的な色です。
それを挿し色で使えば、黒っぽいアッパーとお互いの色が邪魔し合わずに、逆に引き立てあって仕上がるのではないか、などと考えた訳です。
とにかくも、上記三点の基本線をイジーに伝えたところ。
どういう反応が返ってくるかと思えば、意外にも、
『 すごくいいと思うよ。 じゃあその方向で進めて行こうか 』
と笑顔で頷きつつの返答でした。
この時点で私は、 お、これは時間内に楽勝で終わるな♪ などと楽天的なことを考えたものです。
それがとんだ勘違いだったとわかるのは、ずっと後のことでした…。
それからまず取り掛かったのは、アッパーのデザイン。
『 メタリックレザーを使いたい場所のイメージはあるかい? 』
とイジーに聞かれ、私は事前に考えていた通りに答えます。
それぞれがアッパーの補強部分となる、ティップと呼ばれるつま先部分、アイステイと呼ばれる靴ヒモを通す穴のある部分、フォクシングと呼ばれるかかと付近の部分、その3箇所で使いたいと。
補強部分だとは言ってもシューズの中で多くの面積を持つ部分ですから、それらに玉虫レザーを使えば素材の良さを充分表現できると考えました。
それに対しイジーは
『 グッドチョイス 』
とお褒めの言葉。
単純な私はそれに気を良くし、次の段階へ。
『 それじゃあ、トゥボックス(ティップに囲まれたつま先近くの部分) には何の素材を合わせようか? 』
とイジーが質問。
そこで私は、手に持っていた黒い素材を見せつつ、
「このクロコダイルで」
と答えました。
黒色と銅色の、光沢あるクロコダイル素材……この素材のことはセッション前から頭にありまして。
前述の基本線三点は絶対に外せない項目ですが、それ以外にも 「できればやりたい」 ことが二つ、頭にありました。
そのうちの一つは、クロコダイル素材やリフレクト素材をどこかに使うことです。 (もう一つについてはまた後ほど書きます)
大元の基本線三点に悪影響を及ぼさずうまく組み合わせられるなら、その 「できればやりたい」 ことも取り入れたいなと考えていました。
そして、クロコダイル素材は実物を手に取ると想像以上にカッコよかったので、やっぱりコレを使わない手はないな! と思ったんです。
よって、トゥボックスに使いたいものとして私がその時指し示したのは、黒のクロコダイル。
しかし、それを聞いたイジーは………あれ、何故にしかめっ面??
しばし考えた後、イジーは諭すように
『 君の使いたいその素材は光沢が強い上に存在感がありすぎる。 メタリックレザーとはお互いの良さを消しあってしまう可能性があるから、そこの部分で組み合わせるのはオススメはできないな 』
……ハイ~早速のダメ出し!(爆)
確かに、私が手にしていたクロコダイルは非常に光沢がある素材でしたが、色自体が派手すぎないこともあり玉虫レザーの質感と相性がいいのではと考えまして……例えばアッパー全体を玉虫レザーにするのではなく、近い色合いの別の素材をあえて組み合わせた方が、その比較効果により玉虫レザーの玉虫な色の変化をさらに際立たせられるのではと考えたんです。
その為の黒クロコダイルと組み合わせたらいいかな~という第一印象だった訳ですが……まぁ、単純にクロコダイル素材を使ってみたい、ていう思いもありましたけどねもちろん、だってカッコいいしw
でも、イジーがそう言うのであれば再考の必要があります。
無論、最終的な決定権は作成者である私にあるので、いやでもココにはクロコダイルを使うゼィ! と言えばイジーも承諾せざるをえません。
が、私にはセッション前に自分に課した決め事がありました。
それは、【事前に考えていた基本線三点は絶対に曲げない、その代わり他の要素については意見を違えたら別の可能性をきちんと考えてみる 】 というもの。
それは、一足あたり100000円という高額なセッション料金には、特別な素材を各パーツに使用できることはもちろん、本拠地ニューヨークから来たプロのアドバイスを直接受けられる、というサービス面も含まれているだろうと思うが故です。
なので、そのプロからのいきなりのダメ出しはスタートダッシュ失敗を意味していました。
開始5分あまりで、私はイメージの再検討 (しかもかなり重要な箇所) を行うことになったのです。
クロコダイルを手にしたままテーブルに広がる数多くの素材達を見回し、早速思考迷路にはまる私。
1分ほどもそうしていたら、イジーから
『 例えば、メタリックレザーと合わせるならこんなのがいいと思うんだけど 』
と助け舟が。
彼が差し出した素材は控えめながらも金属光沢を放つ赤銅色のレザーでした。
『 この素材は金属的だけど主張は強すぎないし、メタリックレザーとも相性はいいと思うよ 』
そう言う彼から素材を渡されまじまじ眺める私。
それから彼に、
「シューズ全体の色味をイメージすると、この色では少し明るめになる気がする」
と率直に印象を伝えます。
イジーの言う通り、素材の相性そのものは玉虫レザーと良さそうでしたが、私にその金属的レザーをチョイスするという選択肢はなかったですね、暗めな全体色に対しての蛍光色の挿し色……そのイメージが損なわれる気がしたんです。
で結局、また手元のクロコダイルに目を戻し、うんうん唸る私……セッション終了後に思ったことですが、ここで一旦クロコダイルから頭を切り替えられなかったことが時間の浪費につながった気がしますね、「できればやりたい」 クロコダイル導入に意識を縛られ、意見を違えたら別の可能性を検討すると心に決めていながらも、結局それを実践しきれない私がそこにいました(滝汗)
