ドラクエ5冒険日記(40) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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      読むドラゴンクエストの世界へようこそ。

プチタークとプオーンを仲間にしたカイン。
仲間にしたばかりのタークとプオーンを
早速モンスターじいさんに預ける。
ついでにデボラも、グランバニアで休息をとらせることとし、
代わりに、ピエールとゴレムスを呼び戻し、
かつ、以前から冒険に参加したがっていたピピンを
仲間へと加えた。

途中参加のピピンであったが、
ピピンの成長は著しく、
あっと言う間に、
カミュやピエールよりも腕の立つ兵士へと育った。
そんなピピンの腕試しという意味も込めて、
カインは、再びエスタークに戦いを挑んだ。

新戦力ピピンの加入もあり、
また、ベホズンの活躍も大きく、
前回33ターンかかってしまったエスターク攻略を
21ターンに縮めることができた。
「次はこうはゆかぬぞ。」
エスタークは、また同じことを言い、
同じように灼熱の海へと沈んでいった。

どうやら、エスタークは、
何度でも腕試ししてくれるようであるが、
カインは、21ターン撃破、という事実に、
それなりに満足していた。
しかし、撃破ターン数には満足していたが、
エスタークの親子再会を果たしていないことに気付いた。
それに気付いたカインは、
またグランバニアへ飛び、
タークを仲間に引き入れた。
その代わりに、サンチョに休養を与えた。

タークには、何の経験も積ませていないのだが、
剣の腕は、ピピンをも凌ぐ手練だった。
カインはタークを連れ、
エスタークのもとを三度訪れた。
しかし、
エスタークとプチタークを会わせることが目的だったのに、
また、挑戦心が疼いてしまったカイン。
ついついエスタークに手合わせを願ってしまった。

実の息子がいたとしても、
エスタークの攻撃は容赦がなかった。
また、実の親であったとしても、
タークの攻撃も容赦がなかった。
エスターク親子は、激しく斬り合った。
まるで、
ライオンが子供を千尋の谷に突き落とすようなものかと、
カインは思っていた。
親子ながらに、手加減をしないことで、
愛情を示しているのだと、カインは思っていた。
それが、そうではなかったとカインが知ったのは、
そのほんの少し後のことである。

エスタークとの3度目の戦いも苛烈を極め、
カインはドラゴンの杖で戦いのドラムを叩きながら、
エスタークをも叩いた。
ゴレムスは気合いをためて、エスタークに斬りつける。
タークは、見事な剣技で、エスタークを苦しめる。
ベホズンのベホマズンは、
無尽蔵とも思えるほど、一行の体力を回復した。
ピピンの出番はわずかになっていたが、
以前と変わらぬ腕前で、エスタークにダメージを与えた。
クレアのイオナズンもまた、強力なものであった。
カミュは、もはや、
申し訳程度にベホマラーを使うだけの存在になっていた。
歴戦のピエールは、結局馬車を温めるだけに止まり、
かつての存在感をアピールすることができずにいた。

入れ替わり立ち替わりの波状攻撃を前に、
エスタークは、苦しい思いをしていた。
次はこうはゆかぬ、と連呼しながら、
戦えば戦うほど、容易に敗れてしまう自分がいたのだから。
タークの加入の前に、
エスタークは19ターンで散ってしまった。

「次はこうはゆかぬぞ。」
エスタークがそう言うとばかり思って、
カインも、沈みゆくエスタークの言葉を待った。
一方で、親子の再会について、
エスタークが何かタークに対する言葉を考えているとも思った。

「タークよ。よくやった。よくぞ私をここまで苦しめる実力を手に入れたな。」
「父さん。オイラやったよ。宝箱の中で修行を続けて、ついにここまでの剣技を身に付けたよ!」
「もう私に言うことはない。この後は、好きに旅をするといい。仲間と旅をするのもよかろう。」
「ああ。オイラ、カインの仲間になったんだ。オイラ、もっともっと腕を磨くからな。」

これは、カインの想像の中での会話。
エスターク親子が、このような会話をすることを
カインは期待して待った。

ところが、エスタークの口から出た言葉は、
カインの耳を疑う言葉だった。

「私が、子を騙る輩に倒されるとは・・・。」
タークがエスタークの子だと信じていたカインは、
エスタークのこの言葉に、驚愕した。

エスタークがすごろくを愛していたのは確かなはず。
すごろく場を整備したのも、エスタークであるはず。
ならば、当然、すごろくの景品を準備したのも、
エスタークでなければならない。
エスタークが、タークのことを知らないとなると、
どういう経緯で、
タークはすごろく場の宝箱に潜り込んだのか。

カインが、そんなことに頭を巡らせている間に、
エスタークの次の一言が発せられた。

「あるいは私の子なのかも知れぬ。目覚めたばかりで、それも思い出せぬ。」

少し前の、カインの疑問、
すなわち、
タークは、いつの子供なのか、
エスタークは、目覚めたばかりなのに、
いつの間にすごろく場を整備したのか、
などなど、数々の疑問は、
結局、帝王の記憶の底に閉じ込められ、
カインが真実を知ることは、できなかった。
ただ、これだけははっきりとわかった。
エスターク親子は、
絆を深めるために全力で戦ったわけではなく、
帝王は、子とは知らずに苛烈な攻撃を仕掛けたし、
タークもまた、絆のためではなく、
そこに戦いがあるから、全力で戦ったのだと、
カインは解釈した。


さて、帝王とタークの対面が、
それほど感動的なものではなかったことが、
カインにとっては気懸かりだったが、
何はともあれ、
帝王撃破に19ターン、と、
満足のいく結果を残せたカインは、
沸々と沸き上がる気持ちがあった。
それは、魔界の王ミルドラースへの挑戦心であった。
魔界へ行くには勇者が必要だと言ったのは誰であったか。
勇者でさえも、魔界の王には叶わないと言ったのは、
いったい誰であったろうか。
それは、パパスとマーサの言葉であったように、
カインは記憶している。
敬愛する偉大な父と母の言葉を信じて、
これまで旅を続けてきたが、
カイン自身、
もはや生前のパパスの年齢と同等のところまできている。
父と母を超えること。
いずれその日が来ると、カインは漠然と思っていたが、
エスタークを倒した今になって、
その漠然とした思いを
実行に移す日が来たような気がした。
そう、勇者がいなくても、
たとえひとりでも、
魔界の王ミルドラースを僕は倒してみせる。
カミュは、勇者で、自慢の息子で、頼りになる存在だけど、
カミュにはカミュの冒険がある。
ミルドラースを倒すことは、
確かにカミュの冒険でもあるけれど、
この、僕の冒険を締めくくるのは、
僕自身しかいない、とカインは心積もりを決めた。
こうしてカインは、
ルイーダの酒場を目指し、グランバニアへと飛ぶのだった。


カイン:レベル45
カミュ:レベル42
クレア:レベル42
ピピン:レベル35
ピエール:レベル42
ゴレムス:レベル35
ベホズン:レベル19
ターク:レベル3
プレイ時間:38時間47分





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