ドラクエ5冒険日記(21) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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カジノ船での新婚旅行を終えたカインとデボラ。
カインにもだんだんわかってきたことだったが、
デボラは世間知らずであった。
強がった発言が多いものの、
基本的には、パパと一緒にしか行動したことがなく、
今、晴れて自由の身になったという。
自由な上に、しもべまでついて、
結婚とはなんとすばらしいことだろう、と喜ぶ。
しもべとは、もちろんカインのことである。

奴隷期間中は反抗的な姿勢を示していたカインだったが、
もちろん、今、カインは従順だった。
明らかにデボラとの結婚生活の影響であるが、
カインは今、紳士であった。

カインは、奴隷生活があったので、
自分自身も世間を知らないつもりでいたが、
デボラが、自分よりもっと狭い空間で生活してきたことを知ると、
せめて自分が知っている町を紹介しようと思うに至った。
カインは、時系列を追って、自分のこれまでを話しながら、
町から町をエスコートして回った。

思い出の地、ビスタ港のことはデボラも覚えていた。
幼き日に、船に掛け上がったあの日のことを
デボラは今も忘れてはいなかった。
サンタローズへ案内したときは、
デボラは滅びたサンタローズの状況を哀れんだ。
そして、
思い出を話しながら、気分を悪くするカインを心配して、
宿で休もうと提案する。
これらは、どれもカインにとって新鮮なことだった。
時折驚くカインを見て、
「なによ、その顔は?」
と怒ったような表情をする。
そんなとき、カインはいつでも下手に回っていた。
ごめんごめん、と、
そんな表情で返すのだった。

そうしている間にも、
デボラは、旅を急いだほうがいいのでは、とカインに問う。
確かに急ぎたい気持ちもあるカインだったが、
急ぎたい旅だからこそ、
旅仲間との信頼関係が重要だと思っていた。
もちろん、デボラは妻なのだから、
より深い関係を築きたかったし、
もう少し思い出話を聞いてもらいたいと思うカインだった。

アルカパへ寄ったのは、
単なる町紹介のつもりだった。
ビアンカとの話など、する必要もないことだったので。
しかし、むしろデボラのほうが言う。
「ビアンカっていい子ね。美人だし。でも私のほうが美人だけどね。ちょっと会うくらいだったら、私妬かないからね。」
これは、是非会ってお礼をしましょう、という意味。
デボラの言葉は、素直なんだか素直じゃないんだか、
よくわからない、と思うカイン。
でも、その言葉の言わんとすることは、
徐々に理解できるようになってきていた。
ただ、カインにはまだわかっていなかったことがある。
「でも私のほうが美人だけどね。」と、自ら口にさせることは、
紳士としては、いささか誉め下手であり、
本来なら、先に「いや、キミのほうが美人だよ。」と、
言うべきなのかもしれなかった。
そんなカインに、ブラウンが再度忠告をする。
「ヨイショ!ヨイショ!」
カインは、ブラウンを見て、
自分の手落ちに気づき、
そうか、しまった!と思うのだった。
それにしてもブラウン?
「ウン?」
君の言うことは、いつも一貫してるね。
「ウン」
いつもブラウンに感心しているカインだった。


ビアンカやヘンリーやマリアに、
結婚式参加のお礼を言うために、
カインとデボラは各地を巡った。
それから、パパスの死んだ遺跡へも。
デボラは、深い追悼の表情をしていた。

カインは、パパスにデボラを紹介するためにここに来た。
父さん。
母さんを見つけるより先に妻を見つけたよ。
僕たちは、今から力を合わせて伝説の勇者を探し、
そして母さんを助けるかからね。
カインが手を合わせると、デボラもそれにならった。

カインは、
そういえば、こんな情報を入手していたのを思い出した。
かつて、ミルドラースという者が、
究極の進化を遂げようとしたがゆえに、
魔物となり、神より魔界に封じられた、という情報。
そんな存在は魔界の王にもなりかねない。
情報主の兵士は、確かそんなことを言っていた。
「魔界」・・・。
それは母さんがいる場所。
母さんを助けるため、
この先ミルドラースと戦うこともあるかもしれない。
いや、もし、母さんの力が魔界に通じるものだとしたら、
母さんを連れ去った者は、魔界の王と無関係であるはずがない。
父さんの推測と、情報主の兵士の推測と、僕の推測と、
全部推測で成り立つ論理ではあるけど、
僕はミルドラースを倒さなければならない。
父さん、どうか、それまで僕を見守っていてほしい。

長い黙祷の中で、カインはそんなことを考えていた。
そして、カインとデボラは、遺跡を発つのだった。


さて、次の目的地であるが、
テルパドールという砂漠の城に、
勇者を奉ったお墓があるという情報を得ている。
勇者のお墓があるということは、
その子孫がいるかもしれない。
カイン一行は、船による大航海で、
テルパドールを目指し、たどり着いた。

果たして、この城に勇者の子孫はいるのか。
そして、勇者の子孫もまた勇者であるのか。

カインは、はやる気持ちを抑えながら、
長旅での疲れを癒すべく、宿で眠りに就くのだった。


カイン:レベル21、プレイ時間11時間50分
パーティー:カイン、ブラウン、スラりん、ピエール、ゲレゲレ、ベホマン、デボラ




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