それではと次にイジーが差し出したのが、黒のパテントレザー。
『 色は完全に黒だけど、このレザーには光沢があるし、メタリックレザーとも個性をぶつけ合わないと思う 』
う~ん確かに、これなら良さそうな気がする、でもこれどうなんだろう、逆に地味すぎないかぁ? とかいう思いが頭をよぎります。
この時点でツッコミどころ満載です、明るめになりそうでヤダと言ったのに次は地味すぎとか思ったり、お前結局どうしたいねん! とあの時の自分に言ってやりたいw
そうなったのも、やっぱりクロコダイルを惜しく感じていたのが尾を引いていたからと分析できます。
少しして、私は一旦頭を切り替えることにします。
しばらく結論が出なさそうなアッパーはひとまず棚上げし、ソールの色を決めようと考えました。
そうすれば、シューズ全体の色のバランスがぼや~っとでも予想でき、アッパーの素材決定にも有効に働くかと思ったからです。
急に話を変え、
「ソールの色とかを先に決めたいんだけど」
と言う私に、
『 OK、じゃあそうしようか 』
と頷くイジー。
そこで私は面倒な疑問をぶつけます。
ソールは通常タイプのものと、ヒールにエアバックを備えたMAXエアータイプのものとが用意されていましたが。
好みの分かれるところですが、ルックス的に映えるのは、エアバックがビジブルになっているMAXエアーの方かなぁと。
ただ、MAXエアーの方はアウトソールがクリアソールなので、どうにも変色が怖い……通常タイプのものはアウトソールを通常タイプorクリアタイプどちらかに指定することもできたはずですが、逆にMAXエアータイプのアウトソールについてはクリアタイプしかできない、と事前に聞いていました。
その為、
「MAXエアーのクリアソールって、色はつけられないのかな」
と聞きます。
そこで、製品デベロッパーのウィルが口を開きます。
『 もちろんエアーバックの色は選べるよ、それでアウトソールの色は変えられる 』
ん?
私は再度確認、
「アウトソールになるクリア部分そのものに色を付けられるかが知りたいんだけど?」
ウィルは微妙な表情をしつつ、
『 クリアソールは透明だよ、その部分の色合いはミッドソールやエアーバックの色で決まる。 クリアソールに色が付いて見えるのはそれらの色が透けて見えるからさ 』
あれ、なんか微妙に認識の齟齬がある??
私はなおも重ねて質問、
「そういうことでなく、クリアソール自体を色を持って透ける状態にできないかな? クリアソールは変色が怖いから、完全に透明なままにはしたくないんだ」
……私の頭にあったのは、クリアタイプながらも色が付けられている、半透明アウトソールです。
それがビスポークでも使用できるなら、ソールはMAXエアーのバージョンでもいいかも、と思っていたのですが。
私の意図を理解したウィルは、
『 ビスポークではMAXエアーのクリアソールそのものに色を持たせることはしていない、あくまで透明なソールのみだ。 どうしてもと言うならクリアソールにペイントはできるから、MAXエアーでも色の付いたアウトソールにはできるよ 』
でも今度はその説明に私の理解が追いつかず、
「クリアソールをペイントできるということは、色付きで半透明なソールにできるということだよね?」
それに対し再びウィル、
『 君の欲しているものは、元々色を持たされて生成されたクリアソール、ということだよね。 そうではなくて、MAXエアータイプとして透明な状態で生成されたソールに、後からペイントを施して(つまり後から色を塗って) 任意の色にできる、ということだよ 』
……このやりとりは、今セッションで最も意思疎通に手間取った場面でした、私の表現の仕方が悪いせいで通訳さんやウィルには大変ご迷惑を……しっかしアホですなカーター(汗)
この場面、文章にすればこの程度ですが、相手の話を聞いてから少し考える時間というのもお互いありましたし、ウィルが席を立ってソールのサンプルを取り出して並べたりなど、実はすっごい時間とられてます。
この場面の時間ロスも、後半にかなり効いてきちゃうんですよ…
とにかくも、このやりとりの結果、そういうことならMAXエアータイプではなく通常タイプのソールにしようと決定。
で、色ですが、
アウトソールとミッドソールの色は別にできるので、まずはアウトソールの色を指定。
クリアタイプでなく通常タイプということなら、私の答えは決まっていました。
「アウトソールは、グリーンとかイエローとかの蛍光色っぽいカラーで」、
それに対しイジーは、
『 そうするのなら、ミッドソールはどうするんだい? 』
そうなんですよね、ミッドソールの色ってかなり重要です、アウトソールよりもずっと厚さがある部分ですし、横から見ると全体に対しても結構な面積を持っていますから。
ミッドソールにまで明るい色を使う、というつもりはほとんど頭にありませんでした。
セッションが始まって以降、蛍光色的な明るいカラーをオーダーしたのはこの時が最初でしたが、あくまで差し色として使うイメージである以上、他の部分であまり多く使いたくはない。
ミッドソールほどの面積を持つ部分には使いたくない、それが私の考えでした。
でもそうなれば、何色を合わせれば良いのか?
