ここのところテレビでも「糖質制限食」が取り上げられる機会が増えております。

それに伴い、これまで通りというか予想通りというか、稚拙な反対意見がネット上でも散見されますね....と言っても前からあったんですが(;´Д`)。

「糖質ものに利害関係を持つ各種業者さん」とか、「お薬関係に利害関係を持つお医者さん」が反論を述べてるのはまぁ分からんことはないですけどね。

彼らも「ショーバイ」でしょうし(´∀`*)ウフフ

気になるのは、一般の方々ですね。「糖質制限食」が気に入らんのなら自分がやんなきゃいいだけだと思うのですけども。

なぜかネット上では、ちょっとばかり知性と教養の足りない方々が、無責任な情報をシェアしたがるケースが多いですねぇ。無闇に批判して喜んでるというか。実名じゃ絶対ようやらんでしょうけどね。

まぁ、いずれも無根拠なただの「信仰」みたいなもんなんで、ほっておけばよいのですのが。

情報が氾濫してるので、そういった意見に不安を煽られる方も少なくないようです。

ということで、よく見かける馬鹿げた意見を順番に粉砕していきましょう。

本日のお題。

「日本人は古来より農耕民族である。だから米飯菜食が一番いいのである」

から行きましょうか。

無教養丸出しでこんなの書くのも恥ずかしい\(//∇//)\感じなんですが。

どっから行こう。えー....一番大枠から行きましょうか。

まずね、「農耕民族」なんて学術用語はありませんの

これはイメージ以外何も伝えない、限りなく無意味な俗語でございます。

文化人類学および関連する学問の世界で使われるのは、下記の用語です。

hunter-gatherer society: 狩猟採集(漁労も含むよ)社会

agrarian society: 農耕牧畜社会

どーもちょっとばかり知識がある人でも勘違いしてる人が多いんですけどね。例えば、

・「狩猟採集社会」には「漁労」は含まれない

・agrarian society は「農耕社会」で、「牧畜」は含まない

・「農耕」と「牧畜」は対概念だ

とかね。

全部間違いですよ。

hunter-gatherer society(狩猟採集社会)の定義は、「食べ物を主に野生動植物から得る人々の集団またはその生活様式」です。

agrarian society(農耕牧畜社会)は、「食べ物を人工的に育てたものから得る人々の集団」。

たぶん、agrarian societyを「農耕社会」と訳してしまったところにも誤解の原因があるんでしょうねぇ。

日本語の「農耕」は「植物を育てること」を意味しますが、「農業」は「農耕+畜産」のことです。

だからagrarian societyの訳語は、「農業社会」の方が適切かもしれません。

まぁそれはおいといて。

日本人の多くがウルトラ勘違いしてる大きな要因は、

「農耕牧畜社会」

という学術用語を

「農耕民族」

という俗語に

勝手に置き換えてしまってる点にあると思うのです。

ちなみに「農耕民族」という世界でほぼ日本人しか使わない奇妙な言葉。

近代になってからある哲学者のおっさんが使い始めたものです。

人類学とも歴史学とも何の関係もないのれす。

さらに、agrarianという言葉は、「農耕+牧畜」を意味しているのに、なぜか日本では後者が抜け落ちてしまうのですねΣ(゚д゚;)。

確かに、大昔の日本というか今で言う日本列島では、農耕に比べて、あまり牧畜は盛んではありませんでしたけども、それなりに行われてはいたのですよ。

豚の飼育に関する記録は珍しくないし、平安時代から牛乳や乳製品の摂取も始まってますからね。

日本列島に住まう人々の食の歴史については後述しましょう。とりあえず確認。

「農耕民族」なんて言葉使ってる時点でかなり無教養aya

いいですか?覚えましょうね。

さて、日本列島に住む人々の一部も、「狩猟採集社会」から「農耕牧畜社会」へと生活様式を変化させて行きました。今からおよそ三千年くらい前にこのシフトが始まったとされています。

