LRT(次世代路面電車)における「3つの疑問」・・・(*過去記事更新版)
↑【本ブログ管理者撮影動画】ゆとりーとライン 守山→竜泉寺口
*車両は日野自動車「ブルーリボンシティ・ハイブリッド」
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本ブログ管理者想定の架空地方都市における交通イメージ図
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専用軌道を走る名古屋ゆとりーとライン(本ブログ管理者撮影)
↑【本ブログ管理者撮影動画】
ゆとりーとライン専用軌道走行中における運転手の手に注目!
本ブログ管理者が、
「LRT絶対論」に疑問を持っている
ことは、本ブログ過去記事において既報の通りであります。。。。
(今回は、これをおおまかに3点に絞ってまとめて箇条書きいたします)
★疑問1
「LRT整備がすべて街の活性化に結びつく」
↓
本ブログ過去記事参照リンク↓
■名古屋名物「ミッキー・バス」を『基幹』とした市街地再整備を妄想する・・・1
*
最近、日本でもLRT(高速路面電車)論が活発である。
それ自体は、私も、これといった異議はないが、
LRT推進論者がよく口にする
☆「LRT導入」=「街(商店街)の活性化」
・・・っていう図式については、ちょっと疑問???☆
:
日本で路面電車が有る街・・・(豊橋、函館など)
これら地方都市の中心商店街は、何故、寂れたの?
っていうような野暮な質問は今更しないけど、
★
たとえば、東急が世田谷線に新型電車を入れたのが原因で、
沿線の上町や世田谷、松蔭神社あたりの商店街が従来以上の賑わい(売上)を見せた・・・
って言う話は聴いたことがない。
★
だいたい、公的補助が薄い(建設費用を行政が全面負担しない)状況では日本で新規路線としてのLRTの成功は絶望視・・・
っていう記事が(岡山電気軌道社長のコメント入りで)日経トレンデイ2006年6月号に既に出ている。
:
日本でLRT成功例とされる岡山、広島、高岡、富山、和歌山、東京世田谷・・・
↓
いずれも既存施設を再利用している(新規工事は僅かである)ので設備投資が少額で済む所ばかりである
・・・・・・・・・・
確かに、旧富山港線のLRT化によって、
一部の観光施設では入場者数が急増したというニュースを聞くが、
それは、
別に便利な交通機関だったら何でも良いんでしょ。。
(たとえば、LRT電車以外のもの・・・・・
高速道路が出来ていたとしても、
間違いなく入場者数は増えていたのではないか?)
*
別に、必ずしもLRTである必要性・必然性は全く無い
(たとえば、高速道路が開通して入場者数を急増させた施設なんて
日本の地方都市ならば、どこにでもある話である)
★疑問2
「LRTはバスに比べて環境に優しい」
↓
本ブログ過去記事参照リンク↓
■「(架空)おれ野市」交通審議会
*
気になった新聞(関連)記事・・・・・
欧州、路面電車延びる・環境に優しく再評価
(日本経済新聞2007年12月22日)
:
欧州各地の主要都市でトラム(路面電車)の拡充・新設などの動きが相次いでいる。自家用車やバスに押されてトラムはいったん衰退したが、地球温暖化への関心が高まり、環境にやさしい都市交通システムとして欧州で復権しつつある。
欧州連合(EU)機関が集積するベルギーの首都ブリュッセルでは今年7月、南北の約16キロメートルをつなぐトラム4号線が開業。市内をめぐるトラムの総延長は約131キロメートルに及ぶ。
市交通局の担当者は
「電気で走るトラムはバスに比べて環境への負荷が低い」と指摘。市中心部と空港を結ぶルートなど2路線の新設計画もある。
↑
バカ言ってるんじゃねぇ!(とくに上記青太字部分)
バスだって、最近ではハイブリットとか、燃料電池とか、
アルコール(有機)・バイオ燃料とか、水素とか有るだろうに、、、
LRT電車の動力元になっている「電気」の源だって、
石油火力か(東日本大震災前は)危険な原子力が主流じゃねぇのかよ!
トロリーバスだったら文句無いのか? お前らは??
*
とにかく、
日本を代表する経済新聞が、
一般読者を間違った世論形成に誘導することに対して、
本ブログ管理者は、非常に不快感を覚える【怒】。
★疑問3
「LRTは専用線路があるのでバスより安心感がある」
↓
気になった新聞(関連)記事・・・・・
次世代路面電車LRT続く進化…“都会の足”へスマートに
(Fuji Sankei Businessⅰ.2007年12月4日付)
:
大人数の輸送が可能な電車でありながらバスのように地上の街中を走り、お年寄りにも、買い物袋を抱えた若者にも優しい次世代路面電車「ライトレール(LRT)」が、富山などで中心市街地を活性化しています。先月、東京大学生産技術研究所の千葉実験所(千葉市)に国内の大学で初となるLRTの「鉄道試験線」が敷設。ライトレールの進化に向けた研究が進められています。
≪東大が本格実験≫
≪感覚にこだわり≫
「東京でも、都電荒川線の池袋までの延伸や東急世田谷線の延長などを唱える人もいる」(須田教授)など、ライトレールのポテンシャル(潜在需要)は高い。江東区でも構想が持ち上がっている。
単なる鉄道走行技術の開発に使うというのではなく、人、自動車、道路、信号機、ライトレールが共存する次世代交通社会を研究できるというのが、試験線のポイントだ。鉄道の敷設費用は一般に1メートル当たり十数万円といわれるが、千葉実験所も千数百万円かかったという。
「どうして鉄道にこだわるのか、道路を走るならバスでもいいのでは」。
須田教授に率直な質問をぶつけたら、こう返ってきた。
「道路に線路があると安心感が全然、違うんですよ」
↑
バカ言ってるんじゃねぇ!(とくに上記青太字部分)
日本を代表する最高級の研究機関が、こんな馬鹿言っていて良いのか?
