2010パリモーターショー(その7) | CAR STYLING公式ブログ
●CITROEN LACOSTE Concept 

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シトロエンとラコステのコラボレーションだからシトロエン-ラコステ。2つのブランド名がそのまま車名になっているコンセプトカーです。ラコステといえば、ワニのマークのポロシャツが有名なファッション・ブランド。ゴルフウェアの定番にもなっていたことから、少し前までは「オッサンくさくてダサい」という印象が染み付いてしまっていました。しかし現在は積極的なイメージ戦略と商品展開で、ふたたびポップで先鋭的なブランドへと印象が転換しつつあります。
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シトロエン-ラコステは両社が共有する大胆さ、創造性、楽観主義といったビジョンや価値観を助長して生まれたものだとか。ドアも屋根もなくゴルフカートかはたまたサンドバギーかという車体構成は、アウトドア・スポーツとの親和性を意識したため。とは言っても既存の泥臭いオフロード・モータースポーツや重装備のエクストリーム・スポーツではなく、あくまでカジュアルかつファッション性も演出できるスポーツのイメージを投影した、どちらかといえば牧歌的なスタイリングとなっているのがラコステたる所以です。 
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思い返せば、GT byシトロエンではコンピューターゲームなどにおける仮想現実との親和性を持った刺激的なスタイリングが表現されていました。仮想空間における「クルマらしさ」を追求しつつ、現実にも成立し得るデザインです。いっぽう今回は、現実世界での「クルマらしくなさ」を追求しつつ、クルマとして成立するデザイン。一見すると両極端ですが、いずれも自動車として成立しつつ、どこまでその概念を拡張できるかという実験的アプローチは共通しているといえます。 
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諸元はパワーソースが直列3気筒エンジン、車体寸法は全長3450mm、全幅1800mm、全高1520mm、ホイールベース2300mmとだけしか公表されていません。ハードウェア性能はアピールポイントではない、ということなのでしょう。なおシトロエン-ラコステのスタイリングには、テニスやゴルフなどの商品の意匠や造形イメージが反映されているそうです。また後席に座るには、引き出し式のステップに足を乗せて跨ぐ必要があります。運動不足の人には辛いかもしれませんが、日頃から身体を動かすスポーツに親しんでいる人ならば問題ない……ということでしょう。まあ自動車としての使い勝手を心配することは無粋なのかもしれません。あくまでイメージを演出するマヌカンなのでしょうから。

ファッション・ブランドに敏感な若者にシトロエンを、逆にファッションに少々疎いクルマ好きにはラコステをアピールする、それがこのコンセプトカーの目的のひとつ。そしてそれは、従来の手法や判断基準を逸脱したカーデザインの可能性を探ることにもなっているというわけです。

以下はデザインスケッチとプロトタイプの製作風景。 
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以下は完成したプロトタイプ。
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次回からはドイツ勢の紹介に移ります。
(文:古庄速人、写真:古庄速人/シトロエン)