ここでまたパッタリと進行が止まり、グルグルと考え出す私。
目の前に並べられたソールのサンプルを手に取ったり、同席の店舗スタッフさんに意見を求めたりと逡巡する私を見かね、しばらくするとイジーが、
『 ミッドソールはアッパーと直接隣り合う部分だから、アッパーとの関係で色を決めた方がいい。 だから、まずはアッパーを最後まで完成させた方がベターだ 』
その助言に従い、セッションは再びアッパーへと戻ります。
状況は元へと戻り、玉虫なメタリックレザーと何を合わせるか、の検討です。
目の前に置いたままのクロコダイル素材を手の中で遊ばせながら、先ほど勧められた金属光沢を放つ赤銅色レザーと、黒パテントを交互に見やったり、さらに別の可能性を求めてテーブル上にズラリと並ぶ他の素材を片っ端に物色する私。
それをしばらく眺めていたイジーは、
『 シューズとして完成した状態をイメージすると、やはり統一感というのは非常に重要だよ。 そうすると、ここにもメタリックレザーを使うという選択もある 』
と、トゥボックスやクォーターパネル (スウッシュマークの始端がかかっているサイドの部分) を指し示し、それらにも玉虫レザーを使うのは有りだと助言。
しかしながら。
私が当初掲げた基本線において、玉虫レザーをメインに据え尚且つそれを生かす、というのがあります。
メインなので、このレザーが占める面積は当然広くなります……もちろん、アッパーのほとんどを玉虫レザーにする、っていうのもセッション前にも考えました。
しかし、それでほとんど埋めてしまうというのもちょっとどうかなぁ、とも思っていました。
アッパーのほとんどを玉虫レザーにすれば文句なくカッコいいのはわかっていました(実際、今回のビスポークではアッパーのほとんどを玉虫レザーにした参加者様もいて、それは抜群にカッコ良かった!)、が……ある程度は他の素材も混ぜて組み合わせることにより、その比較による相乗効果によって玉虫レザーの良さをより強調したい、そんな風に考えていました。
加えて、この素材は人気がありそうなので他のビスポーク参加者の方も何人も使うだろうからある程度は別の素材も組み合わせよう、と結論づけていたのです。
せっかくのオリジナルシューズですから、あまりデザインが近くなってしまうとその相手の方にも申し訳ないですし(汗)
……とは言え、デザインが近いということはツボが近いということですので、ほとんど変わらないデザインのビスポークを作った方には、‘‘我が同志よ~♪’’と叫んでハグしたいですが(大笑)
ということで……トゥボックスやクォーターパネルはかなり目に付きやすい箇所でもありますし、そこにまで玉虫レザーを使うよりは、違う素材を使いたい………そこでしばらく、前に並んだ赤銅色レザー、黒パテント、玉虫なメタリックレザーの三種を睨みつつ黙考する私。
そして、テーブルに並ぶ他の素材にも順々に目を移し、他の可能性も検討。
この時、黒ヌバックレザーや黒コルク素材なども頭をよぎりましたが、少し考えすぐに却下。
前述の 【相乗効果によって良さを強調】 をさせるなら、玉虫レザーと組み合わせるのは同じような質感を持った素材にすべきと結論しまして。
やはりある程度光沢がある素材でないと……店舗スタッフさんともあ~でもないこ~でもないと意見を交わしつつさらに考える事しばし……ピンときた!
……というところで、なんと、次回に続きます!!
まさかの、一記事あたりの文字制限【半角40000文字】に引っ掛かるという衝撃の展開(汗)
以前のドワイト・ハワードの来日/ギャラリー2さんでのイベントリポートの時も文字数が上限をうったので少し削ったのですが、今回のBESPOKEリポートは全く収まらないので記事を分けねばならず……続きはまた後日に。
また文字ばっかりになるでしょうが、今回よりは写真も増えますのでよろしければまたお付き合いくださいませ(微笑)
あ、でも、次の更新は今回の続きではなく、クツの紹介をするかも……新たに入手した一足があるので。
どちらを更新するか、今から考えますw
以上、本日はこれにて。
また次回に~!
※続編(リポートその2)はこちら↓※
http://ameblo.jp/carter-15/entry-11119432313.html