と言っても何もすっぱり生活様式が入れ替わったわけではないのは当然ですよ。住むところによって生活スタイルが違うのは言うまでもないですし。

それこそ大昔から....今でも....日本列島には猟師さんもいれば漁師さんもいますからね。彼らはまさに狩猟(漁労)採集で食べ物を手に入れているわけです。

ちょいと話を飛ばして奈良時代、某国の制度を真似っこして、「コメ」を通貨代わりにしようとする律令制度---ここだけ捉えて正しく言えば班田収授制ですが---が始まりました。

現代日本人の「コメ信仰」はこの辺に遡るんでしょうね恐らく。仏教が肉食を禁じてたって事と相まって、

ニッポンでは古来よりコメが大事だったんだ

みんなコメと野菜食ってたんだ。肉食わなかったんだ。

だからコメ食うのが一番いいんだ

というトホホの極みな短絡的イメージがしっかり刷り込まれるようになったみたいです。

「文化」や「制度(経済)」的にコメが重要な役割を(表向きだけでも)果たしていたという点については、私も異論はございません。

でも「通貨」として用いられていた特殊な経済性作物を、遍く一般庶民がそう毎日ばくばく食べられるわけはないのです。

興味ある方は日本の食生活史を調べてみればよいでしょう。今回は省略しますけども、日本列島の皆様は、米もその他穀物も、獣肉も魚肉も、まぁ当たり前ですがあらゆるものを食べてきたのです。

江戸時代にもなかなか面白い話がありますが、次回以降のネタに絡むのでそちらで紹介しましょう。

それでは、今日のように、日本人全般がコメを食べるようになったのはいつかと申しますとね。

昭和に入ってから

です。1939年(昭和14年)になって初めて、米の流通を政府が管理するようになりまして、そっから一般庶民にもコメが行き渡るようになったのです。

分かりますよね?

「和食」と言われて皆さんが思い浮かべるであろうあのイメージ(ニッポンの朝ごはん的なアレね)。

つい最近出来たものなのですよ。

はい確認。

文化的・経済的・政治的に重要であったことと、広く一般人が食してたということとは、無関係

です。

難しくないでしょこの話?

よーするに、

一、日本人は、「農耕民族」なんかじゃありませんヾ(´▽`)

一、古来からコメを主食にしてた人はごくひと握り(´ー`)/~~

ってことですよ。

別に「和食が身体に悪い」なんて言うつもりはないのですよ。

「和食は低カロリーでヘルシー♪」という類型的きわまりないというかかなり思考停止的フレーズが全部間違ってるとは思いません。

でもね。

「日本人は古来よりコメ(特に現在主流の精白米)を主食としてきた」

とか、

「伝統的な和食が最も日本人の体質に合っているのだ」

とかは、

歴史も科学もまるで無視しているただのお・は・な・し(´∀`*)

まるで根拠がございません。

だってさ、ちょっと考えたら分かることですけどね。

「伝統的な和食」

って、

いつの時代の食事のこと言ってるの?

縄文?

奈良?

室町?

江戸?

明治?

食生活って時代によって大きく変わってるんだけど。

今私たちがイメージするような「和食」がいいの?だったらアレはいつ成立したの?

どうぞ調べてみて下さいよ。

私たちの言う「和食」が大した歴史持ってないのはすぐ分かると思うよ。

体質うんぬんについては過去のエントリもお読み下さいね。

http://ameblo.jp/carbo-free/entry-10945321011.html

科学の枠組みで考える限りはまずありえないと言っていいでしょう(ヾノ・∀・`)ナイナイ

「日本人には和食が一番♫」

なんてのは、

刷り込まれたイメージ

つーまーりぃー、

ただの信仰

でございます

ちなみに。

日本糖尿病学会のエラぃさん達(一部ですが)、こう公言されてますよ。

「コメ食べて糖尿病を予防しよう(`∀´)!」

「コメ食べて糖尿病を治そう(`∀´)!!」

......(ノД`)(ノД`)(ノД`)

その根拠が上で述べてるアレですわ。

あーあ、だね。

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