ドラクエ4冒険日記(27) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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スタンシアラの王様を笑わせることで、
天空の兜を譲ってもらおうと思っているカイン。
まずは、おもしろい錬金術師、オーリンの元へと飛んだ。
ところが、オーリンと再会したとき、
オーリンは、カインの顔を覚えていなかった。
「エドガン殿のお嬢様たちは今頃どうしているだろう。」
と、独り言を言っていた。

カインは微妙にショックを受けていた。
勇者なんて言われているけど、
ネネの時といい、
自分は印象が薄いんだなぁと、改めて思うのだった。

さて、天空の兜のために、
どうしてもオーリンについて来てもらいたいカイン。
いや、大怪我しているから、
実際ついて来るのは無理だとしても、
せめて、今のカインの状況を知ってほしかった。

しかし、よく考えれば、
そもそも印象の薄いカインと、
初対面のライアン、トルネコ、ブライを連れてきたのは、
間違いだったことに気付いた。
そこで、オーリンと縁の深い燃え尽き姉妹を呼び、
オーリンを説得してもらおうと試みるカイン。
しかし、
姉妹には、そんなモチベーションは残っておらず、
ただ、オーリンに、
「なんと、バルザックを倒したと?天国のエドガン殿も喜んでおられることでしょう。」
と、喜ばれ、
その話題で一緒に喜ぶのだった。

姉妹の旅は、一旦終焉を迎えていた。
だから、姉妹は、天空の武具には全く興味がなかった。
そして、もちろんオーリンも仲間になってくれなかった。


こうして、カインは、オーリンの説得に失敗し、
次の候補、モンバーバラのパノンを目指す。


ところで、
ミネアとトルネコが、こんなやりとりをしている。
「旅が終わったら、マグマの杖を売ってくれませんか?」
と、トルネコ。
「マグマの杖は錬金術で作られたもの。」
と、父の職業と繋がりのあるアイテムを手放したくないミネア。
カインは、なんとも使い道のわからないこの杖について、
トルネコとミネア、どちらが持っていても良かったが、
燃え尽きたミネアに再び熱い想いを
というアリーナの心意気を買って、
期が満ちるまで、ミネアに持っておいてもらおう、
と、考えるのだった。


さて、第2候補のパノンに会いに行くカイン。
座長の断りなく、
パノンは簡単に仲間になってくれた。
後から思ったことではあるが、
パノンは、同じ場所でずっと働くことより、
旅をしながら、いろんな場所で働くことを望んでいる。
そうカインは後に思ったのだった。

パノンが仲間になったことで、
天空の兜を手に入れられることを確信したトルネコ。
腹芸はしなくて済んだと、ホッと一安心した。
ところが、
パノンに奨められて劇場の舞台に上がってみると、
観客からの声援は、トルネコに集中した。
声援、と言っていいのか、罵声、と言っていいのか、
トルネコにもカインにもわからなかった。

「なんて腹だ!」
「あのデブさはただもんじゃねぇ!」
「腹芸見せろー!」
観客にそう罵声を浴びながら、
トルネコは半泣きになりながら腹芸を披露する。
確かに、ちょっと練習してたけど、
こんな大勢の前で、
罵声を浴びながら披露するつもりじゃなかった。

観客を一満足させたものの、
舞台を降りたトルネコの表情は冴えなかった。
「そんなに太って見えるとは。。エンドールに帰らせてもらいたいです。」
そんなことを口にするのだった。


さてさて、
わりとすんなり仲間になってくれたパノン。
モンバーバラから、スタンシアラを目指す中で、
いろんなダジャレを口にする。
サランに入れば、
「サランの食堂で一番人気の高いメニューは?サラんダ。」
スタンシアラに入れば、
「イカダの乗り心地はいかだ?」
そんなダジャレを四六時中言っている。
そして、自信満々にも、
「このネタで、スタンシアラ王を大笑いさせれること間違いなしですね。」
とも言っている。
さらには、
「この鋼の剣には歯がねぇ」
と言っている剣士に、
「これだから素人は。」
と、ダメ出しまでしていた。

カインは、正直自信がなかった。
この程度のギャグで、王様を笑わせることができるのか。
そして、「歯がねぇ」と言っている剣士には、
「歯じゃなくて刃やろが!」
ぐらいのツッコミは入れてほしかった。

カインが自信なさそうにしているのを
実はパノンは見逃さなかった。
そして、まだ会いもせぬスタンシアラ王の思惑に、
考えを及ばせていた。
王は何故お笑いを求めているのか、
その場の笑いだけを繕えば事足りるのか、
いや、そうではない気がする。
パノンはカインにこう言う。
「王様は単なるシャレでは笑わないでしょう。王様が笑いたい本当の理由を考えれば・・・。」

カインは、パノンの読みの深さに驚いた。
そして、事実、パノンはスタンシアラ王から、
天空の兜を拝受させしめるに至った。

パノンの言はこうだった。
天空の兜をカインに渡せば、
きっとカインが世界を平和に導き、
本当に人々が心の底から笑える日が来るでしょう、と。

王は、このパノンの言葉に感動していた。
なんと、ただ笑わせよ、と御触れを出していたのに、
この者は笑わせようとするのではなく、
ワシの真意を見抜き、
人々の平和をも考えているとは。
王は、もし笑うことができれば、
「わっはっは!よし、座布団1枚!」
と、褒美として、
座布団を与えることでごまかそうかと考えていたのだが、
この感動に応えるには、
スタンシアラの至宝である天空の兜を
与えるしかないという結論に至っていた。

パノンのおかげで、伝説の兜を拝受したカインに、
早速鑑定させてくれとせがむトルネコ。
トルネコは、興奮していた。
ついに、伝説の天空の装備を拝むことができ、
興奮のあまり、声を裏返しながら、
「これは勇者であるカインさんにしか装備できません!」
と力強く鑑定結果を報告するのだった。


王の間を後にすると、
役目を終えた、とばかりにまた旅に出ようとするパノン。
やはり、モンバーバラに戻るつもりがないのは、
マーニャやミネアと同じかもしれない、
とカインは思った。

カインは、パノンのことを
密かに「眠りのパノン」と呼んでいた。
モンバーバラからスタンシアラへの旅路で、
キラーアーマーの大群と出会ったときのこと、
カインはいの一番にラリホーマの餌食となった。
長らく眠っていた気がするのに、
起きてみると、
戦局が眠る前と全く変わっていなかった上に、
パノン以外、敵も味方もみんな眠ってしまっていた。
それ以来、カインは、
パノンのことをそう呼ぶようにした。
真実は、トルネコの意外なる美声で、
敵の大半を眠らせていたのではあるが、
カインは、そのトルネコの活躍をまだ知らずにいた。

こうして、
半ば誤解されてあだ名された「眠りのパノン」は、
そして、唯一眠らなかったのに、
まるで、眠ってばかりいるようなあだ名をつけられたパノンは、
カイン一行と別れを告げ、
新たな旅へと向かうのだった。


カイン:レベル20、プレイ時間16時間51分




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