書家 清水恵エッセイ 『 ときどき書心 』vol.13 | インテリア書道の専門店 & ギャラリー キャレモジ

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明治神宮前のギャラリーでは、インテリア書道・墨アートの作品販売のほか、額装(表装)も承っております。

和紙作家・坂本直昭さんの創作和紙に惚れこ

んで、はや30年。和紙の温かな質感や渋い

染めの色合いに魅了されつづけています。

以前、有名なある女性の表具作家さんが、

「直さんの和紙を使うと何でもよく見える」

と言っていたのを忘れられず。それはまった

(おっしゃ)るとおりで、この私の書作品でも高級

感が出て上等に見えるのは確かです。

「でもね、それだから自分の実力の無さがよ

くわからなくなってよくないこともある」

とも、その作家さん。これまた(おっしゃ)るとおり。

つい先日、久しぶりに千石にある坂本さんの

お店で直さんにお会いしました。新潟の小国

町のほかに2カ所ほど工房をお持ちで、日々

の生活から制作に至るまで何もかもすべて独

りで手がけていらっしゃるとか。

なるほど他人の手を一切介したくないその頑

固さこそが芸術の粋。ちょっとでも他人の手

が入った途端、何かが変わってしまう怖さ。

妥協したくない、それが芸術の究極である以

上、孤独は免れません。改めて直さんは孤高

の人と憧れる私でありました。

作品タイトル: 「 今年1年に花束を! 」