:
だったら、
名古屋のガイドウェイバス
(ゆとりーとライン・・・・冒頭YouTube動画など参照)
や、
同じく名古屋の基幹バスはどうなる???
(ちゃんと「道路にバス用の専用線路らしきものが存在」!!)
↓
【本ブログ管理者撮影動画】名鉄バス 徳川園新出来→引山
↑【本ブログ管理者撮影動画】名鉄バス 松坂屋前→市役所
最後に・・・・・・
事業者側からの主張広島電鉄社長 大田哲哉氏 のコメントより
引用
↓
〔大田氏〕公共交通は都市規模により整備の仕方を変えるべきです。
昼間人口100万人以上の都市は鉄道や地下鉄がやはり必要です。
逆に20万人以下ならバスが適当
でしょう。
出典:経済サロン 【中国新聞ビジネスインタビュー2006年12月22日】】
とにかく、
(本ブログ管理者としては)
何がなんでも
イベントとか
テーマパークのアトラクション的な感覚で
LRTを祭り上げようという方向に持っていこうとする
最近の学会(知識人・学識者といわれている人達の集まり)および
新聞マスコミ等における世論形成の傾向に、
強い不快感
を抱いていることだけは主張したい。
決して各地の LRT構想を何が何でも否定しようというものではないが、
(既存のバス路線の改良も含めた上で)
冷静な目での議論・検討が必要なのではないか・・・・・・・・・・・・・・・・・
もともと、
日本とヨーロッパの街の造り方が大きく違う・・・・・・
(欧州都市との都市交通システム比較論自体が無意味?)
*あくまでも本ブログ管理者の、それこそ「感覚」だけの発言だが、、、
↓
ヨーロッパの街と日本やアメリカなどの街を比べてみますとよく分かると思いますが、
ヨーロッパでは、昔の城塞都市のなごりから、
街の中央部に密集して人が住んでいる。
一方日本では、かつての城下町の範囲を越えて
街の中心部から郊外にかけて、途切れ目無く住宅が建てこんでいます。
(中心部に隣接部分=近隣郊外部の密度は欧米より高い)
そのため、
ヨーロッパでは、
街の中だけで一つの住システムが完結しているような感じなのに対し、日本の都市は、郊外も含めた形で街のシステムが作られています。
そのため、
ヨーロッパでは、全ての日常生活行為が街中で足りる感覚があるため、
(上述の東大教授には、この「感覚」が欠如していたものと思われるが、、、)
↓
なので、欧州都市では
市街電車のような物があれば
確かに、一般生活での車の使用頻度が極めて低くなりそうです。
(対する俺は、仙台郊外で生まれ育ち“移動”に大変苦労した(`×´))
一方日本では、郊外と街中心部の明確な区分境界点が無いまま延々ダラダラと続いているため、
公共交通網が未発達な郊外拠点間だけを繋ぐ必要がある交通が多く生じて
必然的に車の需要が増え、
街中心部だけの運行の市街電車では、日常生活にほとんど役にたたない場面が多く発生します。
*長崎市みたいに、谷底に沿って細く長い市街地に密集して住んでいるようなところだったら、話は別ですが・・・・・・・・
(深い谷底にある中心部が、欧米の「囲まれた城塞の中」に近いイメージ)
これは、基本的な街の作り方(都市構造の違い)に起因すると思います。
ってな訳で、
ナンデモカンデモ欧州都市の猿真似をするのではなく、
わが国・わが街(ご当地)には、それなりの環境に合致した
都市問題のソリューションを考えていくのが良いのだと思います。
*
バスのような“ゴムタイヤ(ゴム製の車輪)”は、摩擦力が多く効率が悪いという意見も一部に存在するが、
確かに電車の鉄輪に比べれば「転がり抵抗」の面で非効率で不利だけど、
そもそも、都市内を木目細かく走る交通機関において、
郊外の快速電車のようなスピードが必要になるとは到底思えないし・・・
(東京お台場の「ゆりかもめ」並みの運行速度で充分だと俺は思うが、、、)
↑↓【本ブログ管理者撮影動画】ゆりかもめ 前面展望(船の科学館で分割)